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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

Photographs by Akina Okada, Ryutaro Kudo

日本のスタートアップ業界に詳しい8人のランキング評価委員が講評した「日本の起業家ランキング2016」の結果から、いまの起業家の潮流と現在地を読み解く。

「大型資金調達が近年相次ぐのは、これまでの日本にはなかった光景だ」(マネックスグループ・松本大社長)

リーマン・ショック以降、冷え込んでいた日本のスタートアップの資金調達は2013年後半以降、大型化し、数十億円規模の調達事例が出始めた。一方で、評価委員会では高バリュエーションで一部バブルが起きているという警笛も鳴らされたが、15年も、こうした動きは続いている。人工のクモ糸を開発するスパイバーが10月、約96億円の大型資金調達を発表。8月に新規株式上場(IPO)したビッグデータ解析のメタップスも約43億円(2月)、ラクスルも約40億円(2月)、freeeは約35億円(8月)、クオンタムバイオシステムズが約24億円(2月)、マネーフォワードが約31億円(10月など3度の合計)など大型ファイナンスを行った企業が相次いだ。

「昨年のような“盛り上がり”は一段落した。現在ならびに今後は、いい起業家に、いい投資家が集い、よりお金が集まるという二極化が起きていく。世界に通用するメガベンチャーをつくるというミッションを考えると健全な形だ」(WiL・伊佐山元共同創業者)。

“こぢんまり”を突破し世界で通用できるか
「Forbes JAPAN」起業家ランキングの上位にランクインした起業家の共通した特徴は「グローバルで通用するか」「社会課題・成長課題の解決につながるか」というキーワードに対し“答え”を出している点だ。

米国・シリコンバレーでは、上場前の評価額が10億ドル(約1,200億円)を超える、通称「ユニコーン企業」が140社以上出ている。そこに進出し、並みいる強豪と肩を並べるがごとく、立ち上がり好調な企業が1位となった。メルカリの山田進太郎だ。フリマアプリ「メルカリ」が国内外で2,000万ダウンロードと好調。今年に入り、北米市場への参入も本格化。売り上げや利益といった事業性とともに、北米市場で高い存在感を示している点が評価された。

あすかアセットマネジメントの谷家衛会長は「オールスターが揃う経営陣、売り上げや利益といった事業性、海外展開の可能性。どれをとっても、ダントツではないか」と話す。特別賞でも、「ビジネスモデル賞」「経営者賞」を受賞し、日本発世界でしっかり実績を出せる企業になる可能性が一番高いとしてトップに選出された。

同じく北米に本格的に進出したスマートニュースの鈴木健、浜本階生も上位にランクインした。「アメリカで知名度を上げ、現地での雇用も成功し、強いチームをつくっている。『ナイス・トゥ・ハブ』から『マスト・トゥ・ハブ』になれるかが次の課題」(前出・WiL・伊佐山氏)。グローバル展開に真正面から挑戦しているところが評価された。

国内シェアの確立とともに海外展開が軌道に乗り始め、評価が高かったのがユーザベースの梅田優祐、新野良介だ。グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)の仮屋薗聡一マネージング・パートナーは「サービスのひとつ『SPEEDA』はシンガポール、上海、香港にオフィスを構え、この1年で海外展開の壁を乗り越え、軌道に乗り始めた。データプラットフォームで初めて日本発世界を実現できるのでは」と話す。

さらに、シリコンバレーで挑戦中の起業家にも高い評価がついた。そのひとりがAnyPerkの福山太郎だ。現在27歳の起業家がシリコンバレーの地に降り立ったのは24歳の時。有名アクセラレーターのYコンビネーター出身で、シリコンバレーで最も知られる起業家へと成長し、メジャーリーグに挑戦した野茂英雄選手を彷彿させる。「ここ数年以内に上場した起業家と話すと、組織を動かす経営力は優れているが、ダイナミックさがないと感じることが多い。海外に本社を構える起業家には、“こぢんまり”を突破する可能性を感じる」(フィスコ・狩野仁志社長)

グローバル市場を最初から狙う起業家への評価も高かった。クオンタムバイオシステムズの本蔵俊彦だ。米国でベンチャーが多い“ブーム”な事業領域で、製品化がこれからにもかかわらず、社会変革の可能性と高い技術力、日米にオフィスを置く経営チームが評価された。産業革新機構の土田誠行専務執行役員は「格安化に成功した企業がグローバル市場を寡占化できる事業領域。そのなかで、優秀なグローバル・チームをつくり、世界最先端を走っている一社だ」と強調した。
[後編へ続く]

■ランキング評価委員会
Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2016」ランキング評価委員会は2015年10月2日、10月8日の2回(それぞれ2時間程度)に分けて行われた。弊誌・高野真編集長をモデレーターに、日本のスタートアップ業界に詳しい計8人の評価委員会メンバーから、ショートリストの起業家25人についての意見を聞き、ランキング上位集団を選定。最終的に、委員の投票によって順位を決めた。

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評議委員メンバー[左から]フィスコ 狩野仁志 代表取締役社長、グロービス・キャピタル・パートナーズ 仮屋薗聡一 マネージング・パートナー、あすかホールディングス 谷家衛 取締役会長、Genuine Startups 伊藤健吾 共同代表、WiL 伊佐山元 共同創業者CEO、産業革新機構 土田誠行 専務執行役員、C Channel 森川亮 代表取締役、マネックスグループ 松本大 代表執行役社長

文=フォーブスジャパン編集部

 

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