1位に選ばれたのは、無名に近いデータ解析サービスのスタートアップ、Uptake Technologiesだ。同社はわずか1年ほど前にシカゴで設立され、昨年10月に評価額10億ドル以上で4500万ドルを調達して突如として脚光を浴びた。UptakeのCEOで元グルーポンの共同創業者のブラッド・キーウェルはフォーブスに対し「弊社は既に大幅な黒字を生み出している」と述べた。
Uptakeは一体どのようにして収益を挙げているのだろうか。同社が目指すのは、建設、航空、鉱業、鉄道などの主要産業向けにデータ解析や予測分析のバックエンドサービスを提供することだ。例えば、貨物列車をけん引する機関車に設置したセンサーから常時データを受信し、鉄道会社やエンジニアに対して機関車の最適な速度や燃料効率、故障しそうな箇所などに関するデータをリアルタイムで提供する。
「我々が取り組んでいるのは、利益や経費節減、安全につながるデータを企業に提供することだ」とキーウェルは述べた。これを実現する上で、Uptakeは大手の産業機械メーカーと組んでエンドカスタマー向けのSaaS製品を開発した。Uptakeのパートナーの1社は、年商550億ドルのキャタピラー社だ(Uptakeはパートナーを1社しか公表していない)。
Uptakeの株主でもあるキャタピラーは、自社でサービスを構築せず、300人以上のエンジニアやデータサイエンティストを抱えるUptakeと組むことを選んだ。
「これから数年か数十年後には、データ提供産業の市場は、部品やサービスなどの主要産業と肩を並べるだろう」とキーウェルは話す。
「我々は時代の先を行き過ぎているかもしれないが、将来的に大きな利益を生み出すと確信している。革新が訪れた時に、生き残りたいと考える大手企業との提携を推進している。大企業がスタートアップのようなスピードでイノベーションを起こすのは困難だ」
キャタピラーのような大企業は、IoTを導入するための能力やリソースが社内に不足している。そこで、Uptakeがパートナーとなり、ソフトウェア開発を担うというわけだ。
キーウェルは自己資金をUptakeに投資している。彼はUptakeの共同創業者であると同時に、Uptakeに出資しているベンチャーキャピタルLightbankの共同創業者でもある。他には、GreatPoint VenturesとNew Enterprise AssociatesがUptakeに出資している。