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スプニツ子! / アーティスト・MITメディアラボ助教 (ジョシュア・バーナット=写真)

本人の言葉を借りると「もともと引きこもり」だった。だがYouTubeで作品を発表し続け、それらがキュレーターの目に留り、気づけば理系の最高峰MITメディアラボからラブコールを受けるまでになっていた。そのエネルギーは、いったいどこから生まれるのか。

昨年、スプツニ子!が発表した『ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩』は、月面にハイヒールの跡を残すべく、機械を作り出す理系女子の物語。この作品が見る者を静かに興奮させたのは、月や火星のような場所に最初に降り立つのは男、という固定観念がどこかにあったから。だから、スプツニ子!の大胆な発想で突っつかれると、なぜそれを当たり前と思っていたのか、自問せずにはいられなくなる。

「自分では極端なことをやっているとは思っていないんです。すべて理詰め。作品を通して、多くの人に問いかけをしたい。発想が変われば、世界が変わると思う」

当の本人は、そうさらりと言い放つ。

両親は数学者。幼いころから「誰もやっていない試みこそが評価される」という空気が家に充満していた。

「サイエンスが好き。だけど、音楽にもアートにも興味がある」。世間的には、なかなか交わることのない2つの分野を自己流で結びつけた。自分をアートマニアとは思っていないので、「アート作品は、美術館で見るべき」なんて、考えもない。映像作品であれば、美術館での展示初日にだってYouTubeにアップしてしまう。

「マニアになってしまうと、アートの“ 様式”を気にして大切にしてしまう。でも、本当は何をやりたかったのか、本質を突き詰めて考えると、自信を持って様式を壊すことができる。目の前にtwitterやYouTubeがある。これを使わずにどうする、と。ビジネスだって同じだと思うんです」

本質を見つめることで、「様式をハッキングできる」とスプツニ子!は表現する。「なぜ?」を突き詰めなければ、永遠にそのスタイルに縛られる。

「『これは、このままでなくてもいい』と思うところは、どんどん変えていくべきだと思う。古い価値観を過剰 に敬う必要はないと思うんです」

スプツニ子!自身、常識やルール、ステレオタイプといった枠組みに苦しめられて生きてきた。数学大会 で優勝しても「女に負けたのかよ!」と、男子生徒に 無邪気に叫ばれた。世界には多くの人種と多様な価値観があることを肌で感じていたからこそ、「狭いなかでのルールなんて、必ずしも正しくない」と悟った。

ある日、物理の教授だった祖父に手伝ってもらった宿題を「ある意味正しいけれど、20年前の理論だよ」と若い教師に指摘され、「なるほど!」とポンと手を打った。ルールは変わる。事実は必ずしもひとつじゃない。物理の法則だってアップデートされるのだから、デザインやビジネスのスタイルも進化して当たり前だ、と。

古谷ゆう子

 

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