ザッカーバーグの例を待たずとも、ミレニアル世代はチャリティに対して意欲的な傾向がみられた。テクノロジーが驚異的な進化を遂げる時代に育った彼らは、これまでの世代以上に社会に関心を向け、国境や文化の違いを越えてコミュニケーションする傾向にある。そのことが、社会的責任を果たすことを当然と考える意識を形成しているのだ。
ミレニアル世代の動向を調査する団体「ミレニアルインパクト」のリポートによると、2014年には、ミレニアル世代の84%が寄付を行った。社会に貢献することが重要だと考える高校生3年生はどの世代よりも多く、大学1年生の多くが互いに助け合うことが重要だと答えている。若者の10人に7人が自分は社会活動家だと答えている。
ミレニアル世代は、企業が社会貢献を行っているかどうかにも強い関心を示す。5人中4人までが、価格と質が同じなら社会貢献を行っている企業の商品を選ぶと答えている。ミレニアル世代はソーシャルメディアを使って様々な支援活動を展開し、それは確実に成果をあげている。
ザッカーバーグはワークライフバランスの観点でも、ロールモデルになろうとしている。妻のプリシラの出産の直前、彼は2カ月の育休をとることを宣言した。巨大企業のCEOとしては異例の決断と言える。フェイスブックは最近、社員全員が育休として4カ月の有給休暇をとれる制度を発表した。他の企業もこれに追随してくれることを願っているようだ。
ミレニアル世代は家族を重視する傾向も強い。共働きの両親が多い中で育った彼らは、フレキシブルな働き方を望み、家庭重視の方針を打ち出す企業に惹きつけられる。米国において、ミレニアル世代は史上最も博愛精神に満ち、互いに思いやる世代であると定義できるかもしれない。