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2026.10.28 09:51

ポッドキャストで稼ぐ:一部の者には容易く、大半には「不可能」な現実

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ジョー・ローガンは、2026年10月8日に発表されたSpotifyとの新たな複数年パートナーシップ契約に署名した。従来と同様に広告販売と配信権に関する契約だ。Spotifyは正確な金額を公式発表していないが、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によると、最低保証金額と広告収入のシェアを含め、契約期間中の総額は2億5000万ドル(約395億円)(アーンアウトを含む)に上ると見積もられている。

ローガン氏の現在および将来手にすることになる莫大な富とは対照的に、ポッドキャスト界の厳しい現実を示す数字が存在する。エンターテインメント誌『Backstage』によると、大多数の番組は有意な収益を生み出しておらず、定期的な広告も掲載していないため、ほとんどのポッドキャストの収益は0ドルからごくわずかだ。収益はリスナーの規模やマネタイズ方法によって大きく異なる。1エピソードあたりのダウンロード数が1000回未満の場合、通常は1エピソードあたり0〜50ドル(約1万未満円)(月額500ドル(約7万円)未満)程度で、その大半は少額のアフィリエイトリンクやファンからの寄付、趣味レベルのトラッキングによるものだ。1エピソードあたり1000〜5000回ダウンロードされる場合は、初期段階のダイナミック広告やリスナーからの支援を通じて、月あたり概ね100〜1000ドル(約15万円)を売り上げる。

さらに考えてみてほしい。すべてのポッドキャストの半数以上が、1エピソードあたりのダウンロード数30回未満だ。計算してみれば、身につまされる現実が浮かび上がる。これはジョー・ローガン氏を貶めるための話ではない。彼の番組は毎年、ポッドキャストランキングのトップ5に定着している。今日ここで投げかけるべき疑問は「ポッドキャストとは、ごく一握りの人間しか収益を得られない業界なのか?」ということだ。

企業や従業員が収支トントンにするのが精一杯という業界は、他にいくらでもある。フードデリバリーやAmazonの配送業務といったギグ経済、あるいは経済的な生存をチップに依存している接客業などがその例だ。企業側に目を向けると、外食産業全体が、食品廃棄の多さ、莫大な初期費用、重い人件費の負担により、50%という極めて高い廃業率と非常に低い利益率(通常3%〜5%)に苦しんでいる。介護施設は慢性的に赤字を抱え、石炭産業はこの20年間、倒産を回避する方法を見出せずにいる。

本記事が提起する問いは「ポッドキャストとは、ほんの一握りしか稼げず、それ以外の誰もが本業を別に持つか、起業家的なアプローチで収入を補わなければならない業界なのか?」ということである。

ポッドキャストのマネタイズは、多岐にわたる複雑な要素を含んでおり、たった1本の記事で網羅することは不可能だ。したがって、本稿ではそれを試みない。この記事は、ポッドキャストのマネタイズに関する連載の第1弾となる。本連載では、誰がどのように収益を上げているのか、探っていく。そして、なぜポッドキャスターの99%がポッドキャストの活動だけで自活できるほどの収入を得られないのかを解き明かしていく。

専門家に聞く

本連載で解説を務める専門家は、ポッドキャスト『PodBiz』の共同ホストであるジョン・キアナンとノーマ・ジーン・ベレンキーだ。

PodBizは、ノーマ・ジーン・ベレンキーとジョン・キアナンがホストを務めるポッドキャストで、マネタイズと業界の成長に焦点を当てながらポッドキャストビジネスを探求している。クリエイターや役員、イノベーターへのインタビューを通じて、広告収入、ブランデッドコンテンツ、オーディエンス開拓、制作ワークフローなどのトピックを取り上げ、ポッドキャストで収益を上げるための戦略を議論する。同番組は「ポッドキャストの資金はどこにあるのか?」という問いへの答えを探ることを目指している。

ジョン・キアナン氏は、ポッドキャスト業界のベテランであり、オーディオプロデューサー、そしてポッドキャスト業界のビジネスやマネタイズ、成長戦略を探求する『PodBiz』の共同ホストだ。また、ブランドや企業向けにポッドキャストの企画、制作、編集、配信を提供する代理店「PodHouse Productions」の所有者兼制作責任者でもある。彼はPodbeanに6年間在籍し、カスタマーサクセスディレクターおよびコンテンツディレクターとして65万個以上のポッドキャストを統括した。ギタリストであり、プロレスの入場曲の制作も手掛けるほか、『Ropes N Riffs – Wrestling Entrance Themes, Wrestling and Music Stories』のホストも務めている。

ノーマ・ジーン・ベレンキー氏は、ポッドキャストのオーディエンス開拓、戦略的マーケティング、ブランデッドコンテンツの成長を専門とするコンサルティング会社「NJB Media」の創業者だ。NJB Mediaを立ち上げる前は、ポッドキャストホスティングやブランデッドコンテンツのプログラム構築を支援し、欧州およびアジア太平洋地域の企業クライアント向けにオーディエンス戦略とクリエイティブ制作を牽引した。以前はPodbeanでイベント責任者を務めた経験を持ち、音楽制作や韓国での英語教育のバックグラウンドも有する。また、ザ・ポッドキャスト・アカデミー(The Podcast Academy)の理事にも選出されている。


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ジョンとノーマ・ジーンは、ポッドキャストでのマネタイズをめぐる多種多様な課題を掘り下げるにあたり、マネタイズの専門家として解説を担当する。ポッドキャストのマネタイズが当然のように簡単にできると思っているなら、考え直したほうがいい。ポッドキャストは常に、収益化の機会よりもテクノロジーのほうが先行してきたメディアなのだ。

『PodBiz』には、ポッドキャスト界の最前線で活躍する人物も集まっている。アンドレア・コスカイ氏はその一人で、欧州全域のクリエイターがどのようにオーディエンスを構築し、国境を越えてリスナーに届け、コミュニティ優先の戦略を通じてマネタイズしているかを解説した。『Eurowaves』の創業者であり、Tink Mediaの元マーケティングリード、そしてグローバルなクリエイターコミュニティの主要人物である彼女は、インディーズ系ポッドキャスターが欧州の市場環境について理解すべき点について、現実的な視点を提供した。彼女が語るように、マーケティングは任意ではない。「作品を収益化したいのであれば、制作と同等の資金や労力をマーケティングにも投資しなければならない」

PodBizは今年前半、Pinwheelのコミュニティ・コンテンツ担当ディレクターであり、『EarBuds Podcast Collective』の創業者、そしてポッドキャストの殿堂(Podcast Hall Of Fame)入りを果たしているアリエル・ニッセンブラット氏をゲストに迎えたエピソードを配信した。

『Where’s The Money In Podcasting?(ポッドキャストの資金はどこにあるのか?)』というタイトルのこのエピソードで、アリエル氏はトレンドを追いかけずにクリエイターが成長する方法や、ポッドキャストの真の価値は規模ではなくつながりにある理由を共有した。彼女は、インディーズのポッドキャスターが明確さ、アウトリーチ、そして自分たちが誰にサービスを提供しているのかを正確に把握することを通じて、リスナーの信頼を真のビジネス機会に変える方法を説明した。

番組の中でアリエル氏はこう指摘した。「手短に答えるとすれば、ポッドキャストにおける資金は非常に特定のニッチなポッドキャストにあり、さらに言えば、その資金を獲得するためにどう動くべきかを知っているポッドキャスターのもとにある……本当にニッチを見出したクリエイターであれば、トピックが極端にマニアックである必要はない。メンタルヘルスに関するポッドキャストであっても、その中で特定のニッチを見つけたり、特定のグループに向けて発信したりして、そうした人々が誰であるかを把握していればいいのだ」

長期的なマネタイズとポートフォリオ戦略について議論する際、アリエル氏はこう述べている。「作成しているプロジェクト全体を、より大きなポートフォリオの一部として捉えることを強くお勧めする。ホスティングプロバイダーのプログラマティック広告経由では収入が得られないかもしれないが、こうしてポッドキャストで話していることで、5カ月後に誰かがこのエピソードを聴き、自身の番組のコンサルティング料を払ってくれるかもしれない……つまり、ポッドキャストでの収入は『今種をまき、ずっと後に収穫する』という性質が非常に強い。耳にしたくないかもしれないが、手っ取り早く稼げるメディアではないのだ」


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ポッドキャストのリスナーはどれほどの広告に耐えられるのか?

本連載の第1回となる本稿では、一般的なポッドキャストにおける広告の数について見ていこう。時に主観的な認識と現実は一致しない。ポッドキャストにおける平均的な広告量の割合(アドロード)は、追跡データや時期によって異なるが、エピソード全体の時間の5.44%から8.75%の間となっている。

対照的に、テレビ放送では1時間の番組で約19分の広告が入るため、アドロードは31.6%となる。従来のラジオ放送の平均アドロードは通常1時間あたり約12分で、20%だ。動画配信サービス(ストリーミングTV)の場合、平均アドロードは事業者によって異なり、Paramount+やHuluが最も高く約20%、Netflixが最も低く約8%となっている。

これらの数字を踏まえた上で、最新の調査『The Podcast Study 2026』によると、ポッドキャストを無料で利用し続けられるのであれば広告がもう少し増えても許容できると回答したリスナーは、わずか8.6%にとどまった。

一方で、54.8%がポッドキャストにはすでに広告が多すぎると回答している。この全米調査は、18歳から54歳のポッドキャストのリスナーおよび視聴者1205人を対象に実施された。リサーチ会社「Strategic Solutions Research」は、これを業界に対する黄信号の点滅だと呼んでいる。

「これは広告量に関する警告の黄信号だ」とStrategic Solutions Researchのパートナー兼執行副社長であるハル・ルード氏は述べる。「ポッドキャスト利用者の大部分が1年前よりも多くの広告を耳にしていると感じており、それが彼らの行動を変化させている。これは広告が機能していないという意味ではない。枠を増やすだけの安易な成長は終わりに近づいており、リスナーに見限られる前に、ポッドキャスターは次に何をすべきかを知る必要があるということだ。私たちの研究はその方向性を示している」

同調査では、広告の影響はいら立ちだけに留まらないことも判明した。約5人に1人のリスナーが、広告のせいでポッドキャストを聴く頻度が減ったと答えている。ポッドキャストに深くエンゲージしている層ではその影響がさらに顕著で、聴く時間が減ったと報告する割合が高く、広告を理由にエピソード全体をスキップする割合はライトリスナーの2倍以上に達している。

しかし、この調査結果は、ポッドキャスターが既存の広告をより効果的に活用するためのヒントも提示している。ホスト(出演者)が自ら読み上げる広告は、事前録音された広告よりも試用や購入への影響力が高く、ホストによる推奨は関心度、ブランド想起率、信頼度、購入検討を向上させる。

Earmax Mediaの共同創業者アンディ・マックスウェル氏は『PodBiz』に出演した際、ブランドは可能な限り大きなオーディエンスを狙うのではなく、ブランドへの親近感や好感度の向上とともに、目に見えるコンバージョンに焦点を当てるべきだと主張した。規模そのものよりも、小規模で固く結びついたコミュニティのほうが価値が高いとマックスウェル氏は語る。ニッチに特化すれば、単なるリーチ数よりも、その周りに構築されるコミュニティのほうがはるかに重要になるからだ。


FORBES | By Quora
ポッドキャストはどうやって稼いでいるのか?

今後の連載では、ポッドキャストでの事前録音広告の販売が、特にインディーズの中堅ポッドキャスターにとって難しく、有名人などのごく一部にしか機能しない理由を明らかにしていく。

有名人といえば、ポッドキャストに参入する前から知名度がある人々には異なるルールが適用される。大手ポッドキャストネットワーク(Amazon、iHeart、SiriusXM、Spotifyなど)は、俳優や有名人を契約してインタビュー番組をやらせたがる。なぜか?理由は実に様々だ。俳優はすでにマイクを前にすることに慣れており、固定ファンを引き連れてくるためマーケティングが容易で、ダウンロード数や再生数を稼げるゲストを呼ぶこともできる。ケイト&オリヴァー・ハドソン、コナン・オブライエン、ジェイダ・ピンケット、エイミー・ポーラー、ダックス・シェパード、デヴィッド・スペード&デイナ・カーヴィなど、名前を挙げればきりがない。

さらに、自身が出演していたドラマを振り返る「振り返りポッドキャスト」を主催する俳優たちの長い列が続く。ジェナ・フィッシャーとアンジェラ・キンゼイによる『Office Ladies』、ザック・ブラフとドナルド・フェイソンが『Scrubs〜 we love クリニック』のエピソードを観返して解説する『Fake Doctors, Real Friends』、マイケル・ウェザリー(トニー・ディノッゾ役)とコート・デ・パブロ(ジヴァ・ダヴィード役)による『Off Duty: An NCIS Rewatch』、ドラマのスターであるパトリック・J・アダムス(マイク・ロス役)とサラ・ラファティ(ドナ・ポールセン役)がホストを務める『Sidebar: A Suits Watch Podcast』などだ。

知名度を利用して視聴者・リスナーを惹きつけられるため、芸能人によるインタビューポッドキャストや振り返りポッドキャストは、ほぼ確実に収益を生み出すことができる。もちろん例外もある。

『デイリー・ビースト』によると、サセックス公爵夫妻(ハリー王子とメーガン妃)の制作会社とSpotifyとの数百万ドル規模(2000万ドル(約31億6000万円)相当と報じられている)のパートナーシップ契約は、メーガン妃のポッドキャスト『Archetypes』を含むコンテンツの制作量が少なく、プラットフォームの基準を満たせなかったため、シーズン2への更新に至らず打ち切られた。

バラク・オバマとブルース・スプリングスティーンがタッグを組んだ音声プロジェクト『Renegades: Born in the USA』は批判に晒され、長期的な広がりにも欠ける結果となった。多くのレビューアーやリスナーは、アメリカン・ドリームや人種に関する深い対話を「台本通りで退屈」「感覚がズレている」と評した。

そして、誰もが予想した通り、パリス・ヒルトンのポッドキャスト参入『I Am Paris』は強い懐疑論と賛否両論の評価を受けた。宣伝素材やエピソードは実質的な内容に乏しく、ブランド宣伝の手段にすぎないと批判された。

ポッドキャストのマネタイズに関する新しい連載では、以下の領域を調査していく。

ポッドキャスターは広告枠の販売で収益を得られるのか?

ポッドキャスターはサブスクリプションサービスで収益を得られるのか?

ポッドキャスターはグッズの販売で収益を得られるのか?

ポッドキャスターはブランドの展開(書籍、講座、コンサルティングなど)で収益を得られるのか?

ポッドキャスターはPatreonなどの寄付を通じて収益を得られるのか?

ポッドキャスターはスポンサーシップで収益を得られるのか?

ポッドキャスターはポッドキャストネットワークに参加することで収益を得られるのか?

ポッドキャスターはライブショーで収益を得られるのか?

ポッドキャスターはリスナー間でコミュニティを構築することで収益を得られるのか?

ポッドキャスターはTrueFansなどのポッドキャストポータルを活用して収益を得られるのか?

「明らかに、ポッドキャストで収益を得る方法は複数ある」とポッドキャスト・コンサルタントのジョージ・ウィット氏は語る。「あらゆるポッドキャスターにとっての問いは、上述したマネタイズ手法のどの組み合わせが自分にとって実際に機能するのか、ということだ」

本連載の次回記事に注目して、その答えを確かめてほしい。

(forbes.com 原文)

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