ついに相手から情報収集のための面談の承諾を得られたとする。LinkedInで送るメッセージを何度も推敲し、質問内容を決めるために相手のプロフィールを熟読したはずだ。興味のあるキャリアを歩んできた人物と話せる時間は20分。その時間を最大限に活用しようと意気込んでいることだろう。
会話はそれなりに和やかに進む。相手は自身のキャリアについて話し、あなたはどのようにしてその仕事を始めたのかを尋ね、最後に時間を割いてくれたことに感謝する。だが面談後、何を達成できたのかよくわからない。
求人について尋ねるべきだったのか。紹介を得るチャンスを逃したのか。ビジネススクールの教授として、私はこうした質問を学生からよく聞く。こうした会話が重要だとは教えられているものの、どうすれば価値あるものにできるのかがわからないのだ。
以下に、こうした会話をより有益にする4つの方法を紹介する。
1. 相手が助けやすい具体的な相談を用意する
多くの学生は、迷惑をかけているのではないかと感じて連絡をためらう。だが人は、私たちが思う以上に手助けに前向きであることが多い。もちろん、誰もが応じてくれるわけではない。それでも、頼むことについて何度も謝る必要はない。
なぜ連絡しているのかを具体的に伝えることだ。「お話を伺えればうれしいです」とだけ言うのではなく、何を学びたいのか、なぜその相手に尋ねたいのかを説明する。自分の言葉で、例えば次のように伝えられる。
「プロダクトマネジメントに関心があります。ご経歴を拝見し、私と同じくエンジニアリング出身でいらっしゃることを知りました。短時間お話しする機会をいただけないでしょうか。どのように転身されたのか、また実際の仕事がどのようなものかを伺えれば大変ありがたいです」
20分をお願いしたなら、時間を確認しながら進め、20分になった時点で終える提案をすることだ。
2. 1日の具体的な業務内容を尋ねる
仕事そのものについて尋ねよう。相手のカレンダーを埋めているのは何か。何を楽しんでいるのか。コンサルタントという仕事のイメージには魅力を感じても、実際にコンサルタントが行っていることの多くは自分に合わないと気づくかもしれない。
例えば、次のような質問が有効だ。
- 「先週を振り返ってみて、最も時間を費やした業務は何でしたか?」
- 「仕事の中で楽しみにしている部分と、後回しにしがちな部分はどこですか?」
- 「実際に働き始めてみるまで気づかなかったことは何ですか?」
答えが漠然としているように聞こえたら、具体例を求める。相手が「ステークホルダーの調整」と言ったなら、「最近、そのような対応が必要だった場面について教えていただけますか」と尋ねてもよい。何が起き、相手がそれにどう対処したのかを聞くことで、その仕事の輪郭がより明確になる。
3. 検証したい仮説を持って臨む
質問をいくつか用意し、その中に仕事に関する前提を確認する質問を1つ入れておく。例えば「人と話すことが好きなので、UXリサーチに関心があります。この仕事では、インタビューにどのくらいの時間を使い、結果の分析にはどのくらいの時間を使うのでしょうか」といった具合だ。
そのうえで、相手が話してくれた内容を掘り下げる。最も難しいのは同僚に調査結果を活用してもらうことだと言われたなら、なぜそうなのかを尋ねる。リストにある次の質問に急いで移るよりも、相手の答えを深掘りするほうが多くを学べる。
4. 仕事のどの部分に魅力を感じたかに注目する
面談後、できるだけ早く、何に興味を持ち、何が魅力的に聞こえなかったのかを書き留める。できるだけ具体的にすることだ。例えば「マーケティングは面白そうだ」と書くよりも、「顧客に対して異なるメッセージを試す話に興味を持った」と書くほうが、自分にとって多くの示唆がある。
複数の面談で取ったメモを比較する。まったく異なる分野であっても、似たような業務に一貫して強い関心を示しているかもしれない。あるいは、楽しめると思っていた仕事の一部が、実際には1週間の中でごくわずかな時間しか占めていないと気づくかもしれない。
相手の記憶に残る理由をつくる
会話の後にはお礼を送り、相手から勧められたことを試したなら、その後の報告をする。例えば次のように書ける。
「SQLのコースを試してみるよう勧めてくださり、改めてありがとうございました。実際に申し込み、思っていた以上に楽しめました。今後はアナリティクスに関わる職務をもう少し詳しく見てみようと思います」
近況を伝えることは、その会話を真剣に受け止めたことを示し、自然に連絡を取り続けるきっかけにもなる。
仕事の手がかりが得られないこともあるだろう。それでも、何を追求すべきかについてより明確な見通しを得られる。それが、就職活動における次の一歩を踏み出しやすくしてくれる。



