米株式分析会社Trefisの調査によると、2026年10月までの過去5年間における航空宇宙・防衛業界の分析で、小型ロケット打ち上げや人工衛星製造を手がける米宇宙企業Rocket Lab(ロケットラボ)の株価パフォーマンスは、同業51社中44社を上回る高水準を記録した。これほどの差は、業界そのものが好調だったことから生まれる場合もあれば、会社が自力で築いたものから生まれる場合もある。株価急騰の原動力は業界全体の追い風によるものか、それとも同社独自の事業拡大によるものなのか。
ロケットラボと業界全体のパフォーマンス比較
2026年10月までの5年間で、ロケットラボの株価は304.6%上昇した。その結果、ロケットラボ株は、58.8%上昇した業界の標準的な企業を大きく引き離した。ここでいう業界の標準的な企業とは、株価指数のことではない。規模を問わず、業界の企業をリターンの高い順に並べたときに、ちょうど真ん中に来る企業(中央値の企業)のことである。下に示す、航空宇宙・防衛業界が属する資本財・サービスセクターの数字と、全銘柄の数字も同じだ。
| 銘柄・指標 | 1年リターン | 3年リターン | 5年リターン |
|---|---|---|---|
| ロケットラボ(RKLB) | −18.5% | 1186.1% | 304.6% |
| 航空宇宙・防衛業界(中央値の企業) | −17.9% | 58.0% | 58.8% |
| 資本財・サービスセクター(中央値の企業) | −2.4% | 31.9% | 18.4% |
| Trefisのデータにある全銘柄(中央値の企業) | −1.6% | 30.6% | −4.2% |
| S&P500(米国の主要企業500社で構成する株価指数) | 13.1% | 79.5% | 66.9% |
いずれも米国時間2026年10月24日までの、配当を含めたトータルリターン(株価の値上がり益に配当を加えた投資収益率)である。ただし、S&P500は指数の水準の変化で、配当を含まない値動きだけの数字だ。業界、セクター、全銘柄の数字は、それぞれのグループの中央値の企業の値である。
つまり、ロケットラボ株の上昇率は、航空宇宙・防衛業界の標準的な企業のおよそ5倍だった。
株価を押し上げたのは業界だったのか
航空宇宙・防衛業界全体が、ロケットラボ株をある程度支えたのは確かである。資本財・サービスセクターは、航空宇宙・防衛を含む23の業界に分かれている。この5年間の上昇率で比べると、航空宇宙・防衛業界は23業界のなかで4番目に高かった。航空宇宙・防衛業界の標準的な企業の上昇率が58.8%だったのに対し、セクター全体の標準的な企業は18.4%にとどまる。
すべてのセクターを通じて見ると、標準的な銘柄は4.2%下落した。一方、時価総額の大きい企業ほど値動きが大きく反映されるS&P500は、66.9%上昇した。航空宇宙・防衛業界は、所属するセクターと、全銘柄の標準的な銘柄をともに上回っており、ロケットラボ株にとって追い風になった。ただし、S&P500には届かなかった。
しかも、航空宇宙・防衛業界の標準的な企業も、同じ追い風を受けながら、ロケットラボには大きく引き離された。つまり、ロケットラボ株が業界を上回った差の大半は、同社自身が生み出したものである。



