2028年オリンピック・パラリンピックに向けた準備が加速するなか、LA28のロサンゼルス中心部の本部は、従業員、消費、新たなビジネス機会を都市中心部にもたらしている。
(本稿は、2026年9月24日に実施したLA28最高経営責任者(CEO)レイノルド・フーバー氏へのForbes独占インタビューに基づく2部構成記事の後編である。引用はすべてインタビューの書き起こしから直接引用している)
オリンピックの成功を測る
オリンピックはしばしば、授与されたメダル、更新された記録、そして人々の心をつかむ忘れがたいパフォーマンスによって評価される。しかしLA28のCEOであるレイノルド・フーバー氏にとって、2028年オリンピック・パラリンピックのレガシーは、南カリフォルニア全域で生み出される雇用、ビジネス機会、投資、そして全体的な経済活力といった大きなプラスの経済効果によっても測られる。フーバー氏は、最近公表された情報や逸話から、そうした影響がすでに現れていることがうかがえると指摘する。
このインタビューでフーバー氏は、LA28がロサンゼルス中心部に本部を設ける決定を下したことは、市の都市中心部の再活性化に貢献するというリーダーシップ上の意識的な判断を反映したものだと説明した。本部は単なる管理拠点ではない。日々従業員をダウンタウンに呼び込み、周辺事業者を支え、組織委員会を大会の重要な運営拠点の近くに置く、成長し続ける職場である。
フーバー氏は、経済機会は2週間のオリンピック競技期間と、その後に続くパラリンピックをはるかに超えて広がると考えている。
LA28にとってロサンゼルス中心部が重要な理由
フーバー氏が2024年6月にLA28のCEOに就任した時点で、同組織の従業員数は約120人だった。その後、準備が加速するにつれ、委員会の人員は大幅に拡大した。インタビューでフーバー氏は、LA28は現在1000人超に成長しており、大会時には約5000人に達する見込みだと述べた。この成長により、本部の立地は重要な戦略的判断となった。
「ここ以上にふさわしい場所はない」とフーバー氏はロサンゼルス中心部について語った。
彼はダウンタウンを大会の運営上の中心と位置づけ、ロサンゼルス・コンベンションセンター、L.A.ライブ、ピーコック・シアター周辺に重要な会場やイベントインフラが集中していると説明した。この立地により、LA28は2028年大会で重要な役割を果たすと見込まれる複数の施設の近くに拠点を置くことになる。だがフーバー氏は、組織を都市中心部に置くことに、より広い目的も見いだしている。
本部をダウンタウンに移すことは、コロナ禍後に深刻な経済的・商業的課題に直面してきた地域に直接貢献する機会となる。その存在が重要なのは、大規模組織の経済効果が自社の給与支払いを超えて広がり得るからだ。従業員は食事を購入し、コーヒーショップを訪れ、地域のサービスを利用し、近隣の小売店を支える。人員が拡大するにつれ、周辺事業者にとっての潜在顧客基盤もともに広がる。
日常的な消費をダウンタウン経済にもたらす
フーバー氏は、LA28の従業員は単にダウンタウンへ通勤し、勤務終了後に帰るだけではないと強調した。本部から徒歩圏内に住むため、この地域へ転居した従業員もいる。これにより、周辺事業者は週を通じた消費から恩恵を受ける機会を得ている。
「私たちのビル周辺のレストラン、バー、地元の食料品店、薬局を訪れれば、私たちのスタッフが毎日ここにいることで、彼らが実際に恩恵を受けていることがわかる」とフーバー氏は述べた。
この違いは重要だ。
大会の経済的貢献はしばしば、2028年に訪問者が到着し、ホテルの客室を埋め、チケットを購入し、レストランや観光施設で消費することと結びつけられる。そうした訪問者は重要である。しかし、組織委員会自身の労働力もすでに地域経済の方程式の一部となっている。従業員は食品、小売、交通、個人向けサービスに対する継続的な需要を生み出す。一度限りのイベントとは異なり、その需要は2028年に至る計画期間の数年間を通じて続き得る。LA28の人員が拡大するにつれ、周辺事業者への潜在的な影響も拡大していくはずだ。
南カリフォルニア全域に広がる大きな経済機会
ロサンゼルス郡経済開発公社が2026年9月に発表した調査では、LA28大会の計画、準備、開催により、グレーター・ロサンゼルス全域で約205億ドル(約3兆2300億円)から406億ドル(約6兆3900億円)の経済生産が生み出され、約12万6000人から22万4000人の雇用を支える可能性があると推計された。これらは、2028年まで、および2028年を含む複数年にわたる期間を対象とする予測である。
潜在的な経済活動は、建設、交通、ホスピタリティ、宿泊、警備、専門サービス、エンターテインメント、イベント制作など幅広い産業に及ぶ。世界最大の商業不動産サービス・投資会社CBREのプリンシパル、クリス・ペンローズ氏によれば、来たる2028年オリンピック大会のハブとして機能するロサンゼルス中心部は、同地域へのテナントの関心を高める一因となっている。そのハブの中心にあるのが、サウス・オリーブ・ストリート1150番地のUSCタワーに置かれたLA28組織委員会の本部である。
ペンローズ氏は今年初め、CoStar Newsに対し「LA28に関係する企業や関連団体の多くが、大会開催地、ホスピタリティ、利便施設、交通へのアクセスという点で、ロサンゼルス中心部が従業員にとって最適な立地だと考えるようになっている」と語った。
小規模事業者のレガシー
フーバー氏は、オリンピック・ムーブメントと地域のビジネスコミュニティとのつながりを示す例として、ロサンゼルスの名店を挙げた。27thストリート・ベーカリーである。家族経営の同店は1956年から営業しており、スイートポテトパイで知られる。オーナーの1人であるジャネット・ボールデン・ピケンズ氏にも、オリンピックとのつながりがある。ボールデン氏は、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで開催された1984年ロサンゼルス五輪の女子4×100メートルリレーで金メダルを獲得した。
彼女の物語は、LA28が目指すレガシーの複数の要素を結びつけている。長年続く地元企業、成功したアスリート、そしてロサンゼルスとオリンピック・ムーブメントの持続的な関係である。フーバー氏にとって、27thストリート・ベーカリーのような企業は、大会が近づく中で認知されるべき地域の基盤的存在を象徴している。
LA28は、地域企業の参加をより広範な優先事項として位置づけている。同組織の経済効果に関する発表では、調達可能支出の75%をグレーター・ロサンゼルスの企業に、25%を地元企業および小規模事業者に向ける目標が示された。これらの目標は、地域企業が大会の準備と運営に参加するための実質的な道筋を提供するものだ。
「メダル、アスリートの偉業、そして世界的なスペクタクルこそが、私たちが一堂に会する理由だ」とフーバー氏は述べた。「しかし、永続的なレガシーとは、地元企業や小規模事業者が2028年以降も長く繁栄できるよう残される経済的利益である」
LA28の本部が、ダウンタウンが抱えるすべての課題を解決するわけではない。大規模雇用主の存在が、近隣のすべての事業者に恩恵をもたらすことを保証するわけでもない。だがフーバー氏の決定は、オリンピック組織委員会は自らが活動するコミュニティの一部であるべきだという信念を反映している。
2028年を超えて築く
開会式は2028年7月14日に始まる。この期限は、相互に結びついた数千もの責務を伴うイベントを実現するうえで、組織委員会に明確な目標を与えている。LA28にとって成功は最終的に、大会そのものの質と、そのイベントが南カリフォルニアの人々と企業にどれだけ意味のある機会を生み出すかによって決まる。
メダルと記憶に残るパフォーマンスが競技を定義するだろう。しかし、後に残る物語には、新たな顧客を見つけた小規模事業者、新たな仕事の機会を得た労働者、そして成長する組織を中心に据えることで恩恵を受けたダウンタウンの地区も含まれるかもしれない。
LA28の経済的レガシーは、オリンピックの聖火がロサンゼルスに届く何年も前から、すでに形を取り始めている。



