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2026.10.27 09:09

CEOがコスト削減よりもイノベーターを優先すべき理由

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CEOがコスト削減よりもイノベーターを優先すべき理由

筆者は趣味でPwCの「第29回世界CEO意識調査」を読む。妻はそれを心配していたが、筆者にとってはリラックスできる時間だ。これを読む価値は、自社の成功のために我々が賭けているものを、他のリーダーたちも同様に見ているか確認できる点にある。今年度のデータは、他社の多くの動向を無視して独自の道を進んできたとはいえ、我々の賭けが正しかったことを裏付けている。

コスト削減と微小な収益向上ばかりを追うのは、専門的なクリエイティブサービス企業を経営するモデルとしては時代遅れだ。それはプライベート・エクイティ(PE)の手法のうち、最も心のない部分(最適化、削減、吸い上げ)を借りてきたものであり、筆者の観察によれば、その多くは失敗している。

問題の多くは短期的な思考に行き着くと考えている。PwCによれば、PEの支援を受けるCEOは平均して業務時間の47%を短期的な課題(5年未満の視点)に費やしているという。そうした集中的な姿勢には代償が伴う。投資を抑制している企業(全体の約15%)は、競合他社に比べて成長率で2ポイント、利益率で3ポイント下回っている。この結果は、慎重な姿勢が一見安全に見えても、必ずしもそうではないことを示している。

コスト削減ストーリーは成果を生んでいない

筆者の経験上、AIは自社がどちらのビジネスモデルを運用しているかを示す最も明確な試金石の一つだ。時代遅れのモデルでは、ボットに資金を投じてSNS広告のバリエーション制作時間を削減し、削られた時間を成果とみなす。これはコストを軸にしたストーリーだが、データはその正当性を裏付けていない。AIによってコスト削減と収益向上の双方を達成したと回答したCEOは、わずか12%にすぎない。

もう一度読み返してみてほしい。CEOの10人に9人近くが双方の成果を得られていないのだ。一方で、PwCのレポートで成果を上げているCEOたちは、AIを需要創出や顧客体験の向上に向け、製品やサービス、体験への活用率で他社の2倍以上の数値を記録している。彼らは数セントレベルの効率化のためではなく、顧客の目に触れる仕事にAIを活用したのだ。これこそが我々の採用しているビジネスモデルであり、筆者自身もその絶大な効果を実感してきた。

このモデルは「イノベーションを無視することはできず、人間を代替することはできない」という信念から始まる。ツールは雑務を処理できるが、人間はそもそも対価を支払う価値のある仕事をしなければならない。つまり、こうしたツールを駆使して雑用を片付けられる人材に投資し、そこで生み出した時間を独自の思考に注ぎ込むということだ。

取り戻された時間は概念的なものではない。同じ広告のサイズ調整を20回繰り返す代わりに、デザイナーがより強力なアイディアの構築に費やす時間である。提案の前に戦略担当者が点と点を結びつけるひらめきを得るための時間である。本来ならそのままクライアントに提出されていたかもしれない初期案を超え、チームでコンセプトを突き詰める時間である。これらはどれも生産レポートには表れないし、表れなくても気にする必要はない。それらは最も重要な場所、すなわちクライアントの記憶に残る仕事として形になるのだ。

要するに、一方のビジネスモデルは既存の成果物をより安く手に入れるものであり、もう一方は人材が次に生み出す成果の上限を引き上げるものなのだ。

多くの企業が自らのイノベーションを飢餓状態に陥らせている

イノベーションに関しても同様の格差が見られる。PwCの調査で、イノベーションに好ましい6つの取り組み(ハイリスクなイノベーション手法の容認や、不振な研究開発プロジェクトを停止するための定常的なプロセスの導入など)についてCEOに尋ねたところ、「6つの取り組みのうち少なくとも5つを『大きく』または『非常に大きく』実施していると回答したCEOは10人に1人未満(8%)」であった。一方で、イノベーションをより強力に後押ししている企業は「全体的な収益のより迅速な成長と、より高い利益率」を達成している。市場が対価を支払うのは独創性(オリジナリティ)であり、筆者の経験上、それを管理すべきコストのように扱った瞬間、独創性は死滅する。

クリエイティブサービスにおける理屈はシンプルだ。制作工程のコスト削減は、ひとつの調達サイクルの期間内は見栄えが良いかもしれない。しかし、安価なアウトプットがより多くの仕事を獲得したり、紹介を生んだり、誰かを鼓舞したりすることはめったにない。我々の仕事は見られ、感じられたときに買われるものであり、制作物こそが雄弁に語るのだ。計算できないリスクと引き換えに、わずかな収益向上を得られる12%の可能性のためにそれを手放すのは、拙劣な戦略である。

創り手(メイカー)こそが重要なのだ。閉じた回路からは何も新しいものは生まれない。1セント節約したからといって、1ドル(約1万未満円)稼げるわけではない。あらゆる効率化には代償が伴い、その代償となるのは往々にして独創性である。会社を「安く運用すること」を優先するのではなく、「対価を払う価値のある存在」になることに集中すべきだ。

(forbes.com 原文)

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