米国時間2026年10月26日、エヌビディアやインテルなど主要テック企業の株価が急伸した。アンソロピックがIPO(新規株式公開)を申請したことを受けたものだ。アンソロピックは早ければ2026年11月中旬にも上場し、上場規模が過去最高を記録する可能性への期待が高まっている。
AI「Claude」を開発するアンソロピックは、26日の米国株式市場の取引開始前にIPOの届出書を提出した。ティッカーシンボルは「ANT」を予定しているものの、目標とする企業評価額は明らかにしていない。
インテル株は4%超上昇して90.49ドルとなり、2026年10月19日の週につけた月間安値からの反発が続いた。直近1カ月で約4%下落していたエヌビディア株は2.4%上昇し、マイクロソフト株も1.5%値上がりした。
マイクロンテクノロジー株は3%、AMD株は2.8%上昇した。両社の株価は2026年1月以降、いずれも2倍超になっている。ハイテク株中心のナスダック100指数は26日に1%超上昇し、S&P500指数の0.7%高を上回った。
デル創業者マイケル・デル、資産増で世界4位の富豪に
AIの開発や運用に必要な設備への需要から、2026年に大きな恩恵を受けたデル・テクノロジーズも、26日の株価が3%上昇して取引を終えた。同社の共同創業者マイケル・デルは、グーグル共同創業者セルゲイ・ブリンを抜き、世界4位の富豪となった。デルの推定純資産は2430億ドル(約38兆2600億円)に増え、ブリンの推定純資産は2402億ドル(約37兆8200億円)に減少した。
アンソロピックのIPO届出書が示した売上構成と急成長
アンソロピックの届出書によると、売上高の約5~7%は同社の利用規約に違反する顧客から得られた。26日に提出された届出書には、他の意外な事実も示されている。
アンソロピックの2026年上半期の売上高は約163億ドル(約2兆5660億円)で、前年同期の約12億ドル(約1890億円)から増加した。
上場時の企業評価額、最大約315兆円との観測
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、アンソロピックは早ければ2026年11月16日に上場する可能性がある。上場時に1000億ドル(約15兆7450億円)以上を調達し、企業評価額は1兆5000億~2兆ドル(約236兆~315兆円)に達する可能性があるという。
巨額のAI設備投資の採算と、人類に及ぶ開発リスク
アンソロピックがIPOを申請した時点で、投資家はAIへの巨額の設備投資がアンソロピックやメタ(Meta)、テスラなどの利益に結びつく時期を懸念していた。IPOの届出書は、AI開発が人類に及ぼしかねない危険性にも言及している。
アンソロピックは届出書で、大規模な経済混乱、権威主義政府への権力集中、「壊滅的または人類の存亡に関わるリスク」が生じ得ると指摘した。AIが自律的に行動し、「極めて重大な世界規模の安全保障上の脅威」を引き起こす可能性も認めた。



