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2026.10.27 09:15

予想を大きく上回ったスペースXの決算、それでも投資家が問うべき5.5兆円の行方

SpaceX

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スペースXの決算は並外れたものだった。第3四半期の売上高は前年同期比161%増の146億ドル(約2兆3000億円)に急増し、純利益は44億ドル(約6930億円)、調整後EBITDAは88億ドル(約1兆3900億円)に達した。イーロン・マスクはまたしても目覚ましい成果を出した。6月の同社の大型IPOで株式を取得した投資家は、これまでの成果に満足しているだろう。

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筆者も感銘を受けた。ただし、決算書の中で気になる数字が1つあった。スペースXは最初の9カ月間で設備投資に481億ドル(約7兆5700億円)を投じた一方、営業キャッシュフローは131億ドル(約2兆600億円)だった。その差は350億ドル(約5兆5100億円)に上る。スペースXにはそれを賄う余力がある。大型IPO後であればなおさらだ。だが筆者が知りたいのは、株主が最終的にその投資から何を得るかだ。評価額が2兆ドル(約315兆円)に迫るのであれば、かなり説得力のある答えがほしい。

スペースXの利益には高くつく側面がある

スペースXは、多くの投資家が思い描いていた企業とは少し違う。ロケットと衛星は今も事業の重要な部分を占めているが、財務面の物語は人工知能(AI)が主役になった。同社のスーパーインテリジェンス部門は第3四半期に76億ドル(約1兆2000億円)の売上高を生み出している。前年同期はわずか8億1300万ドル(約1280億円)だった。同社売上高の半分以上がいまやAIから来ており、これほど短期間での変貌は驚異的である。

マスクは、需要が底なしに見えるタイミングで、コンピューティングインフラへ積極的に参入した。同社は主要顧客とクラウド協定を締結し、AIアプリケーションを拡大し、AIコーディング事業のCursorを買収した。同部門は前年同期の17億ドル(約2680億円)の赤字に対し、当四半期には4億3100万ドル(約679億円)の営業利益を計上するに至った。

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スペースXが当四半期に投資した196億ドル(約3兆900億円)のうち、164億ドル(約2兆5800億円)がAI分野に投資された。売上高の52%を占める部門に、設備投資の84%が振り向けられている計算になる。最初の9カ月間で、AI事業はインフラに約400億ドル(約6兆3000億円)を投じた一方、売上高は110億ドル(約1兆7300億円)に届かなかった。同期間には33億ドル(約5200億円)の営業赤字も計上している。だが、多額の支出をしたからといって、その投資に価値があるとは限らない。構築している資産から十分な収益を上げなければならない。できれば、それらが陳腐化し始める前にである。

スペースXのAI事業は、同四半期に約50億ドル(約7870億円)の調整後EBITDAを報告した。見た目は素晴らしい。しかし、減価償却費は約25億ドル(約3940億円)だった。コンピューター、チップ、インフラに依存する事業において、それらが所有者の望むよりかなり早く交換やアップグレードを必要とする可能性があるなら、除外するにはかなり大きな費用である。

需要が本物であることに疑いはない。しかし、世界中で構築されている膨大な追加のコンピューティング容量が利用可能になったとき、3年後あるいは5年後にその需要がどれほどの収益性をもたらすかは不透明だ。

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編集=鈴木喜生

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