北米

2026.10.27 13:30

米中間選挙を前に燃料や医療費などの「家計負担」が増大、最新調査

Eric Thayer / Los Angeles Times via Getty Images

Eric Thayer / Los Angeles Times via Getty Images

11月の米中間選挙が迫るなか、米国民の家計への負担が一段と強まっていることが米調査機関Urban Instituteのデータで明らかになった。今年の中間選挙に向けて、民主党はこうした生活費の負担軽減を最大の争点として強く訴えている。

電気料金の上昇率が31州で所得の伸びを超える、ガソリンは33%値上がり

Urban Instituteの調査によると、2025年6月から2026年6月にかけて、全米31の州で家庭向け電気料金の上昇率が所得の伸びを上回り、消費者の負担は月平均で約5ドル(約800円)増加した。

ガソリン価格にも同様の傾向が見られる。データによると、名目賃金の伸びがわずか6%にとどまる一方、全米ガソリン平均価格は1ガロンあたり1.02ドル(33%)上昇した。

個人向け医療保険料は22%上昇、最大はアーカンソー州の69%

医療保険制度改革法(オバマケア)の保険取引所で提供されている「シルバープラン」(下から2番目に安価なプラン)の保険料も、前年から22%上昇して月額611ドル(約9万8000円)に達した。

同プランの保険料が前年比で最も大きく上昇した州はアーカンソー州(69%)であり、ワシントン州(45%)、テネシー州(38%)、ミシシッピ州(38%)、テキサス州(35%)がこれに続く。

また、過去10年間では保育費や家賃も所得を上回るペースで高騰してきた。その結果、幼い子ども2人を抱える世帯の保育費は2017年と比べて年間6600ドル(約106万円)増え、賃貸住宅の家賃も月額710ドル(約11万4000円)高くなっているという。

一方でUrban Instituteは、2025年1月以降は家賃の上昇ペースが鈍化していると指摘した。コネチカット、ハワイ、マサチューセッツ、ミシガン、ニューハンプシャー、ロードアイランド、ウィスコンシン、ワイオミングの8州を除くすべての州で、所得の伸びが家賃の上昇を上回っている。

生活費が安かった地域も負担増、アトランタやシカゴで住居費が膨らむ

地域別に見ると、ニューヨーク州ロチェスターやアトランタ、シカゴ、ケンタッキー州ルイビルといった、従来は生活費が比較的安かった都市で、住居費や医療費、食料品価格が他の地域よりも急速に上昇した。また、アリゾナ州ではガソリン代と電気代の上昇率が全米平均を上回った。

共和党が下院多数派を維持できる可能性は「ほぼ消滅」

選挙分析大手のCook Political Reportは米国時間10月23日、共和党が連邦下院の多数派を維持できる可能性は「ほぼ消滅した」と指摘した。同機関は民主党が共和党から12〜22議席を奪還すると予測しており、これは下院の過半数獲得に必要な3議席の純増を大きく上回る水準だ。

ドナルド・トランプ大統領は、生活費の負担軽減を重視する民主党の姿勢を揶揄してきた。インフレ率が3年ぶりの高水準に達するなか、この言葉を昨年末には「でっち上げ」、今夏には「偽の言葉」と呼んでいる。またトランプは、イラン紛争によって同国による核兵器獲得を阻止したとこれを正当化したうえで、ガソリン価格の高騰はそのための「小さな代償」だと主張してきた。

トランプは紛争が終結すればガソリン価格は下がると主張しているが、米軍が中東への展開を8カ月近く続けるなか、早期終結の兆しは見えていない。23日時点の全米ガソリン平均価格は1ガロンあたり4.29ドルとなっており、2025年に第2次トランプ政権が発足して以降で最高値水準に達している。

(forbes.com原文)

翻訳=江津拓哉

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