ドキュメンタリー映画『You Can See Everything』の公開2週目の週末興行収入が推定1950万ドル(約31億円)を記録し、公開初週の成績を上回った。セラノス創業者で詐欺罪により有罪判決を受けた元起業家のエリザベス・ホームズに迫る約3時間の作品に対し、観客の関心が一段と高まっている。
Hollywood誌が報じた速報値によると、本作を上映する北米の映画館は公開初週時点の855館から2655館へと拡大しており、週末だけで新たに1950万ドルを売り上げた。
ネイサン・フィールダーとランス・オッペンハイムが監督を務めた同作は、先週末に1560万ドル(約25億円)でスタートを切って以来、北米での累計興行収入が4500万ドル(約72億円)を突破している。
批評家レビュー98%が肯定的、セラノス元従業員が非難しても高評価
セラノスの元内部告発者であるタイラー・シュルツは先週、ホームズがフィールダーを欺いていると批判したが、それでも同作は批評家と観客の双方から高く評価されている。映画批評サイトのRotten Tomatoesでは、批評家の98%、観客の96%から肯定的な評価を得た。
A24がアカデミー作品賞狙いか、受賞ならドキュメンタリー初
『You Can See Everything』が一過性にとどまらないヒットとなるなか、本作がアカデミー賞の有力候補になるとの見方も強まっている。配給元のA24は作品賞へのノミネートを目指すキャンペーンを準備していると報じられており、もし受賞すれば、ドキュメンタリー映画がアカデミー賞の最高賞を手にする史上初の快挙となる。またA24は、フィールダーとオッペンハイムの監督賞をはじめ、他の主要部門でのノミネートも目指して働きかけを行っているという。
週末首位は『クレイフェイス』、2位と約8億円差の約39億円
今週末の北米興行収入ランキングで首位に立ったのは、DCコミックスの悪役を題材にしたホラースリラー映画『クレイフェイス』だった。しかし、『You Can See Everything』と首位との差はわずか約500万ドル(約8億円)にとどまっている。
『クレイフェイス』の公開初週の興行収入は推定2450万ドル(約39億円)で、今シーズンの他のホラー映画と比べるとやや控えめな出足となった。今月初めには『アザー・マミー』が2780万ドル(約44億円)でスタートしたほか、9月に公開されたリブート版『バイオハザード』は公開初週に6000万ドル(約96億円)超を売り上げ、シリーズ最高記録を塗り替えている。
また、同じDC作品である6月公開の『スーパーガール』が記録した初週3710万ドル(約59億円)や、昨年に大ヒットした『スーパーマン』の初週1億2500万ドル(約200億円)と比べても低い水準だ。ただし、『クレイフェイス』はこれらの作品よりも知名度が低く、製作費も大幅に抑えられている。
Variety誌によると、初週の低迷を受けて多くの批評家から失敗作と評された『スーパーガール』が1億7000万ドル(約272億円)もの巨額の製作費を投じていたのに対し、『クレイフェイス』の製作費は4400万ドル(約70億円)にとどまるという。



