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2016.01.02 09:20

小売業者は非常ボタンを押して大幅値引きセールに突入

Igor Petrov / Shutterstock

大半の小売業者のサンクスギビング・デー後の売上は悲惨な状況にある。売上は伸び悩み、まさに地を這っている状態だ。気温は高いままだし、ミレニアル世代は質素で物に無関心とあってお金を使わない。そんなわけで、小売業者は、売上が伸びない時の常とう手段であるセールに、またも打って出るしかないのだ。まったく、何て素晴らしいアイデアだろう。多少なりとも効果があれば、だが。

実情はこんな感じだ。
・メイシーズ、J.C.ペニー、コールズ、ターゲット、ウォルマート、アマゾンあたりでは、サイバーマンデー・セールをまるまる1週間に延長した。これによってインターネットショッピングは多少勢いづいた。
・メイシーズでは、友人および家族向けのイベントを1週間以上にわたって開催した。どうやら、商品を動かすには家族や友人の助けが必要なようだ。
・遅れを取るまいと、ロード&テイラーも、12月9日水曜日から友人家族向けのイベントを開始した。
・J.C.ペニーは12月9日水曜日に1日限定のイベントを開催し、子供向けにはフリース、紳士婦人向けにはセーターに焦点を当てて、ブラックフライデーを下回る価格で提供した。セーターの売れ行きもじきに上向くことだろう。
・J.C.ペニーでは、12月10日木曜日に、木曜、金曜、土曜の営業時間を延長してスーパーサタデー・セールを開催すると広告を打った。つまり、この「ワン・デー」セールは3日間続くことになる。
・ブルーミングデールでは、ブーツを30% – 40%値引きするセールを12月10日から始め、それは12月24日まで続く。これによって在庫を一掃できるのか、はたまた、さらなる値引きが必要となるのか、疑問の残るところではある。
・サックスフィフスアベニューでは、ロシアのクロテン毛皮コートとジャケットの50%値引きと、最大2000ドルまでのギフトカードをサービスするセールを12月10日に開始した。このセールは12月13日まで続く。

これらはすべて、景気が弱いことを物語っている。11月の小売業者の売上はまだ出揃っていないものの、すでに発表された数字はひどいものだ。例えば、バナナリパブリックの既存店売上高は19%も落ち込んだ。オールドネイビーも9%減、バックルは7.9%減、ギャップの既存店売上高も4%減だ。反対に、明るい材料もいくつか見受けられる。エルブランズが展開する2大ブランドでは、まずバス&ボディワークスの既存店売上高は7%増で、ビクトリアシークレットは6%増となった。11月終了時点では大半の小売業者が痛みを感じていて、売上は期待外れに終わったと見る。ほとんどの業者で、11月の売上高は前年比横ばいから2%減程度だったと思われる。エコノミストたちは、0.1%増に終わった10月の後、11月の売上として0.3%増を予想している。

11月の売上が伸び悩んだことで、12月は想定していた以上の販売努力が必要となるだろう。クリスマス1週間前の12月17日には、すべての小売業者が非常ボタンを押し、大幅な値引きセールに追い込まれると予想する。これによって、消費者を家族に何か買ってあげようという気持ちにさせるのだ。アメリカの消費者は感情的だ。クリスマスには、愛する人たち全員に(犬にも)プレゼントをあげたくなるものだ。クリスマスセールの売上としては3%増を予想する。これはサンクスギビングとクリスマスの間の追加セールを含んだ予想であり、この追加セールでは1.5%の売上増を見込んでいる。つまり、この追加セール分を除外した純然たるクリスマスセールとしては、わずか1.5%の売上増予想ということになる。小売業者は、次の季節の商品を並べられるようにするために、今出ている商品のすべてを値下げしていくので、そのしわ寄せが利益にいくであろうことは容易に想像がつく。

売上が計画を下回ろうとも、時間は止まってはくれないので、小売業者はすでに2016年の商品の買付けを終えている。しかし、新しいファッション製品の受取りは、新年度が始まる2月まで持ち越されるのではないだろうか。在庫の積み上がりが現在進行中であることを考えると、1月と2月は、大半の小売業者が大幅値引き在庫処分セールにかかりきりになっていると予想する。

そうだよ、バージニア、地球温暖化のせいで今年はサンタさんが来られないんだ。その辺のお店屋さんで聞いてごらん。いや、それよりも看板の字を読んでごらん。大売り出しって書いてあるよ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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