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2016.01.03 07:50

2016年のヘルスケア業界10大予想

Rawpixel.com / shutterstock

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2015年も終わりに近づき、フロスト&サリバンの専門家、ソートリーダーたちが集まり、2016年のヘルスケア業界における10大トレンドを予想した。
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1. 新世代端末、60億ドル(約7,279億円)規模のウエアラブル端末市場に登場
新たな世代の「医療用」または「臨床用」のウエアラブル端末には、より洗練された計測、取り込み、分析の諸機能が備わり、臨床上の有益性がより高まることになる。ヘルスケア関連のウエアラブル端末の売り上げは現在、Vital ConnectやProteus Digital Healthによって開発されたもののように、モニタリング技術に関わるものが大部分を占めている。今後は一歩前に進み、Neurometrixが手掛け、治療支援を提供するQuellのような技術が、拡大する市場のけん引役となるだろう。

ヘルスケア・民生技術会社はウエアラブル端末を手掛け、初期段階にある企業の戦略的買収に向けて積極的になると予想する。
デジタルヘルスに対する消費者行動についてのフロスト&サリバンによる最近の研究によると、消費者の約24%が現時点で健康・ウェルネスの記録のために携帯アプリを使用。16%がウエアラブルセンサー、29%が個人の電子健康記録を利用している。この傾向は続き、近い将来消費者の47%がウエアラブル端末の使用を検討すると予想している。

2. インストアクリニックの面積35%拡大、リテールケアが主流に
2015年は小売業者が多くの投資をクリニックの面積拡大や新たなツールの導入、ヘルスケア企業との独自パートナーシップ形成に振り向けた。小売業者はプライマリーケアサービスのフロントライナーになるための戦略を完全に実行し始めており、2016年も引き続きこれらの策動を目にすることになるだろう。
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3. 「新開発銀行(NDB)」がヘルスケアに大規模投資、多くの国でダイナミクスを変える
総資産1,000億ドルのNDBは、欧米が支配する世界の金融機関における代替の選択肢として形成された。かつてのBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)銀行であるNDBは、新興国の国民生活を改善する上で注目されている。主要な取り組みには、サービスが行き届いていない人々にヘルスケア、ウェルネスのサービスを提供するための大規模なインフラ投資が含まれている。

4. インドにおける民間保険の急拡大、ついに未開拓市場を開く
2014年3月までに健康保険に加入しているインド国民はわずか17%で、自己負担額は高い(75%超)水準だった。新政府は無料の医薬品と検査の提供に加え、負担の少ない保険スキームへの個人加入を促進する「全国保健保証ミッション(NHAM)」を通じてヘルスケアを優先している。

5. 集団健康に関するオポチュニティー、ヘルスケア業界のM&A市場で500億ドル超を上積み
集団健康管理と結びついたオポチュニティーにつながる企業の長期戦略が、企業のリストラ、M&A、スピンオフ、R&D支出、ベンチャー部門への投資に関する意思決定をけん引するとみられる。業界関係者は、補償が成果に結び付くヘルスケア業界の新たなパラダイムの中で進化し、リスクを低減する必要がある。
集団健康ツールの要件は、買収戦略の再考を各企業に求めており、近隣または補完的な市場の企業に関係する取引増加につながってい
る。

6. 安価かつ迅速なポイントオブケア (POC)検査、新たな診断ケアモデルを可能に
分子POCや接続機能、バイオセンサー、ミクロ流体などの利用が可能な新しいPOC検査プラットホームの商用化は、報告までの時間をドラスティックに改善し(5〜15分)、これまで実行不可能だった環境での検査サービス提供も可能にする。

7. 無料の予防ケアサービス、米国内の90%で利用可能に
進行した慢性疾患について、コストと治療の負担を軽減するため、支払人や雇用主、政府は技術とウェルネスによる幅広い予防サービスを提供することになる。アクセスは既に可能になっており、関連顧客がどのようにそれらのサービスを活用するのかにかかっている。

8. ヘルスケアのIoTソリューション、新興企業へのベンチャーキャピタル投資を100億ドル増やす
他産業で培われたIoTの専門知識をヘルスケア業界に持ち込もうと考える新興企業が幅広く参入していることにより、ヘルスケア業界のスタートアップ環境は活力を与えられている。「破壊的」なビジネスモデルに焦点を当てることで、これらの企業は時代遅れの医療供給形式を打破し、新たなツールや技術に最適化したアプローチを 導入することを目指している。

9. 各病院、閉院の傾向を避けるために旧式設備の修理・入れ替えへ重点投資
病院の閉鎖や統合という継続中のトレンドにより、各病院はレイアウトからリソースの利用まで、全てについての再考を強いられている。各機関が効率性と患者の満足を重視した新たな形式の医療供給の採用を求める中、13億ドルを投じたダラスのParkland Hospitalの改修のような取り組みが米国内全域で始まっている。

9. 世界の再生医療市場、2016年には300億ドル規模に到達
Pharmacoは再生医療市場を切り札とみており、同事業の売上高が2015年から22.4%の成長を遂げると予想している。この領域での投資拡大と追い風となる法律の制定、細胞医療製品の増加により、再生医療事業には新たな競合企業が出現するだろう。
迫り来るこれらの変化と混乱を受け、各企業はデータや分析戦略、プラットホームが適切か否かといった重要な問題への問いかけを始めることが必要になる。
企業は将来的なバリューベースのケアモデルに沿った形で集団健康管理をマネタイズできるだろうか?
企業の視点ではなく患者や消費者の視点に立ち、介護の連続を越えた患者エンゲージメントプラットホームの構築プロセスをどのように始めることができるだろうか?
データ科学がブロックバスター薬・機器からヘルスケア界の支配者の座を奪うなか、各企業は2016年の成功に向けてある程度リスクを取り、コラボレーションの文化を築くことが必要だ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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