「Alberta Tech」の名で知られるテック系クリエイターのアルバータ・デヴォアは、あるポッドキャストのホストからメキシコで過ごした少女時代について尋ねられたという。彼女はブルックリン出身だ。その後別のイベントでは、訪れたこともない都市であるグアダラハラでプログラミングを学んだことについて質問を受けた。
彼女は9月7日に公開した動画のなかで、GoogleのAI概要(AI Overviews)に誤りを発見したときのことを語っている。別のクリエイターとの混同を疑っており、AIが執筆した記事がその誤りを繰り返し、それがさらにAI概要の引用元になってしまったのではないかと見ている。
彼女の体験談は、マーケターにとって深刻な問題を提起している。他のウェブページがその誤りを裏付けているように見えると、訂正させることがより難しくなるのだ。
企業も同様の混乱に直面している。CBCの報道を引用したPPC Landの記事によると、GoogleのAI概要が、カナダのオンタリオ州にあるベーカリー&レストラン「アンナ・メイズ(Anna Mae's)」が7月31日に閉店するという誤った情報を提示した。イリノイ州にある同名のベーカリーと混同していたのだ。噂された閉店について確認する問い合わせが、オンタリオ州の店舗に相次いだ。
ブランドの露出度(ビジビリティ)レポートでは、誤った回答であっても「成功したブランド言及」としてカウントされるかもしれない。だが、言及されている当事者の企業から見れば、話は別だ。
エージェンシーのリーダーにとって、これは実務上の重要な責任を意味する。不正確な情報を検出し、影響を及ぼせる情報を修正し、問題が解消されたかを追跡確認するプロセスを確立することだ。
私なら、そのプロセスを次の5つのステップで構築する。
1. 何が実際に間違っているのかを見極める
まずは「不正確な記述」と「望ましくない結果」を区別することから始めよう。候補リストから除外されているのは露出度の問題だ。営業中なのに閉店していると記述されるのは事実上の誤りだ。競合他社が自社より優先して推薦されているというだけでは、その回答自体が間違っているとは言えない。
具体的にどのような主張がなされているか、そしてそれに矛盾する証拠を書き出そう。次に、そのビジネス上の重大性を評価する。それが原因で適切な見込み客からの問い合わせが妨げられたり、間違った場所に誘導されたり、応えられない期待を相手に抱かせたりする可能性があるだろうか。
繰り返し発生する、実害の大きい誤りを優先して対応する。裏付けのない重大な疑惑については、たとえ1度しか確認されていなくても、直ちに適切な社内チームへエスカレーションすべきだ。一方で、単に不自然な形容詞が使われている程度であれば、同様の対応を要することは滅多にない。
2. 修正を試みる前に回答を保存する
正確な質問内容、回答全文、日時、プラットフォーム、利用可能なモデル情報、および引用されたリンクを保存しよう。ウェブ検索が有効化されていたか、どのような位置情報が提供されていたか、過去の会話の文脈が回答に影響を与えた可能性があるかも記録する。
次に、同様の条件下で新しい会話を開き、同じ質問を繰り返してみる。現実的な表現のバリエーションをいくつか個別にテストするのだ。1枚のスクリーンショットは「その回答が存在した」ことを証明するに過ぎず、顧客がどれくらいの頻度でそれに遭遇するかを示すものではない。
ここでは一貫性が重要となる。OpenAIの検索に関するガイドラインでは、位置情報や有効化されたメモリが検索結果に影響を与える可能性があると説明している。異なる都市やアカウント環境間で比較を行っても、修正が機能したかどうかはほとんど判断できない。
3. 矛盾する情報源を特定する
問題となっている主張に情報源(リンク)が添えられている場合は、それを開いて確認しよう。それらが本当にその主張を裏付けているかチェックする。現在のウェブページには別のことが書かれているのに、AIの回答が異なっている場合もある。あるいは、会社が何年も前に変更した情報を、古い企業情報ディレクトリの記載がそのまま繰り返しているのかもしれない。
一見すると裏付けとなっている複数のページが、独立した証拠を提供しているのか、それとも単にお互いの情報をコピーし合っているだけなのかを確認する。自社ウェブサイト、ビジネスプロフィール、業界の登録情報、その他の信頼できる情報源にわたって、関連する事実を検証しよう。誤りに関連するアイデンティティやサービスの詳細(会社名、所在地、提供サービス、所有形態、顧客の利用資格など)に焦点を当てる。
発見した事実を分類・整理しよう。情報源自体が間違っている場合もあれば、正しい情報源をAIの回答が誤解して伝えている場合もあり、発生元が不明なままの場合もある。これらの違いによって、合理的に修正できる範囲が決まる。AIの回答は、なぜ特定の主張を生成したのかについての完全な説明を提供してくれるわけではない。
4. 公開情報を修正し、担当者を割り当てる
自社が管理するチャネルの不正確な情報を修正しよう。第三者に対しては、正確な差替原稿と裏付けとなる証拠を添えて事実関係の訂正を依頼する。自社のウェブページ同士で記述が矛盾している場合は、新たなコンテンツを制作する前にその不一致を解消しておく必要がある。
重要な事実は、通常のページテキスト内で見つけやすくしておこう。GoogleのAI検索機能に関するガイドラインでは、ビジネスプロフィールの情報を最新に保ち、構造化データが表示テキストと一致するようにすることを推奨している。特別なAI向けマークアップは求められていない。
各修正タスクに担当者と完了期限を設定しよう。ウェブサイトチームがサービスページを担当し、運用チームが所在地を検証し、広報チームがパブリッシャーへの訂正依頼を管理するといった具合だ。必要に応じてプラットフォーム上の報告機能を利用するのもよいが、「報告を送信すること」と「誤りが解決すること」は別物だと認識しておくこと。
情報源を更新したからといって、AIの回答が必ず変更される保証はなく、またいつ変更が反映されるかも定かではない。
文書化された修正ワークフローを作成しておけば、証拠ログ、パブリッシャーへの依頼、反復テストの記録を一元管理できるため、「作業が完了したこと」を「回答が修正されたこと」と誤解せずに済む。
5. 誤りが表示され続けていないかを測定する
複数のセッションにわたり、同様の条件で元の質問を再検証しよう。自分に都合のよいプロンプトにいつの間にか変更してしまわないよう、標準的なコア質問セットを固定して検証を行う。
完了した修正作業と、観測された回答の変化は別々に報告すること。ディレクトリの更新は「完了した作業」である。繰り返しテストで不正確な回答が減少したのは「観測された結果」だ。いずれも単独では、更新が改善をもたらした証明にはならない。
これはデューデリジェンスである
クライアントにとって有益なレポートとは、誤りを特定し、なぜそれが重要だったかを説明し、何が変更されたかを示し、何が未解決のままかを明記しているものだ。通常の露出度指標と並べて、テストサンプル内での再発率も含めるべきである。
また、エージェンシーのチームには、このプロセスを滞りなく進める責任者が必要だ。責任者が不在であれば、誰もが「他の誰かが対応しているはずだ」と考え、スクリーンショットがマーケティング、PR、ITの各部署間を回覧されるだけで終わってしまう。
今週まずは、顧客の意思決定を左右する可能性のある5つの事実から確認してみよう。顧客が利用するAIサービスがそれらの事実をどのように記述しているかをテストし、重大な誤りを文書化し、最初の修正タスクを割り当てるのだ。
ブランド言及の商業的価値は、それが人々に何を信じ込ませるかによって決まる。AIによって描写されているビジネスが、自社が実際に提供できるビジネスと一致しているかを必ず確認してほしい。



