予算策定の季節である。AIによって人々が情報を見つける場所や意思決定の方法が変わるなか、マーケターは2027年の予算配分について、新たなプラットフォームや行動をどの程度反映すべきか、あるいはこれまで成果を上げてきた手法にどの程度とどまるべきかを検討している。
多くのマーケターの予算にはすでに、従来型の戦略に加えてペイドメディアやデジタルメディアが含まれている。しかしOutcomes Rocketが2026年3月にマーケティングおよびPRのプロフェッショナルを対象に実施した調査では、44.8%の組織がAI主導の検索を理由にPR支出を増やしていることが分かった。AIによる効率化を理由にPR予算を削減している組織はわずか0.9%にすぎない。
とはいえ、2027年に大幅な予算増を期待することはおそらくできない。マーケティング予算は「実質的に横ばい」の状態が続いているからだ。ガートナーの「2026 CMO Spend Survey」によれば、マーケティング予算は企業売上高に占める割合で、2025年の7.7%から2026年には7.8%へとわずかに上昇したにすぎない。
私の提言は、必ずしもPRへの支出を増やすことではなく、予算をより戦略的に再配分することだ。
クリックより信頼性を優先する
ブランドが年間予算の大きな割合を、プレスリリースや社内執筆の記事といったオウンドメディア、あるいは有料デジタル広告に費やしている場合、その成果はかつてそうした戦略がもたらしていたものには及ばない可能性が高い。ユーザーはGoogle検索で生成AIによる回答に依存しており、多くの人が詳細情報や文脈を得るためにウェブサイトを訪れるのではなく、AIの回答を信頼しているということだ。SparkToroによると、2026年初頭の米国のGoogle検索の68%はクリックなしで終了しており、わずか2年前の60%から上昇した。
ユーザーがクリックしない場合、ブランドが頼れるのは回答の質、情報の正確性、そして行動喚起の強さだけだ。私はこう考えている。問いはAIに向かい、答えはPRから生まれる。
効果を最大化するには、マーケターはニュースやポッドキャストのインタビューといったアーンドメディア、そして真正性のあるソーシャルメディアに投資し、ブランドの信頼性を築く方向へリソースを再配分できる。これらこそ、AI検索が信頼するよう設計されているシグナルである。
引用される価値を獲得する
Muck Rackの報告によれば、ChatGPT、Claude、Geminiにおける17業界・2500万件超の引用リンクを分析した結果、アーンドメディアがAIによる引用の84%を占め、ジャーナリズム単独でも27%に達した。オウンドコンテンツやペイドコンテンツの存在感はごくわずかだ。
「設定したら放置する」というマーケティング戦略は的を外している。AI検索結果は新しい情報源をより頻繁に引用するため、1月に公開された記事が適切なメッセージをすべて盛り込んでいたとしても、年末までには検索結果に表示されず、AIの回答にも現れなくなる可能性がある。
私の経験では、年1回のキャンペーンは引用対象から外れ、すぐに忘れられる。だが、月次の発信リズムとコンテンツ戦略はそうではない。
このことを私は、2025年10月に自著『Flip Your Script』が出版された際に自ら体験した。私のチームのローンチ戦略には、プレスリリース、LinkedInの記事、出版記念イベント、ソーシャルメディア投稿、アーンドメディアでのインタビューが含まれていた。1週間以内に、複数の大規模言語モデルの生成AIの回答にこの本が含まれるようになり、AIが生成する私のプロフィールにも「著者」が加わった。しかし、ローンチは出発点にすぎなかった。
私たちは、継続的なアーンドおよびオウンドのマーケティング施策の中に、私の本を自然かつ戦略的に織り込んできた。9月下旬、出版からほぼ1年後、私はミネアポリスのCBS系列局のニュース番組で、他者を助けるために物語を共有する価値についてインタビューを受け、その中で本も取り上げられた。Substack、YouTube、ブログ、ソーシャルメディアなどのオウンドメディアにも本を組み込んできた。こうしたすべてのシグナルが、著者および専門家としての私の信頼性をAIに伝えている。
これが重要なのは、私が講演者であり、PRファームを所有し率いているからだ。見込み顧客、イベント主催者、ジャーナリスト、応募希望者が私を検索したときに、信頼できる正確な情報があることは資産となる。彼らが目にする情報は、人や組織が困難なものも含めた実体験を、つながり、信頼、リーダーシップ、そして前向きな影響を生む触媒へと変えるのを支援するという私の使命を裏づける、意図的で戦略的なマルチチャネルの取り組みを反映している。
経営幹部の可視性と評判に投資する
私が見てきた限り、危機に備えて予算を組んでいるマーケティング責任者は少ない。それにもかかわらず、多くは危機対応を迫られることになる。危機とは、採用の減速からリーダー交代、見出しを飾るような災害までさまざまだ。被害を抑え、危機対応コストを減らす最も効果的な方法は、計画、トレーニング、そして評判を先回りして構築する戦略に投資することである。
バランスの取れたマーケティング予算には、危機対応プレイブックの構築、評判のモニタリング、従業員へのメディアトレーニング、ソーシャルメディアトレーニング、エグゼクティブコーチングの提供を含めるべきだ。2027年を通じて四半期ごとに1つの戦略に投資し、リーダーやステークホルダーがその効果を実感したうえで、2028年に拡張可能な枠組みを築くことを検討してほしい。
AI主導の検索環境では、管理されていない危機はAIの学習データとなり、より新しい情報がそれを上回るまで回答の中で繰り返される可能性がある。その時点では、すでに大きな損害が生じているかもしれない。信頼の再構築には大きなコストがかかる。
予測や評論はさておき、現実はこうだ。来年、AIが最も高く評価するブランドやリーダーは、いまジャーナリストが記事にしている存在であり、真正性のあるソーシャルメディアコンテンツに投資している存在である。
オウンドメディアは自社の物語を伝える。アーンドメディアは引用される。レピュテーションへの取り組みは、その両方を守るものだ。この3つすべてを念頭に置いて2027年の計画を監査し、それに応じて予算を組み直し、今四半期から始めるべきである。なぜなら、来年あなたについて生成される回答は、今日あなたが語り、実行することを材料にするからだ。



