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リーダーシップ

2026.10.25 07:16

優れたリーダーシップに「語る力」と「引き出す力」の両方が必要な理由

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あなたはどんなリーダーだろうか

リーダーシップのスタイルには、「壇上の賢者」と「そばにいる案内役」という2つのタイプがあると聞いたことがあるかもしれない。壇上の賢者は、エグゼクティブとしての存在感を備えたストーリーテラーだ。短く鮮やかなストーリーを語り、その場にいる人々を次に必要な一歩へと動かす術を知っている。そばにいる案内役は、ストーリーファシリテーターだ。その場にいる人々とスポットライトを分かち合い、チームの革新とつながりを促すストーリーを見つけ出す術を知っている。

だが実際には、すべてのリーダーが壇上の賢者である方法と、そばにいる案内役である方法の両方を知っておく必要がある。状況が異なれば、求められるコミュニケーションスキルやリーダーシップのスタイルも異なる。場を掌握するストーリーテラーになるべき時と、他者の言葉を引き出すストーリーファシリテーターになるべき時を見極められれば、より有能なリーダーになれる。

今日の組織が求めているのは、人を巻き込み、耳を傾けることができるダイナミックなリーダーシップだ。約20年にわたり数千件のエグゼクティブ職の職務記述書を分析した研究で、研究者のラファエラ・サドゥンとジョセフ・フラーは、企業がカリスマ的で話し上手な人物から、彼らが「社会的に巧みなリーダー」と呼ぶ人材へと関心を移していることを明らかにした。企業が求めているのは、「共感をもって耳を傾け、意見を歓迎し、共通の目標に向けて従業員を結集させる」リーダーだ。

リーダーシップにおけるストーリーテリングとストーリーファシリテーションの違い

ナイフかフォークのどちらか一方だけでも食事はできる。だが食事を本当に楽しむには、その両方が必要だ。それぞれが異なる、補完的な役割を果たしている。ストーリーテリングとストーリーファシリテーションも同じだ。

ストーリーファシリテーションとは、他者からストーリーを引き出し、普段は言葉にされないデータ、感情、意味を明確にする手助けをする技術だ。教師と異なり、ファシリテーターは必ずしもその分野の専門家ではない。彼らは、学びのプロセス、集団の空気を読むこと、意味をつくり出すことの専門家だ。耳の傾け方が違う。単に発言の順番を割り振るのではなく、語られていないが聞かれるべきことに意識を向ける。ためらいを察知し、参加をそっと促し、滞っているものを解きほぐす問いを立てる。

一方、リーダーシップにおけるストーリーテリングとは、聴衆を惹きつけ、行動を促すために事実と感情を戦略的に織り交ぜる手法だ。その場に適した短く鮮やかなストーリーを手元に持つリーダーは、チームをすばやく引き込み、複雑な情報を記憶に残るものにし、士気と信頼を築くことができる。

優れたストーリーテリングは、エグゼクティブとしての存在感、聞き手への影響力、複雑な考えを記憶に残る形で伝える能力を高める。熟練したファシリテーションは、自分が存在に気づいていなかったアイデアを発見し、人や状況を異なる視点から見る助けとなる。両者が合わさることで、リーダーは最良のリーダーシップを発揮できる。チームは互いを理解し、革新を生み出し、顧客によりよく貢献できるようになる。

あるCOOが新製品のマーケティングチームとのミーティングに臨んだ際、チームの士気は低下していた。マーケティングは計画通りに進んでおらず、意欲は薄れ、直近2回のオンライン会議の雰囲気は沈んでいた。状況を打開しなければならないと悟った彼女は、「当社の製品を初めて見た時、どの要素に引き込まれて『これを代表して伝えたい』と思いましたか」という問いからミーティングを始めた。この問いがストーリーへの扉を開き、メンバーの視点や新しい洞察を聴くきっかけになった。議論は活発になり、チームのエネルギーが高まった。その結果、新しいアイデアのブレインストーミングにつながり、状況に新たな意欲がもたらされた。

ファシリテーションの成功がもたらす素晴らしい点は、他のチームメンバーがその意図に気づかないことだ。ただ良い会話とブレインストーミングが行われているように見える。しかしそれがなければ、過去2回のミーティングの退屈な空気を繰り返していただろう。

リーダーの選択:ストーリーテラーになるべき時とは

聞き手が1人であれ、数百人で埋まった部屋であれ、ストーリーはあなたの言葉を記憶に残り、意味のあるものにする。ストーリーテリングが最も効果を発揮する場面には、次のようなものがある。

  • 営業提案
  • 基調講演
  • カンファレンスのパネルディスカッション
  • 採用面接
  • 年次評価

リーダーシップにおけるストーリーテリング力を磨く方法

筆者がすべてのクライアントに用いているIRSのようなストーリーテリングのフレームワークは、わずか3〜4文で説得力のあるストーリーを組み立てる方法を学ぶのに適した手法だ。IRSは次の頭文字を取ったものである。

  • I – Intriguing beginning(興味を引く始まり)
  • R – Riveting middle(引き込まれる中盤)
  • S – Satisfying ending(満足感のある結末)

IRSフレームワークを使うには、好奇心を刺激する質問や場面設定から始める。次に、必要不可欠な詳細だけを使い、中心となる緊張感を軸に中盤を組み立てる。最後に冒頭へ戻り、投げかけた問いに答えながら、聞き手が考え、自分自身の問いを持てる余地を残す。IRSやその他のストーリーテリングツールについては、以前筆者が執筆したForbes.comの記事で詳しく紹介している。

リーダーの選択:ストーリーファシリテーターになるべき時とは

ストーリーファシリテーションが最も緊急に必要とされるのは、リーダーが危機を回避しようとする次の2つの場面だ。

  • チームの足を引っ張っている言われていない何かがあると察知し、言いづらい真実をメンバーが共有できるよう手助けしたいとき。
  • 同じ会話や意見の対立が何度も同じ行き止まりに至っており、その関係を前に進めたいとき。

ストーリーファシリテーションを先回りして使えば、そうした状況そのものを避ける助けにもなる。次のような必要がある時には、積極的に活用すべきだ。

  • 部門横断型チームの協働開始を支援する
  • 衝突する視点や意見を調整する
  • 新しいクライアントやチームメンバーをオンボーディングする
  • 他者をメンタリングする
  • ゼロから新しいチームを立ち上げる
  • 新しいグループに自分自身と自身のリーダーシップスタイルを紹介する

ストーリーファシリテーション力を実践する方法

  • 好奇心を持つ。他者にすぐ反応するのではなく、いったん間を置き、「もう少し聞かせてください」と尋ねる。
  • 真剣に聞く。返答するために聞くのではなく、学ぶために聞く。真剣に耳を傾ける時には、自分が理解していることを確認し、相手の話に関心を注いでいることを示すために、聞いた内容を要約し、言い換えることが重要だ。
  • とびきり優れた質問を投げかける。人々が振り返り、自由に共有できるような、力のあるオープンエンドの質問をする。

ストーリーテリングとストーリーファシリテーションの真の力は、この2つのリーダーシップ・コミュニケーションスタイルの間を機敏に行き来できることにある。必要に応じて、壇上の賢者にも、そばにいる案内役にもなれる。そうしても、周囲はその仕掛けに気づかない。だが、その会話から得るものは確実に増える。投資プラットフォーム「エルベスト(Ellevest)」の最高経営責任者(CEO)シルビア・クワンは、自社のリーダーシップチームのオフサイトミーティングを率いた際、意図的にそばにいる案内役へと切り替え、「とびきり優れた質問」を用いた。彼女はこう振り返る。「その効果は並外れていました。エンゲージメントは急上昇し、すべての声に発言の場が生まれ、チームは活力を得て、足並みをそろえて帰っていきました」。クワンのように、ストーリーファシリテーションとストーリーテリングに精通したリーダーは、これから訪れる機会と課題に備えることができる。リーダーシップにおけるコミュニケーションスキルに投資すれば、チームが成功する力を解き放つことができる。

(forbes.com 原文)

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