ポッドキャスト番組『The Diary Of A CEO』の制作陣は、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領へのインタビューを実現するため、約7カ月にわたって働きかけた。出演交渉を後押しした大きな要因が、番組を25言語で配信できる体制だった。
番組のエグゼクティブプロデューサー、ウィニー・ダンバー・ネルソンはこう語った。「1回の対話でも、大陸を越え、それぞれの言語で人々に届けられます。それが分かっていたことは、大きな違いを生みました」。
インタビューは2026年10月16日にブリュッセルで収録され、10月22日に公開された(日本語でも視聴可能)。多言語で番組を制作・配信できれば、出演者は1回の対話を通じて、複数の言語圏の視聴者・聴取者に語りかけられる。制作陣が出演者に提示できる価値も変わる。
ただし、多言語配信を実現するには、翻訳音声を生成するだけでは足りなかった。通訳者、ウクライナ人編集者、ロンドンとロサンゼルスの制作チームが協力し、ゼレンスキー本人の声をAIで再現した英語音声版を仕上げた。
(※英語で再生されている場合は、視聴用プレーヤーの右上にある歯車のアイコンから、日本語音声トラックを選択する)
25言語の発信力と長い対話が、大統領の出演を後押し
ダンバー・ネルソンによると、番組側は状況が変わるたびに企画の進捗を伝え、大統領側のチームと定期的に連絡を取りながら交渉を進めた。
出演が実現した背景には、2つの要因があったという。「1つ目は、届けられる範囲の広さです。番組はすでに25言語で配信され、それぞれの配信チャンネルを通じて世界中の熱心な視聴者や聴取者に届いています。ですから対話も遠くまで届きます。特定の層だけでなく、世界中の人々に話しかける機会になるのです」。
もう1つの要因は、時間をかけて対話できる番組形式だった。「この番組では、直近のニュースの見出しにとどまらず、好奇心を出発点に長く話ができます。出演者は率直に、時間をかけて深く話せます。大統領のチームも、対話をどこまで深められるか理解してくれたのだと思います」。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターの2025年11月の調査結果では、米国の18~29歳の成人の38%が、ニュースを発信するインフルエンサーから定期的にニュースを得ていた。成人全体では21%だった。



