カリフォルニアのゴールドラッシュでは、一獲千金を夢見て数千人が西へ向かった。しかし、採掘者の大半は金を見つけられず、必要な道具や食料、物資を売った商人が富を築いた。
商人の成功から、「ゴールドラッシュでシャベルを売る」という考え方が生まれた。成長市場の主役を目指すだけでなく、参加者が必要とする商品やサービスを提供する発想だ。私は2027年に向けた仕事や事業の機会を、この視点から考えている。
政府の雇用見通し、業界の支出に関する報告書、人々の消費や投資に関する調査を調べ、需要がすでに伸びているか、将来の成長が予測される6分野を選んだ。
起業するなら、各市場で何が必要とされるかを探してほしい。キャリアを築くなら、自分の技能をどう役立てられるかを考えてほしい。選んだ6分野では、事業を運営し、販売や資金管理を担い、顧客の満足を支える人材が必要だ。以下では、6分野それぞれの商機と、そこで売れる「シャベル」に当たるサービスを紹介する。
技術の普及とコンテンツ市場の成長が生む裏方の仕事
企業のAI利用が広がり、クリエイターが制作するコンテンツにも広告費が流れ込んでいる。どちらの市場にも、事業者や制作者に代わって実務を担う商機がある。
(1)小規模事業者はAIをどの業務に使える?
全米商工会議所が2025年に実施した調査によると、米国の小規模事業者で生成AIを利用する割合は58%だった。2024年の40%から増えている。商機となるのは、経営者がAIを実際の業務で使えるように支援することだ。
例えば、歯科医院は予約のリマインド通知を自動化したいかもしれない。建設請負業者は見込み客への継続的な連絡を手伝ってほしいかもしれない。小売店は、消費者がChatGPTに買うべき商品を尋ねた際、自店の商品が候補に表示されることを望むかもしれない。
企業の業務を理解していれば、どの仕事にAIツールが適しているかを見極め、設定を代行し、従業員に使い方を教えることができる。
(2)クリエイターの動画編集からスポンサー交渉までを請け負う
米国の広告業界団体IAB(Interactive Advertising Bureau)の予測では、米国のクリエイター向け広告費は2026年に440億ドル(約6兆9080億円)に達する。クリエイターが制作するコンテンツに、企業が投じる広告費の見通しだ。
商機は、クリエイター自身が抱える制作・運営業務を引き受けることにある。動画編集、スポンサーとの契約交渉、請求書の送付、案件の進行管理を担当する人材が必要だ。地域の小規模事業者が自社のコンテンツを制作する手助けもできる。



