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経営・戦略

2026.10.23 10:21

チームに「少ないリソースでより多くを」求めるのは戦略ではなく責任逃れだ

Adobe Stock

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どこかの全社会議で、「我々は少ないリソースでより多くをこなせる」というフレーズが、「不平を言うな、自分でなんとかしろ」という意味で使われている。多くの場合、少なくなっているのはキャパシティ、時間、あるいは注意力だ。例えば、新たな事業戦略を推進するためにチームが再編された後、リーダーのキャパシティは、異なるリソース構成の新たな会議がカレンダーに追加されることで圧迫される。こうした状況は避けられないことも多いが、何も手を打たないことは責任逃れである。

優先順位づけに関する優れた戦略は数多く存在する。しかし、概念から行動へと移り始めると、ビジネスのスピードが意思決定の過酷さを浮き彫りにする。残念ながら、多くのリーダーはそこで圧倒されてしまい、厳しい決断を下すことをためらう。その結果、すべてが優先事項となる組織が生まれる。それが何を意味するかは、言うまでもない。

厳しい決断を避け、あいまいな優先順位づけを約束するだけのリーダーは、チームに対し、少ないリソースと減少したキャパシティのなかで、これまでと同じことを続けろと要求しているに等しい。本来必要なのは、優先順位づけという困難な作業に外科医のように精緻に取り組むことだ。その方法の1つが、私が「DROP法」と呼ぶアプローチである。すなわち、ditch(捨てる)、reduce(減らす)、offload(手放す)、protect(守る)だ。

D:Ditch(捨てる)

私がこれまで見てきたなかで最も優れた戦略計画は、事業として「やること」と同じくらい「やらないこと」を明確にしていた。私が最高事業・人材責任者を務めていたガールスカウトUSAでは、2014年のデジタルクッキープログラムの立ち上げの際に、まさにこの選択的なコミットメントを実践していた。象徴的なクッキーは従来、対面での販売を通じてのみ扱われていた。eコマースのオプションを導入した当初は、現実世界で培うスキルの希薄化や高コストを懸念する保護者、ボランティア、関係者から反発を受けた。しかし、組織がその反発に対して本質的に「ノー」と言う勇気を持っていたからこそ、このモデルは維持され、強化されたのだ。

組織における仕事を再構想するためには──とくに非営利組織の場合──2つの条件が必要だ。第1に、組織はミッション価値と事業価値のトレードオフを明確にしなければならない。次に、従業員にそのトレードオフを行う権限を付与する必要がある。チームが影響度の低い業務を手放せるよう積極的に支援するリーダーは、こうした条件を整えるのに役立つ。

組織がもう行わないことを明示することは、最も難しく、同時に最も明確化をもたらす行動の1つだ。口に出されない「イエス」はすべて、静かに人員への負担となる。そして最終的に「我々はこれをもう行わない」と言うリーダーは、どんな増員でも取り戻せない時間と集中力をチームに返してくれる。人気や現状維持にとらわれないリーダーこそ、この困難な道を選ぶことで最終的に報われるのだ。

R:Reduce(減らす)

目的地も到着予定時刻も明記されていない地図を手渡されたとして、近道を探すよう求められるのは合理的だろうか。決してそうではないはずだ。調整を検討する前には、具体的な前提条件が必要になる。

事業の成果は譲れないものだが、そこに至る道筋は大きく異なる可能性がある。従業員にスコープの縮小を求める際、リーダーは必要な重要情報をすべて提供しなければならない。例えば、埋めるべき金額のギャップ、議論の対象外となるテーマ、時間軸などだ。明確なコミュニケーションにより、満たされない期待、管理不可能な業務量、そして最悪の場合、失敗を避けることができる。

O:Offload(手放す)

私のキャリアを通じて、チームが仕事を手放す手助けをすることは、かけがえのない資源である時間を活用する上で重要だった。時間は決して十分ではないが、それを最大限に活用する方法を学ぶことが、優れたリーダーと一流のリーダーを分ける。何年も前、事業オーナーだった頃にも同じことが言えた。すべてのクライアント向け成果物は重要だったが、すべてが同じ緊急度を必要とするわけではなかった。私はその評価に基づいて成果物を委任することができた。

これまで私は、ミクロおよびマクロの手放し判断に役立てるため、アクション優先度マトリクスやパレートの法則などのツールを使用してきた。緊急度と重要度で優先順位をつけるためにアイゼンハワー・マトリクスを使っているリーダーも多く知っている。ただし、このマトリクスを使うには、チームが実際に何に時間を費やしているかを把握している必要がある。したがって、定期的な面談で適切な質問をすることに取って代わるものではない。

P:Protect(守る)

どんな犠牲を払ってでも守らなければならない事業活動は常に存在する。それが明確でないと、すべてが劣化してしまう。財務の健全性、中核となる成果物、文化的な基準といった領域は、容赦ない優先順位づけが他のトレードオフを要求する場面でも維持されなければならない。厳しい決断を下す前に、譲れないものを明確にしておくことで、それらが「家具」ではなく「床」として認識されるようにしよう。

例えば、全米腎臓財団では、譲れないものの1つである「患者中心のケア」について明確さを持っていることを誇りに思っている。それは我々の重要な取り組みや長期目標の重心となっている。個人のエンパワーメント、公平なケアへのアクセス拡大、臨床品質指標と患者の優先事項の整合性確保は、とくに難しい決断を下す際に、我々の北極星としての役割を果たしている。

質の高い計画と実行は、「少ないリソースで多くをこなせ」といった言葉から生まれるのではない。それは、トレードオフを行う権限を与えられたミドルマネジャーと、自分たちのポートフォリオのどこでスコープを縮小できるかを明確に理解している従業員によってもたらされる。そしてそれは、組織の骨格と品格が試される瞬間に現れるのだ。

従業員を極限まで追い詰めることなく最優先事項が確かな成果を上げているなら、その組織の人材は、おおむね「DROP」を言語化できているということだ。

(forbes.com 原文)

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