グッズ販売の成功を支えているのは、オンラインストアの米ファナティックスだ。「NBAにとって、ファナティックスは長年の素晴らしいパートナーです」とNBAグローバルオペレーション部門の社長、サル・ラロッカ氏は述べた。ファナティックスは、マンハッタン5番街にオープンするNBAの新旗艦店の運営元でもある。
スポーツ用品メーカー大手アディダスが経営していたNBA専門店が今年8月に閉店したため、今回オープンする旗艦店は、全米で唯一のNBA専門店となる。海外では、中国、韓国、台湾、フィリピンに151の店舗がある。「旗艦店では、NBAのライセンス商品のすべてを取り揃えています」と担当者は話した。
ストアでは従業員らがタブレット端末でNBAストア・ドット・コムにアクセスし、膨大な在庫から商品を探し出して顧客に配送することも可能だ。
ファナティックスの創業者マイケル・ルービンは「バーチャルストアのライセンスグッズをファンが実際に見て、買い物ができる場として、旗艦店をオープンしてはどうか」と、1年半前にNBAに提案した。今回の契約ではファナティックスが約200人の人件費とその他の経費、在庫の一切を引き受けてストアを経営管理し、NBCは売上の一部を受け取ることになる。
旗艦店はNBAの熱烈なファンにとっては至福の場所だ。全長12メートルの壁面には、ナイキ、アディダス、アンダーアーマーといったメーカーの250点に上るシューズがずらりと並び、フロアのカーペット(runner)が自動的に靴のサイズを計ってくれる。
ユニフォームジャージも簡単な手順でカスタマイズでき、好きな選手のジャージに自分の名前を入れるなど、わずか10分足らずで思い通りのものが出来上がる。また、この新店舗で特に目立つのは、31,000個のLEDライトで飾られた高さ9.6メートル、幅6.6メートルのバスケットボールネットだ。壁面には現役選手の等身大イメージがプリントされ、彼らと背比べをするのも楽しい。
ファナティックスは、他にもNHLのニュージャージー・デビルスとフェニックス・コヨーテ、カレッジリーグではルイジアナ州立大とテキサス大のチームストアを運営している。オンラインショップでは、プロ、大学を合わせ150チーム以上のライセンス商品を網羅して販売する。
今年6月、米ナイキはNBAとの間に8年間で10億ドル規模のアパレルライセンス提携契約を結んだ。ナイキのロゴが選手の公式戦ジャージにプリントされるのは、NBAにとっても初の試みになる。NBAの担当者は言う。
「ナイキと提携関係を結ぶことは、NBAの試合を世界に広めるうえでも絶大なる効果が望めます」