【重要】復旧のご報告セキュリティ対策に伴うメンテナンスおよび会員機能の一時停止について

欧州

2026.10.23 12:00

パランティア、NATO軍事AIは米国側から停止できないとEUに説明──スターシールド報道「極めて憂慮」

daily_creativity - stock.adobe.com

daily_creativity - stock.adobe.com

米データ解析企業パランティアは、北大西洋条約機構(NATO)が使う軍事用人工知能(AI)システム「メイブン」に、強制停止用の「キルスイッチ」はないと欧州諸国に説明している。同社幹部や米政府当局者が、外部からシステムを停止させたり、稼働を制限したりすることもできないとしている。

ウクライナ側は米国時間2026年10月14日、米宇宙企業スペースX(SpaceX)が軍用衛星通信サービス「スターシールド(Starshield)」の移動速度に上限を設けたと明らかにした。スターシールドは、同社が提供する衛星通信サービス「スターリンク」の軍用版だ。スターシールドにはそれまで移動速度の上限がなかったが、端末が時速約160キロを超えて移動すると通信が途切れるようになり、ウクライナ軍の任務に支障が生じた。制限はイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の指示によるものと報じられている。

パランティア、NATO向け軍事AIは「外部から介入して停止させることはできない」

パランティアの欧州・英国担当上級副社長ルイス・モズリーは、現地時間2026年10月22日にブリュッセルでロイターの取材に応じた。スターシールドをめぐる報道を「極めて憂慮すべきこと」と表現した。ただし、ブリュッセルのNATO本部で使われるメイブンについては、利用者がソフトウェアを「全面的に運用・管理する権限」を持ち続けると「断言できる」と述べた。

モズリーによると、メイブンには「キルスイッチ」がなく、パランティアも米政府も「外部から介入して停止させることはできない」。この発言は、マスクがドナルド・トランプ大統領を含むホワイトハウス当局者と話した後、スターシールドの利用制限を承認したとするウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を念頭に置いた可能性がある。

米国企業への「ある程度の依存を受け入れざるを得ない」と警告

NATOは2025年にメイブンを取得して以来、使用している。ただし、主要加盟国の中には導入を見送った国もあり、ドイツとフランスはパランティアのシステムに代わる独自技術の開発を目指している。

モズリーは10月22日、ブルームバーグとの別の取材では語調を変え、欧州はパランティアのような米国企業への「ある程度の依存を受け入れざるを得ない」と警告した。フランスなどが代替システムの開発を進めても、メイブンは「欧州の防衛と技術を大きく後押しする」と主張した。軍用ドローンの製造に必要な磁石については、欧州諸国が中国への依存をさらに深める恐れもあると指摘した。

次ページ > スターシールドの利用制限でウクライナ軍の任務に支障

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事