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欧州

2026.10.23 14:30

トランプ、マスクにウクライナのスターシールド制限解除を要請か 米紙報道

Photo by Kevin Dietsch/Getty Images

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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ドナルド・トランプ大統領はイーロン・マスクに、ウクライナ軍向け衛星通信の制限解除を求めた。マスクがCEOを務めるスペースXは、民生・商用向けの衛星通信サービス「スターリンク」を提供している。今回の制限対象には、スターリンクの技術を使う政府・安全保障用途の軍用衛星通信「スターシールド(Starshield)」が含まれる。ロシアとの戦争が続くウクライナで、軍用無人機などの運用を妨げる制限を誰が決めたのかについて、報道と米政府の説明が食い違っている。

トランプが制限解除を求めたとWSJが報道、スターシールドは完全復旧せず

WSJは匿名の米政府当局者の話として、トランプがマスクとの電話で制限の解除を求めたと報じた。ウクライナ軍が使うスターシールドは米東部時間2026年10月22日時点で通常に近い状態で作動していたが、機能は完全には回復していなかったという。

問題の速度制限は、スターシールド端末を載せた無人機などが通信を維持できる移動速度に関するもので、通信データの転送速度ではない。端末を載せた機体が時速約161キロを超えると、接続を維持できなくなる制限が設けられていた。ウクライナで誰が制限を決めたのかは、10月中旬以降論争になっている。

移動中の無人機などへの通信制限、マスクとホワイトハウスで食い違う説明

マスクは10月14日、スターシールドは米政府が所有・管理しており、移動速度や利用の制限は米軍が決め、最終的には大統領が判断すると主張した。翌15日、ロイターは匿名の米政府当局者2人と西側当局者1人の話として、スターシールドの制限指示はホワイトハウスから出たと報じた。ただし米政府高官はロイターに、「大統領がそのような要請をしたことは一切ない」と答えた。

トランプは10月19日、ウクライナでのスターリンクのサービス制限について、誰が決めたのか知らないと述べた。翌20日、WSJはマスクがスターシールドの制限を決め、事前にトランプと話していたと報じた。

マルコ・ルビオ米国務長官は21日、マスクが制限を決めたとするWSJの先行報道は読んでいないと述べた。ルビオはスターリンクが商用サービス、スターシールドが軍用の別製品だと説明した。スターリンクの利用条件は民間企業との契約で定められるとして、「民間企業が下す判断について政府が指示することはできない」と述べた。さらに、トランプ政権内の誰もスターリンクの制限変更を要請していないと強調した。フォーブスはホワイトハウスとスペースXにコメントを求めた。

米国で燃料価格が上昇していた時期に、トランプは、ロシアの石油関連施設への攻撃を命じたウォロディミル・ゼレンスキー大統領を非難していた。ウクライナ向けスターリンクをめぐる制限問題が表面化したのは、トランプによる非難の後だった。

バンスはマスクに理解を示し、共和党議員は議会調査を要求

J・D・バンス米副大統領は10月22日午前、マスクは「民間企業を経営している」と記者団に語った。バンスは、米政府から何をすべきか指示されない限り、マスクが「紛争に関わりたくないと考えるのは十分理解できる」と述べた。さらに「イーロン個人の問題ではないと思う」とし、スターリンクの制限は「米国がウクライナとロシアに対してどのような政策を取るかという根本的な問題だ」と説明した。

バンスは同日、スターリンクの制限をめぐりマスクの調査を求める共和党議員に同意するかとの質問には答えなかった。ペンシルベニア州選出のブライアン・フィッツパトリック下院議員(共和党)は10月20日、「衛星通信の速度と利用を制限する決定は、ウクライナにとって生死に関わる」と投稿した。フィッツパトリックは、国家安全保障を「不安定な企業幹部の個人的な気まぐれ」に委ねるべきではないと訴えた。オハイオ州選出のマイク・ターナー下院議員(共和党)も、ウクライナでのスターリンクの混乱について議会調査を要求している。ノースダコタ州選出のケビン・クレイマー上院議員(共和党)も調査を支持している。

(forbes.com 原文)

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