米スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は20日の決算説明会で、これまでどのロケット開発企業も成し遂げたことのない試みに挑戦すると語った。
同社は11月に実施予定の超大型宇宙輸送機「スターシップ」の第15回飛行試験において、1段目のスーパーヘビーブースターと2段目のスターシップ宇宙船の両方の回収に挑戦する。成功すれば、軌道に到達したロケットを完全回収する初の事例となる。
機体回収で打ち上げ費用を圧縮、スターリンクが最も恩恵を受ける
これはコストの問題だ。マスクによると、前回のスターシップ第14回飛行試験では最大積載量の約半分しか積んでいなかったにもかかわらず、「ファルコン9」ロケットの打ち上げ10回分に相当する成果を上げた。スターシップを回収して再利用できれば、スペースXは打ち上げコストを大幅に抑えながら、はるかに多くの衛星や機器、そして最終的にはAIインフラを軌道投入できるようになる。
低コストで大量に打ち上げられる能力は、スペースXの衛星インターネット事業であるスターリンクにおいて最も大きな意味を持つだろう。スターリンクは地球低軌道に数千基の衛星を配置し、家庭や企業、車両、遠隔地に高速インターネット接続を提供している。
衛星網は3年で容量100倍、AIによる需要は最大1000倍
スターシップ第14回飛行試験では、毎秒26Tbps(テラビット)の通信容量を持つスターリンク衛星が展開された。マスクは10万基の衛星を打ち上げる計画の進展に伴い、3年以内にスターリンクの総通信量は約100倍に増加すると見込んでいる。
さらに大きなビジネスチャンスは、マスクの見立てによれば、この衛星コンステレーションを人工知能(AI)に活用することにある。AIエージェント1体あたりのネットワーク帯域幅使用量は人間1人あたりを大きく上回り、エージェントの数も人間よりはるかに多いとマスクは指摘。3〜5年以内に、現在の帯域幅の最大1000倍もの需要が生まれることになると予測する。



