教育

2026.10.27 19:15

英語が上達しない原因は耳にある 最新研究が明かす英語脳の正体

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外国語の習得速度には個人差がある。どんなものでも人による違いはあるものだが、外国語の聞き取りや発音においては、習得の早い人と遅い人では脳の活動に違いがあること、そしてその原因が耳にあることを、東北大学などによる研究グループが明らかにした。

長年同じように外国語を勉強してきた人の間でも、上達する人となかなか上達しない人がいる。上達が早い人には、外国語の音の微妙なニュアンスを正確に聞き取れる「耳のいい人」が多いと言われている。しかし、それだけだろうか。耳のいい人は、外国語を聞いたときの音の処理方法が、そうでない人たちと違うのかもしれない。

そこで東北大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、早稲田大学からなる国際研究グループは、日本語を母国語とする外国語学習者を対象に、耳の良さ(聴覚精度)を評価し、続いて人工的な言葉を聞いたときの脳の活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って測定した。

実験参加者には、日本語に存在しない英語の2つの母音(外国語音)を聞き分ける課題と、それに対応する音響的特徴のある人工的な非言語音を聞き分ける課題に取り組んでもらった。すると、聴覚精度が高い人は、外国語音を聞いたときに、脳の左感覚運動ネットワークへの依存が比較的小さく、非言語音を聞いたときに近い脳活動パターンが確認された。左感覚運動ネットワークには、耳から入ってきた音を、自分の発声器官を使ってどう発音するか無意識にシミュレーションする働きがあるとされている。

反対に聴覚精度が低い人は、外国語音を聞いたときに左感覚運動ネットワークの活動が強くなった。このことから、聞いた音をすぐに母国語の発音運動パターンに割り当てている可能性がある。つまり、耳慣れない音を、日本語のそれに近い音に置き換えてしまうわけだ。それに対して聴覚精度が高い人は、母国語への変換を行わず、聞いたままの音を処理している。

英語学習ではよく「英語脳」ができているかどうか、という話を聞く。英語で聞いて英語で考えて英語で答える回路が頭の中にできているかどうかだ。それがない人は、聞いた英語を一度日本語にして、日本語の答えを英語に訳して話そうとする。この研究では、その原因が耳のせいである可能性を示した。

研究グループは、これまでの外国語学習は「単語を覚える、外国語を聞く、発音を繰り返すなど、おもに言語そのものを練習することが中心」だったが、そうした練習だけでなく、その土台となる耳そのものを鍛えるアプローチを提案している。今後は「言語・聴覚トレーニング」を開発して、その効果を言語、聴覚、脳の3つの側面から同時に検証するということだ。

出典:東北大学 外国語習得の才能がある人の脳は何が違う? ―外国語の音を聞いても、すぐには「言葉」として処理しない―

文 = 金井哲夫

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