ウクライナ軍は9月、大型のドローン(無人機)に戦闘ロボットを吊り下げて運搬し、ロシア軍陣地の背後に投下する史上初のロボット・ヘリボーン攻撃を行った。筆者はこのほど、作戦を遂行した第93独立機械化旅団無人地上システム大隊「オルター・エゴ」の指揮官、コールサイン“エレクトリック”に話を聞いた。
エレクトリックによると、ウクライナ軍は作戦の成功を受けて取り組みを拡大しており、遠隔操縦ロボットによる攻撃は一般的な戦術になる公算が大きい。原理的には、ロボットをさらに遠くまで送り込むことも可能だという。
「やろうと思えば、どこへでも行けます。モスクワでもね」とエレクトロニクスは話す。
The 3rd Army Corps continues to reveal details of its Vivaldi offensive operation and reports that, for the first time in history, it carried out a flanking maneuver by deploying unmanned ground vehicles behind enemy lines while simultaneously disrupting Russian drone operations.… pic.twitter.com/nMqAzwpLec
— Yigal Levin (@YigalLevin) September 20, 2026
初の空挺ロボット「デサントニク」
ウクライナ軍は大型の無人車両(UGV)の配備を増やしている。主な用途は、最前線への最後数kmの物資輸送や、負傷者・遺体の後送だ。これらの任務は有人車両でこなすにはあまりに危険なものになっている。UGVはさらに地雷の敷設や、爆発物を積んで突進する自爆攻撃にも使われているほか、遠隔操作式の機関銃塔を搭載して敵兵と直接交戦することもある。ウクライナ軍は今年、各種UGVを5万台以上調達した。
これらの機械は人間の代わりとして非常に有用なことが実証されている。ウクライナ軍の第3独立強襲旅団は、2026年末までに前線部隊の約30%をUGVに置き換える計画だ。
従来のUGVは、通常20kg程度のものを運ぶ大型マルチコプター(複数回転翼のドローン)にとって重すぎた。そこでオルター・エゴは独自のUGV、その名も「デサントニク(空挺兵)」と、その投下機構を開発した。わずか10日間で、比較的大型の全地形対応車輪を備え、1回の充電で数時間走行できるコンパクトな遠隔操縦車両をつくり出した。
デサントニクの設計にあたっては、ウクライナ政府の防衛テックアクセラレーター「Brave1(ブレイブ・ワン)」の支援を受けた。ブレイブ・ワンは、開発者と製造業者、使用者の連携を促進し、新たな技術を改良して前線で迅速に利用できるようにすることに特化した組織だ。
この空挺ロボの投入には手間がかかる。エレクトリックによれば、デサントニクは後方地域で戦闘準備を整えたあと、前方へ運ばれ、ドローンに取り付けられる。ドローン操縦士がそれを特定の地点まで飛行させる。その地点は、ロシア軍陣地の10km以上後方の場合もある。UGV操縦士の制御下でデサントニクは切り離され、地上を走行して任務にあたる。運搬したドローンは基地へ帰還する。
The US has worked on the "marsupial" robotics concept — systems where one robotic asset delivers another — for over three decades. Ukrainian frontline engineers designed, built, and combat-deployed one in 10 days.
— BRAVE1 (@BRAVE1ua) September 25, 2026
Operators of the "Alter Ego" unit (93rd Brigade) engineered the… pic.twitter.com/NOWSVAJVxq



