AIが、インターネット上のウェブサイトの70%を支えるソフトウェアにひそむ、2件の深刻な脆弱性(セキュリティ上の欠陥)を見つけ出した。OpenAI、グーグル傘下のクラウドセキュリティ企業Wiz(ウィズ)、サイバーセキュリティのスタートアップ企業Califの3社が明らかにした。OpenAIはブログ記事で、「私たちは今回の問題を、近年で最も影響の大きいセキュリティ問題の1つと捉えている」と述べている。
FBIや英政府通信本部がPHPへの早急な対応を要請、欧州では行政サイトを止めた国も
米国時間10月21日、ウェブサイトの運営者たちは、広く使われているウェブ向けの汎用スクリプト言語PHPの脆弱性を修正しようと、対応に追われた。マークアップ言語HTMLやスタイルシート言語CSSが、ウェブサイトのうち閲覧者の目に見える部分を受け持つのに対し、PHPは、ログイン情報が正しいかどうかの確認や支払いの処理など、目に見えない部分を受け持っている。
米連邦捜査局(FBI)から英国の政府通信本部(GCHQ)まで、各国の政府機関は、セキュリティ修正をできるだけ早く適用するよう呼びかけている。欧州では、修正パッチを当てる間、政府ウェブサイトを全面的に停止した国もある。
※編注:日本でも、高市早苗首相が日本時間2026年10月21日午後10時前、X(旧Twitter)に「今夜に対応して頂きたい大至急のお願い」と投稿。高市は、日本時間同日午後11時に公開される修正パッチを「可及的速やかに」適用できるよう、準備を呼びかけた。修正パッチの適用が難しい場合は、ウェブサイトなどを「一時的に停止させる」こともリスクを下げる有効策の1つだとしている
研究者がAIエージェントを使って脆弱性を見つけ、攻撃にも成功
OpenAI、Calif、Wiz各社の研究者は、脆弱性調査用の同社AIエージェント「Wiz Atlas」、OpenAIのGPT-5.6 SolとグーグルのGemini 4 Argonを組み合わせて使い、脆弱性を見つけ出して、それを突く攻撃を組み立てたと説明している。なかでもGemini 4 Argonは、脆弱性の発見、攻撃用プログラムの開発、攻撃の検知、修正パッチの検証で大きく貢献したという。
発見した2件の脆弱性は10年以上前からPHPのコードに潜んでいたが、AIが見つけるまで悪用されたことはなかったという。ハッカーがこれらの脆弱性を突けば、脆弱なウェブサーバーにマルウェア(不正なプログラム)を仕込んだり、顧客の機密データを盗み出したりできるおそれがある。



