Monsterが発表した「職場での忠誠心に関する調査レポート」によって、会社に対する従業員の忠誠心の低下が浮き彫りになった。専門職1000人を対象とした調査では、以下のような結果が出ている。
- 90%が「会社は従業員に与える以上の忠誠心を要求している」と回答。
- 71%が「5年前と比較して、会社は従業員よりも利益を重視している」と回答。
- 46%が「会社の従業員に対する忠誠心は5年前よりも薄れた」と感じている。
こうした調査結果は自分には無関係だと思うかもしれない。雇用主は自分を雇用し続け、キャリアアップの道を示し、市場価値に見合った給与を支払い続けてくれると100%確信しているかもしれない。しかし、企業がAIプロジェクトの資金を捻出するために報酬を削減し、「ゴーストグロース(見せかけの成長)」が従来の昇進に取って代わりつつある、急速に変化し先行き不透明な今日の経済環境では、しっかりと自己防衛を図るのが賢明だ。今すぐ以下の5つのキャリア戦略を実行しよう。
1. 明確な境界線を引く
勤務時間は会社のために使い、始業前と終業後の時間は自分のために使おう。プロフェッショナルとしての成長のためには、業界団体に参加したり、専門知識を生かして副業を始めたり、関心のある非営利団体の役員に就任したりするとよい。個人的な成長のためには、休暇を取って心身をリフレッシュし、趣味を楽しみ、人間関係を育もう。
境界線を引くのに余計な時間はかからない。むしろ時間を取り戻すことができる。ただし、それを実行するには発想の転換が必要だ。終業後や週末に仕事のメールをチェックしていた1時間を、自分自身のために使う時間に当てよう。
2. 社外とのつながりを強化する
人間関係はプロフェッショナルにとっても重要だ。仕事以外の友人や、専門分野以外の知人も含まれる。実際、これまで仕事に集中しすぎていたなら、社外との人脈が内輪的(閉鎖的)にならないよう、つながりを強化する必要があるかもしれない。毎週何人かに挨拶の連絡を入れ、過去のつながりを再燃させよう。人脈を築くのに最適な時期は、転職活動をしていないときだ。
社外とのつながりの強化は、週に数分から始められる。毎週同じ曜日と時間にカレンダーのリマインダーを設定し、その時間になったら挨拶のメールを送ろう。本当に連絡を取り直したい人から始めて、少し疎遠な関係へと広げていくとよい。あるいは、職務経歴書を時系列に遡り、同級生から前職の同僚まで順に連絡していくのもひとつの手だ。
3. 社内の人脈を広げる
社外との人脈を築く習慣をつけると同時に、社内での関係も広げよう。普段の業務で他の部署の人と接する機会がない場合、自分の部署内の人しか知らない(あるいは自分を知られていない)可能性がある。もし部署が廃止されたり、大幅に縮小されたり、あるいは単に自分がその部署で成長しきってしまった場合、別の部署へ移動したくなるかもしれない。社外の人脈と同様に、社内ネットワークを構築する最適なタイミングは、社内異動を考えていないときだ。
社外のつながりと同様、社内の人脈作りも多くの時間をかける必要はない。日中のちょっとした休憩時間を利用して周りと会話を交わそう。アフィニティグループ(社内有志グループ)や部署横断的な活動(社内スポーツチームやボランティア活動など)に参加すれば、業務範囲外の人々と自然に知り合うことができる。
4. 現在の仕事にとらわれないプロフィールを作る
人間関係の構築に加え、現在の職務に直接ひも付かないプロフィールを構築しよう。積極的に応募書類を提出しているわけではないなら、今すぐ職務経歴書を更新する必要はない。その代わりLinkedInのプロフィール更新に時間をかけ、スカウトなどに対して最新の経験が正確に伝わるようにしておこう。
数分かけてLinkedInのプロフィールを整えよう。多くのヘッダーはデフォルトで「現在の会社名と役職」になっている。公式の役職名は抽象的すぎる(「マネージャー」など)場合があるため、職務領域(「マーケティング」など)を明記したほうが具体的だ。勤務先が誰もが知る有名企業でない場合は、業界名を記載したほうが専門分野を表す良い指標となる。さらに、最も注目される概要欄(About)を記入し、アカウントには実際に日常的に確認するメールアドレスを登録しておこう。
5. 自身の市場価値を更新する
同じ会社に長く勤務していると、今の自分の役割で「今日」採用される人がどれくらいの報酬を得られるのか分からなくなっている可能性がある。さらに、自身の役割が拡大し、当初提示された報酬とは見合わなくなっていることもある。市場価値は、蓄積してきた経験と、現在担っている責任の両方を反映したものであるべきだ。あなたの給与や役職は、それに伴って見直されているだろうか。
同分野で自分よりキャリアが進んでいる友人やメンターがいれば、自分の職種が労働市場でどれくらいの価値を持つかを把握しているかもしれない。また、自分の職種や業界に特化した転職エージェントも優れた情報源だ。報酬額を明記している求人情報(ニューヨーク州など一部の州では公開が義務づけられている)も、市場価値を把握する参考になる。
転職の準備を整えることは「不誠実」ではない
Monsterの調査によると、従業員の20%が自身を「不誠実」と表現している。そのうち14%は「より良い機会があれば転職する」と答え、6%は「積極的に機会を探している」と答えた。しかし、転職の準備を整えることは、生命保険に入るのが不吉なことではないのと同様、不誠実な行為ではない。自身の市場価値を理解し、現在の仕事だけでなく自分自身に焦点を当てたプロフィールを作成し、強力な人脈を育み、自分の時間に境界線を引くことは、賢明なキャリアプランニングなのだ。



