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経営・戦略

2026.10.22 09:48

取締役会を動かす人事リーダーの役割 ワークフォース戦略が企業の勝敗を分ける

Adobe Stock

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取締役会は、企業にそれを賄う資本があるかを確認せずに成長戦略を承認することは決してない。ではなぜ、その戦略を実行するワークフォースがあるかを問わないのか。

そこに、人材戦略とワークフォース戦略の違いがある。前者は、誰を採用し、育成し、維持する必要があるのかを問う。後者は、どの仕事を遂行する必要があるのか、どの能力が最も重要なのか、そしてそれらを中心に組織をどう設計すべきかを問う。

これらは人事の問いではない。企業全体の問いである。

年次ワークフォース計画は時代遅れである

長年、ワークフォース計画にはおなじみの流れがあった。事業計画を策定し、それを人員数に落とし込み、予算を承認し、翌年に見直すというものだ。しかしこのモデルは、事業が次の計画サイクルまで辛抱強く待ってくれることを前提としている。現実にはそうならない。

私はキャリアのなかで、これに似た状況を何度も経験してきた。年初には、成長目標が設定され、その目標に沿って組織が設計され、人員計画も堅固に見える、緻密に組み立てられた事業計画がある。ところが、その後に事業が変化する。買収が発生したり、事業の経済性が変わったり、企業がこれほど早く追求するとは想定していなかった市場機会を見いだしたりする。すると、何カ月もかけて構築したワークフォース計画は、もはや存在しない戦略に対応するものになってしまう。

そうした局面では、「あと何人必要なのか」と問いたくなるものだ。しかし、それは往々にして誤った問いである。まず理解すべきなのは、新たな戦略にはどの能力が必要なのか、そのうちどれがすでに組織内に存在するのか、どの仕事をやめる、あるいは移せるのか、人材をどこに再配置できるのか、そしてどこで本当に新たな専門性を取り込む必要があるのかである。

ワークフォース計画は、それが可能にする事業戦略と同じくらい動的でなければならない。リーダーは、まだ手を打てるうちに、戦略的選択がワークフォースにもたらす影響をモデル化できる必要がある。目標は未来を完璧に予測することではない。結果を変えられるだけのものを、十分に早く見通すことだ。

取締役会に必要なのは事後検証ではなく先行指標である

ワークフォースリスクは過小評価されやすい。被害が出た後になって初めて、財務結果に表れることが多いからだ。私は、ある事象が財務上または業務上の問題に見えたものの、さかのぼってたどると、警告サインは何カ月も前からワークフォースに表れていた、という会議に何度も同席してきた。それらは、重要なリーダーシップの空白、離職率の上昇、許容量を超えて疲弊するマネジャー、あるいは組織の吸収能力を上回るスピードで増大した仕事として現れていた。

やがてそうした問題は、成長の鈍化、コストの上昇、顧客満足度の低下、イノベーションの制約として表面化する。損益計算書は最終的に問題の存在を示すが、ワークフォースはそれよりずっと早く警鐘を鳴らしている。

だからこそ、取締役会に必要なのは事後検証ではなく先行指標である。CHROは、リーダーシップの強さ、スキルギャップ、見えにくい人件費、変化する優先事項を吸収できるだけの俊敏性がワークフォースにあるかといった実行リスクを、取締役会が理解できるよう支援すべきだ。こうした問いは、議論を人材に関する報告から、企業戦略の形成へと移行させる。

CHROとCFOは1つのストーリーを語らなければならない

人事リーダーが取締役会に入り、人事プログラムについて語るだけで、ワークフォースに関する議論が企業全体の議論として扱われると期待することはできない。会社がどこへ向かっているのか、どのように収益を上げているのか、どこで利益率が圧迫されているのか、そして事業が戦略を実行するうえで障害となり得る課題は何かを理解している必要がある。

だからこそ、CHROとCFOの連携が極めて重要になっている。CFOはその戦略にどれだけのコストがかかるかを取締役会に説明できる一方、CHROは組織がそれを実行できるかを説明する。最も強い経営チームは、コスト、キャパシティ、能力、生産性、リスクに関する1つのストーリーとして、これらの視点を統合して提示する。

AIはこの問いをさらに差し迫ったものにする

企業はもはや、誰が仕事をするのかを再検討しているだけではない。AIの登場により、仕事そのものを再検討している。リーダーは、どの問題を解決しようとしているのか、実際にどの仕事を遂行する必要があるのか、どの部分に人間の判断が必要なのか、どの部分をAIで強化できるのかを見極めなければならない。これらの問いに答えた後で初めて、実際に必要となる役割、あるいは人間とデジタルのキャパシティの組み合わせを判断できる。

Dayforceでは、すでにこれがどのような形になるかを目にしている。自社テクノロジーの「Customer Zero」として、私のチームはAIを理論として語っているだけではない。たとえば、従業員調査の大量のコメントを統合するために、AIを活用した感情分析を用いている。マネジャーがコメントを仕分けし、自らパターンを特定することに時間を費やす代わりに、AIはテーマや文脈を迅速に浮かび上がらせることができるため、マネジャーはそれにどう対応するかの判断により多くの時間を使える。私たちはこれを多くの領域で進めている。報酬データの異常値の発見、職務記述書や面接質問の作成の加速、研修コンテンツ作成の迅速化などである。

AIは、人間のキャパシティが必要となる場所を変える。マネジャーはなお重要だ。リクルーターもなお重要だ。報酬の専門家もなお重要だ。しかし彼らの時間は、反復的な作業から、判断、人間関係、問題解決、そして明確に人間ならではの専門性を必要とする意思決定へと移すことができる。

取締役会は、勝つために必要なワークフォースをAIがどう再構築するのかを考える必要がある。その再設計がどこで起きているのか、経営陣がどのような生産性向上を見込んでいるのか、その向上が実現しているのか、どのような新たな能力が必要になるのか、そしてその過程で企業がどのようなリスクを生み出しているのかを理解すべきである。

今日の世界では、戦略は数カ月で変わり、テクノロジーは数週間で仕事を再設計し、重要なスキルは年次計画サイクルでは対応できないほど速く希少化し、あるいは陳腐化し得る。つまり、ワークフォース戦略はもはや人事の演習ではない。企業のケイパビリティなのである。

(forbes.com 原文)

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