長年にわたり、グローバル・ビジネス・サービス(GBS)の方向性は明快だった。標準化できる業務を見つけ、集約し、自動化できる部分は自動化し、残りは最も効率的に提供できる拠点やプロバイダーに移管するというものだ。
こうした論理は、財務、人事、調達、IT、その他の企業機能を大きく変革した。それにより膨大な効率化が実現し、組織は真にグローバルなオペレーティングモデルを構築できるようになった。
しかし企業は今、別の問いを立て始めている。もはや単に「どの業務を外に出せるか」ではなく、「企業として所有し続けなければならないものは何か」が、ますます重要になっているのだ。
これは、企業が数十年にわたるアウトソーシングを逆転させ、グローバル・ケイパビリティ・センター(GCC)を解体し、トランザクション業務を国内に戻そうとしている、という意味ではない。実際、シェアードサービスと分散型デリバリーは、今後も未来の重要な一部であり続ける。
ガートナーの2026年調査によれば、ITマネージャーの71%が、自社でシェアードサービスの活用を拡大すると見込んでいる。同時にガートナーは、AIが企業のテクノロジー人材調達のあり方を変え、外部IT人材の最大40%が社内で能力を得た従業員に置き換わる可能性があると予測している。
ガートナーはこの新たなアプローチを「ライトソーシング」と呼ぶ。言い換えれば、事業の差別化につながらない業務には外部プロバイダーや共有デリバリーを活用しつつ、戦略的で価値を生み出すケイパビリティは組織内に保持するというものだ。
実行は分散できるが、所有権は分散できない
データは、所有権が重要となる好例だ。
企業はデータのクレンジングや保守などの作業をアウトソーシングできる。しかし、データが何を意味するのかの解釈、組織が使用する定義、重要データの所有者、適用される品質基準、アクセス権限の所有者、重要な意思決定を下す際にそのデータを信頼できるかどうかの判断といった責任を、安心して外部委託することはできない。
こうした問いは、AI対応組織においてはるかに重大な意味を持つようになる。
MITスローン経営大学院とMIT情報システム研究センターは、データの観点からこの問題を検証してきた。彼らが提唱する「データ流動性」の概念、すなわちユースケースや組織の境界を越えてデータを再利用・再結合できる能力は、AIがスケールするにつれ、なぜ所有権がますます重要になるのかを説明する助けとなる。
データを再利用可能にするには、アーキテクチャ、データ準備、アクセス、ガバナンスに関する意図的な選択が必要だ。MITはこれを根本的に、テクノロジー、プロセス、ガバナンスにまたがる調整を要するマネジメント上の課題として位置づけている。
企業がプロバイダー、GCC、プラットフォーム、そしてますますAIへと実行を分散させていくなかで、組織自体が、業務の背後にあるビジネス文脈を保持する能力を高めなければならない。
そこに重要なパラドックスが生じる。AIによってより多くの実行の分散が可能になると同時に、企業が保持すべきケイパビリティの価値も高まるのである。
社内に残すべきもの
組織は、どのケイパビリティを企業の近くに留めておくべきかについて、より意図的に判断する必要がある。エンドツーエンドのプロセス・オーナーシップは、その一つだ。
組織は、プロキュア・トゥ・ペイ、オーダー・トゥ・キャッシュ、レコード・トゥ・レポートといったプロセスの実行を、複数のデリバリーチャネルに分散させるかもしれない。しかし、プロセスを設計し、その依存関係を理解し、基準を設定し、パフォーマンスを改善する責任は、ますます明確な社内オーナーを必要とする。
AIのガバナンスと利活用も、もう一つの例である。前述のガートナーの調査が示唆するように、AIがビジネス全体に分散していくにつれ、企業はその利用方法を決める基準とガバナンスについて、より強力な社内オーナーシップを持つ必要がある。事業チームが自ら多くのAIソリューションを構築し、外部パートナーがその開発や展開を支援することはあっても、どのツールを承認するか、どのデータにアクセスできるか、リスクをどう管理するか、誰が責任を負うかの決定は、最終的に組織内に留まる必要がある。
AIの実行は分散されるかもしれない。それでも組織は、AIがどのように機能するかをめぐるルールを自ら保有する必要がある。
変革ケイパビリティもこの議論に含まれる。長年、組織は変革を一時的なイベントとして扱うことができた。だが変革が継続的なものになる現在、組織は自らを変革するために必要な制度的知識とケイパビリティをより多く保持しなければならない。
GBSおよびGBSリーダーの役割の変化
そこで、GBS自体の役割が変化し始める。AIと自動化がGBS内のルーティンな実行をより多く吸収するにつれ、残る職務はトランザクショナル性が薄れ、より本質的な意味を持つものになっていく。
例えば、従来の人事シェアードサービスセンターを考えてみよう。AIがトランザクショナルな業務を吸収し、より統合されAI対応のデリバリーのために機能プロセスを再設計する「GBS『プロダクト化』リード」のような新興役割に新たな責務が生まれるにつれ、これらのセンターはデジタルソリューションおよびデリバリーチームへと進化しなければならない。言い換えれば、プロセスの実行に必要な人的労力が減るほど、人間の生み出す価値は、そのプロセスを理解し、再設計し、ガバナンスし、改善することへとシフトしていく。
歴史的に、GBSリーダーのミッションの多くは「どの場所で業務を最も効率的に提供できるか」を決定することに集中していた。しかし今や、実行とナレッジを分離することが企業の弱体化につながるポイントを見極めることも、その重要な仕事になりつつある。
それは、これまでとは異なる一連の問いを立てることを意味する。何を自動化すべきか。何をアウトソーシングできるか。何をGCCに配置すべきか。エンドツーエンドのプロセス・オーナーシップはどこに置くべきか。深い組織的ナレッジを必要とするケイパビリティはどれか。どの意思決定を自社内に残さなければならないか。
単なるソーシングの問いから、オペレーティングモデルの問いへとシフトするのだ。
次なる競争優位の源泉
数十年にわたり、企業はパフォーマンスを損なうことなく企業から切り離せる業務を見極めることで優位性を築いてきた。次なる優位性の源泉は、失うわけにはいかないもの——ケイパビリティ、知識、所有権、そして判断力——に対して同等の規律をもって臨むことから生まれるかもしれない。
今日、最も重要なGBSの問いは、企業として自ら実行する方法を決して忘れてはならないものは何か、ということかもしれない。



