ブレイクスルーを待ち望んでいるなら、長い長い時間を待つことになるだろう……。
ブレイクスルーは、幸運によって起きることはほぼない。たいていは、誰かが決断を下すから起きるのだ。
高校生の頃、進路指導のカウンセラーに「あなたは大学ではやっていけない」と言われた。意地悪ではなく、現実的にそう判断したのだ。私のような子どもは「大学向きではない」と見なされていた。しかしその言葉が、自分の道を自ら切り拓こうという火を私の中にともした。誰も与えてはくれないブレイクスルーを、自分で生み出すために。
その後、私はブレイクスルーの瞬間を繰り返し再現する方法を身につけた。私にできたのだから、あなたにもできる。ブレイクスルーを幸運に頼るのをやめた瞬間、それを設計する方法を学ぶことになるからだ。
皆が「仕方ない」と受け入れてきた問題から始める
私が目にしてきたあらゆるブレイクスルーは、他の誰もが我慢することを覚えてしまった問題に、誰かが立ち向かうと決めた瞬間に始まった。誰かが現状に疑問を投げかけたときに起きたのだ。
多くの企業は、クモの巣を払うことに追われている。誰かひとりが「クモそのものを退治しよう」と思いつくまでは。
手頃な価格の住宅供給の世界には、「クモ」が尽きない。住宅公社のコンサルティングに入ると、何千件もの未処理の再認定や、何年にもわたって積み上がった滞留案件を目にすることがある。本当の問題は書類仕事ではなく、ある家族がもう1組、住まいの不安定さや手続きの遅れに苦しみ続けているという事実にある。
通常、こうした滞留は「普通のこと」として受け入れられてしまう。しかし誰もその問題に向き合わないために、何カ月も前に入居資格を得たはずの家族が、今も鍵を渡される日を待ち続けているのだ。
住宅公社がようやくプロセスの課題を改善すれば、人々の暮らしも改善される。シングルマザーが子どもたちに自分の部屋を与え、夕食の家族団らんのテーブルを用意できるようになる。転々と移り住むのではなく、地域の一員になれるようになる。
それこそが、組織とそのサービスを受ける人々にとってのブレイクスルーだ。
リーダーの真価が問われるのは「ギャップ」の部分
ただし、問題が見えるだけでは十分ではない。問題は見えても何もしない人がいる。問題は乗り越えられないと思い込んでしまうのだ。
ブレイクスルーは、今いる場所と行くべき場所との間のギャップをどう埋めるかを考えついたときに起きる。ただし、私と同じタイプA気質の実行派に向けて、重要なポイントを強調しておきたい。
それは、リーダーであるあなたがひとりで橋を架けなければならない、という意味ではない。どれほどそうしたいと思っても、すべての解決策を自分で用意する必要はないのだ。
Quadelでのリーダーシップ10年間が私に教えてくれたのは、答えを配るだけでは不十分だということだ。アイデアを出すのが自分ひとりなら、チームが自らのアイデアを提案して成長する機会を奪ってしまう。
リーダーの仕事は、同じ問題を見つめる人を十分な数集め、より多くの解決策を生み出させることだ。最高の解決策が「これまでもこうしてきた」という言葉の陰に隠れていた場面を、私は何度も見てきた。まさにそのクモの巣の中に、ギャップを埋めるために必要なものがぴたりと潜んでいるのだ。
今月、ブレイクスルーを設計してみよう
次のチームミーティングで、こう問いかけてみてほしい。
「毎日目にしているのに、これまで話題に上らなかった問題は何ですか?」
出てきた答えをすべて書き留める。大きいもの、小さいもの、変わったもの、どんな問題でも構わない。続けてもう1つ、こう問いかけよう。
「それぞれの問題を我慢し続けることで、私たちはどれだけの代償を払っていますか?」
自分で解決しようとする衝動を抑えること。チームで一緒に解決策を組み立てよう。そして、何かをリードする機会を必要としている人にそれを委ねればいい。
何をするにせよ、「いい話し合いだった」で終わらせてはいけない。計画を持ち、各アクションアイテムの担当者を明確にして会議室を出ること。
ブレイクスルーが向こうから転がり込んでくることはない。しかし、チーム全員が同じ問題を見つめ、ギャップを埋めていくことで、それは設計できる。問題解決と周囲のリーダー育成についてさらにアイデアを知りたい方は、私の著書『Audacity: Go From Wannabe Leader to the Leader Others Wannabe』を予約注文するか、ポッドキャスト『ChangeMakers』に参加してほしい。



