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2026.10.21 09:49

消費者向け事業を持つバイオテック企業の資金調達術

Adobe Stock

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消費者向け事業を併せ持つバイオテック企業の資金調達において、特に奇妙な点のひとつは、同じ企業が全く異なる理由で2種類の投資家に魅力的に映ることだ。バイオテック投資家はミーティングの大半を、生物学、知的財産、規制対応の道筋、次の臨床マイルストーンに費やす傾向がある。一方、消費者向け投資家は、成長性、顧客獲得コスト、リテンション、売上総利益率、リピート購入率に直行する。

どちらも間違った質問をしているわけではない。単に異なるリスクを引き受けているだけだ。

バイオテック業界で働いてきた私の経験では、ここで経営者が犯しがちな過ちは、実質的に「当社は両方をやっている」と言うことで、双方を満足させようとすることだ。その結果、しばしば2つのストーリーが生まれる。バイオテック投資家は、マーケティングが科学から資金と注意を奪っているのではないかと考えるようになる。消費者向け事業の投資家は、長期の臨床プログラムが事業の恒常的な重荷になるのではないかと懸念するかもしれない。

正しい問いに答える

自社のバイオテック事業と消費者向け事業を融合させるにあたり、答えるべきより適切な問いは「双方の事業が同じアセット(資産)を中心に構築されているか」だと私は考えている。臨床プログラムと消費者向け製品が同一の技術、生物学的根拠、または独自のプラットフォームを共有している場合、消費者向けチャネルは単なる副業以上の存在になり得る。市場への参入チャネルや顧客関係を構築し、採算が合えば、科学研究の資金調達において企業にさらなる柔軟性をもたらすキャッシュを生み出すことができる。

この「採算が合えば」という条件は重要だ。売上高と財務的自立は同じではない。驚異的なD2C(消費者直接販売)売上を計上していても、顧客が増えるごとに赤字を出している企業もある。顧客獲得費用が高く、継続率が低く、在庫がキャッシュを圧迫し、利益率が低い場合、消費者向け事業は外部資本への依存を減らすどころか、資金を浪費する新たな場所を作り出したに過ぎない。

創業者にとって、これは消費者向け事業の指標を資本戦略の一部にすべきだということを意味する。会社が自らをバイオテックと呼んでいても、顧客獲得コスト(CAC)、回収期間、貢献利益、リテンションは重要だ。消費者向け事業がバイオテック企業に時間をもたらせるのは、そのユニットエコノミクスが機能している場合に限られる。

双方から見た有用な事例

プロバイオティクス企業のSeed Healthは、科学的ポジショニングと消費者向けのスケール感が両立した好例の1つだ。ロイターの2024年の報道によると、Seed Healthは黒字化しており、同年には前年の1億4000万ドル(約221億円)から増加して約2億ドル(約316億円)の売上高を見込んでいた。興味深いのは、同社が単にプロバイオティクスを販売しているだけではないという点だ。同社は大規模な科学プログラムや臨床研究がなされた製品とともに存在している。

Pendulumは同じ考え方の異なるバージョンを提供しているが、こちらは臨床的エビデンスに裏付けられている。臨床研究が行われた同社の主力製品は複合菌株プロバイオティクス製剤であり、ランダム化プラセボ対照試験によって裏付けられ、消費者に直接販売されている。同製品は2型糖尿病の食事管理向けとして、プロバイオティクスとして初めて医療用食品(medical food)の指定を受けた。重要なのはマーケティング上の到達度ではなく、その構造だ。臨床的な重みを持つ同じアセットが、同社の販売する製品そのものなのである。

また、反対の理由から有用な事例となるのが23andMeだ。23andMeは広範な研究および創薬という野望を追求する一方で、巨大な消費者基盤と貴重な遺伝子データセットを構築した。しかし、2024会計年度の売上高は27%減少し、その後創薬開発を停止、2025年3月には連邦破産法第11条の適用を申請した。

この結果をハイブリッドモデルのせいにするのは単純化しすぎである。私の見方では、需要の弱まりやデータ侵害の余波など、他にも大きな問題があった。バイオテックの経営者が得るべき、より有用な教訓は、消費者向け事業と科学的資産を持っているだけでは、それらが自動的に経済的に相互補強するわけではないということだと私は考えている。そのつながりは、価値を生み出し続けなければならない。

資金調達にどう臨むべきか

創業者が資金調達を交渉する際にも、同じ規律が必要である。私は業界で、創業者が希薄化にほぼ全面的に意識を向ける場面をよく目にする。「このラウンド後も、自分は会社の何%を所有していられるのか」という問いだ。それは重要だが、所有と支配は同じではない。

取締役会の構成、議決権、保護条項はガバナンスに影響する。残余財産分配優先権や参加権は経済性に影響する。投資家の時間軸も重要であり、科学的な取り組みが予想以上に長期化する場合はなおさらだ。私の経験では、条件の悪い低希薄化ラウンドは、適切なパートナーとのより大規模な資金調達よりも制約が大きくなり得る。

したがって、より有用な資金調達の問いは、そのラウンドでどれだけの事業継続期間を確保できるかだけではない。「その資金を使い切った後、この会社について、今日とは違う何が真実になっているのか」という問いである。

外部資本は、変曲点を買うためのものであるべきだ。臨床データの結果、規制上のマイルストーン、製造規模の拡大、売上曲線を変える市場への参入などである。会社の評価のされ方を実質的に変える何かだ。事業継続期間そのものは、時間を買うだけである。うまく運営された消費者向け事業は、その時間の一部を社内で確保する助けになり得る。

2つの半分を1つの全体として扱う

だからこそ、ハイブリッド型のバイオテック企業は、2つの事業を無理に継ぎ合わせたものとして自社を示すべきではない。私の経験では、より強いモデルとは、科学が差別化を生み、商業チャネルがアクセスとキャッシュフローを生み、外部資本は会社が自力では十分に速く到達できないマイルストーンのために確保されるモデルである。

消費者向け事業の投資家にバイオテック投資家のように考えさせること、あるいはその逆を目標にしてはならない。そうではなく、同じ基盤となる資産が、自社がその両方を実行できるからこそ、より価値あるものになることを示すべきである。

ここで提供されている情報は、投資、税務、または財務に関する助言ではない。個別の状況に関する助言については、資格を有する専門家に相談すべきである。

(forbes.com 原文)

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