寿命を迎えた恒星が燃え尽きた「灰」から形成された可能性のある、驚くべき惑星の存在を示す証拠を、天文学者チームが発見した。英ウォーリック大学などの研究チームがNASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)の観測データを用いて成し遂げた今回の発見の中心となるのは、寿命を終えた恒星の高密度の残骸である白色矮星だ。この白色矮星の周りを、極めて珍しい第2世代の惑星が公転している可能性があると、研究チームは考えている。第2世代惑星は、主星が寿命を終える際に放出した物質から形成された惑星だ。
今回の研究結果は、主星が寿命を迎えた後に惑星がどうなるかに関する科学者の理解を一変させるかもしれない。研究結果をまとめた論文は5日付の学術誌Nature Astronomyに掲載された。
ハッブルが27年来の謎を解明
今回の画期的発見は、1999年のHSTによる観測データの再分析によってもたらされた。当時の測定データには未同定の化学的シグネチャー(特定の化学物質が存在する証拠と考えられる指標となるデータ)が約100個含まれており、20年以上にわたって未解明のままとなっていた。
ウォーリック大の博士課程学生ジェイミー・ウィリアムズが率いる研究チームは、化学的シグネチャーを集めた最新のデータベースを利用して、謎だったシグネチャーの多くが重元素ニオブに対応することを明らかにした。白色矮星の大気中でニオブが見つかったのは今回が初めてだ。ウィリアムズは「この白色矮星系でハッブルのデータが示しているのは、これまでに観測されたことのない事実だ。すなわち、元素ニオブの存在度が高いことだ」と説明している。
死んだ星から惑星が形成される仕組みとは?
白色矮星は、核融合燃料を使い尽くし、外層の物質を放出した恒星が高密度に収縮した残骸だ。惑星がこの転換期を破壊されずに切り抜ける可能性はあるものの、今回の白色矮星HS 0209+0832の周囲にあるとみられる惑星は、その後に形成された可能性があると、研究チームは考えている。
初期の太陽を取り巻く物質から形成された太陽系の地球や他の惑星とは異なり、第2世代惑星は、寿命を迎えた恒星が放出する物質から形成されると考えられている。
重要な手がかりは、異常な化学組成によってもたらされる。ニオブのような元素が天文学的に特別な意味を持つ理由は、寿命を迎えた恒星内でしか合成されないからだ。そして外層の放出に伴い、宇宙空間にまき散らされる。こうして放出された物質の一部が、おそらく伴星が助けとなり円盤状に集積した後、最終的に木星サイズの巨大ガス惑星を形成したのではないかと、研究チームは推測している。



