不正侵入事件が連日報道されているが、サイバー攻撃ではなくとも起こり得るのが情報漏洩だ。仕事用のノートパソコンを紛失した、重要な顧客データを間違って送信したなど、人為的なミスによる情報漏洩も少なくない。原因はともあれ、帝国データバンクが調査したところでは、情報漏洩を経験したことがある日本企業は、大企業から小規模企業まで含めて16.2%にのぼるという。だがこの調査で、もっと心配な問題が発覚した。
帝国データバンクが全国1328社を対象に、情報漏洩またはその可能性がある事案の発生状況を調査したところ、全体で16.2%の企業が「発生したことがある」と答えた。直近1年以内では5.5%と、さほど多くないように見えるが、まったく発生したことがないと回答した69.1%のうち、「情報漏洩を防ぐために教育と設備にお金をかけている」という建設関係の中小企業のように、サイバーセキュリティー体制を整えたうえで「なかった」と言い切れる企業がどれだけあるかは不明だ。

「わからない」と回答した14.8%は心許ないが、わからないことを自覚しているだけ、「ない」と思い込んでいるだけの企業よりはまだいいかもしれない。
サイバー攻撃によるものなら大企業が狙われやすいが、小規模企業でも情報漏洩は起きている。企業規模別で見ると、大企業の30.2%、小規模企業の10.8%で情報漏洩が発生していた。

小規模企業の場合は、おそらくうっかりミスによるものが多いと思われるが、これまで高度な技術を持つ悪者ハッカーの専売だった不正侵入が、生成AIの発達により誰にでもできるようになった今、面白半分のイタズラを含め、攻撃者は手当たり次第に攻めてくる可能性がある。そうなると防ぎようがない。
帝国データバンクは、情報漏洩を「起こさない」対策にとどまらず、「発生時に迅速に把握し『見逃さない』仕組みを備えることが、企業の信用を守るうえで一層重要となろう」と話している。対策に困っている小規模企業は専門家に相談するのがいちばんだが、まずは保護すべきデータを特定して、保管場所を決めて管理するところから始めてはどうだろう。
出典:帝国データバンク 情報漏洩、企業の16.2%で発生 背景に人為ミスやサイバー攻撃 「大企業」は3割が経験 「分からない」も約15%、発生有無の把握に課題



