人工知能(AI)関連株の売りがコアウィーブに集中していた頃は、同社だけの問題として片付けることもできた。AI向けデータセンターを運営するコアウィーブは、1000億ドル(約15兆8000億円)超の受注残を抱える。しかし、負債も巨額で、利払い負担は増え、無担保社債の利回りは16%を超える。投資家はコアウィーブ固有の財務問題だと考え、他の銘柄まで心配せずに済んだ。
ところが、売りは財務内容の異なる企業にも広がった。米国時間2026年10月16日の株式市場では、米半導体大手マイクロンテクノロジーが5.6%安、AMDが6%安、インテルが5.8%安、ブロードコムが3.6%安となった。デルは10月12~16日の週に約23%下落した。ソフトウェア企業のクラウドストライク、パロアルトネットワークス、スノーフレーク(Snowflake)も約17~18%下げた。同じ週のナスダック総合指数は4.5%安で取引を終え、フィラデルフィア半導体株指数は2008年以来最長の連続下落を記録した。
売られた企業のすべてが経営不振というわけではない。高い利益を上げ、負債を管理できる水準に抑え、AIに必要な半導体やソフトウェアの供給で重要な役割を果たす企業もある。投機色の強い銘柄が崩れた際には、投資家が資金を移して身を守る先になると考えられていた。財務が比較的健全な企業でさえ、他の銘柄と同じように売られている。
ウォール街から聞こえるのは、おなじみの説明だ。AI需要は依然として非常に強く、長期的な事業機会も変わっていない。上昇相場に乗り遅れた投資家にとって、株安は買いの好機だという。いずれ正しいと判明する可能性はあるが、好決算が株価を支えられなくなった理由までは説明できない。
私が見るところ、市場の関心は「AIが成功するのか」から先へ進んだ。成功するまでにどれほどの資金が必要で、誰が負担し、すべての支払いを終えた後に株主の手元へ何が残るのか。それこそが投資家の問いになり始めている。
売上高が急増しても赤字、コアウィーブの巨額利払い負担
私は2026年10月14日の寄稿で、コアウィーブの社債がAI関連株全体に及ぶ問題を警告していると指摘した。同社の2026年第2四半期の売上高は前年同期比112%増の25億8000万ドル(約4076億円)に達したが、純支払利息は6億4000万ドル(約1011億円)に上った。顧客が同社の提供できるサービスをほぼすべて購入していても、6億2600万ドル(約989億円)の赤字だった。
コアウィーブの業績が示すのは、需要の大きさと株主が得る利益は別だという事実である。契約を獲得すれば売上高は増えるが、企業は顧客にサービスを提供する前にプロセッサーを購入し、電力を確保し、データセンターを建設しなければならない。顧客の要求に応えるには先に資金を使い、貸し手への支払いには現金が必要になる。株主に回るのは、すべてを支払った後の残りだけだ。
コアウィーブは借り入れへの依存度が高く、資金調達のリスクが表面化しやすかった。同社の無担保社債の価格は、株式市場が大部分を無視していたリスクを日々映し出していた。



