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2026.10.20 08:26

取締役会の多様性、10年ぶり後退 原因は「人材不足」ではない

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米国企業の取締役会に占める女性比率が、10年以上ぶりに低下した。2026年第2四半期時点で、ラッセル3000構成企業の取締役ポストに占める女性比率は29.2%となり、1年前の30.1%から下落した。これは、Equilarのデータを用いベントレー大学を研究パートナーとする50/50 Women on Boardsによる2026年版ジェンダー・ダイバーシティ・インデックスによるものだ。

1ポイント未満の下落は、軽視されやすい。しかし本当に重要なのはレポート自身が示した診断の中身である。今年は取締役ポストの空席が増えたのに、そのうち女性に回ったのはむしろ減少した。新任は4.1%増の2440人となったが、女性が占めたのは553人、割合にして22.7%で、2025年の29.1%から低下し、2022年の40%のほぼ半分である。機会は広がったが、結果は縮んだ。

問題はパイプラインではなく、選考プロセスだ

長年、進展が遅い理由として語られてきた定番の説明は「パイプライン」だった。つまり、適切な経験を持つ女性が足りない、というものだ。だが今年のデータはそれを否定する。空席が生まれても他の人物が選ばれるなら、制約は供給側にはない。制約は選考側、つまり候補リストを作るのは誰か、どの人脈が使われるのか、そして決定権を持つ人々にとってどの履歴書が「取締役にふさわしい」と映るのか、という点にある。

低下は広範に及んだ。11セクターのうち9セクターで、またラッセル3000企業を20社以上抱える25州のうち17州で、女性比率が下がった。女性取締役が3人以上いる企業の割合は44.0%から40.2%に低下し、女性取締役が1人または0人の企業はいずれも増加した。有色人種の女性の割合は7.4%から7.1%に減った。

女性取締役が3人以上いる企業の割合は44.0%から40.2%に低下し、女性取締役が1人または0人の企業はいずれも増加した。

機会が拡大しているのに結果が縮小しているとき、ボトルネックはプロセスそのものにある。

プロセスを動かす人が結果を形づくる

このレポートで最も有用な発見は、意思決定の席に誰が座っているかに関するものだ。CEO、取締役会議長、指名・ガバナンス委員会委員長の3つの役職のうち少なくとも1つを女性が占める企業では、女性の取締役比率は34.4%だった。いずれも女性が占めていない企業では25.8%にとどまる。3つすべてを女性が占める企業では45.7%にまで上昇する。

これらの役職のいずれかを女性が担っている企業では22.6%がジェンダーバランスの取れた取締役会を持つのに対し、1人もいない企業では7.8%にとどまる。

バランスの差はさらに顕著だ。これらの役職のいずれかを女性が担っている企業では、ジェンダーバランスの取れた取締役会が22.6%で確認されるのに対し、該当者がいない企業ではわずか7.8%である。

これは相関であり、因果の証明ではない。だがこのパターンは、取締役候補の人選に携わったことのある人なら誰もが知る実感と一致する。プロセスを運営する人が、誰を検討対象にするかを形づくる。そして指名委員会委員長が、どの電話が折り返されるかを決める。

制度が脆弱なところでは、良い結果が勢いだけで続くと仮定することはできない。採用基準も、臨床プロトコルも、ガバナンス慣行も、意思決定の仕方に明文化して組み込まなければ、プレッシャーがかかった瞬間に崩れていく。

米国の取締役会は今、同じ教訓を学びつつある。10年にわたる着実な前進によって、トレンドは自ずと続くという前提ができていた。だが現実はそうではなかった。

これは「あればよいもの」ではない

こうした低下を公平性の後退として読み、残念に思いつつ忘れ去るのは容易だ。だがそれでは本質を見誤る。取締役会の仕事は判断である。リスクを評価し、市場を読み、過ちが高くつく前に経営陣に異議を唱えることだ。同じ人脈から選ばれた取締役会は、同じ盲点を共有しがちである。そして共有された盲点は、価値観の問題ではなくガバナンス上のリスクである。

集団意思決定に関する研究も同じ方向を示している。均質な集団は合意形成が早く、より自信を持つ。多様な集団は前提をより厳しく検証し、事実認識の誤りが少ない。心地よさと厳密さは別物である。ある実験では、多様な市場での資産価格は均質な市場より58%も真の価値に近かった。

これは取締役会が自社の顧客を理解しているかという問題でもある。家庭内の医療に関する意思決定の大半は女性が行っており、Praava Healthでは100万人を超える患者の過半数が女性だ。顧客の視点から事業を見ることができない取締役会は、十分に理解していない企業を統治していることになる。これは心地よさの問題ではなく、受託者責任上の懸念である。

取締役会が今すべきこと

選考プロセスが圧力点であるなら、取締役会はそこに手を打つべきだ。

  1. 指名委員長を戦略的なポストとして扱うこと。データは、この委員会のリーダーシップと最終的に取締役会に加わる人物の間に関係があることを示している。輪番制であってはならない。
  2. 候補リスト作成の段階で修正すること。面接開始前に有資格の女性を必ず候補リストに含めることを義務づけ、サーチファームにどのように候補を集めたかを確認する。
  3. 対象となる人脈の幅を広げること。取締役ポストの多くはいまだに個人的な紹介を通じて決まる。紹介する側が似た顔ぶれなら、候補者も似通ってくる。
  4. 空席が埋まるたびに検証すること。誰が検討され、誰が最終候補に残り、その理由は何だったのか。取締役会は、重視する対象を測定するものだ。

前進はつくり続けるしかない

0.9ポイントの下落は、長く見出しを飾ることはないだろう。それでも、仕事は終わったと思い込んでいたすべての人にとって、警鐘であるべきだ。すべての取締役の空席は、企業の運営に誰の声が届くかを決める決断である。そして今年、そうした決断は増えたが、女性に回ったものは減った。

進歩はひとりでに維持されるものではない。誰かがそれをプロセスに組み込み、組み込み続けることで初めて維持される。

(forbes.com 原文)

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