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2026.10.20 08:21

AIにできないこと──ブランドの信頼を支える「クオリティ」の正体

Adobe Stock

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前回の記事で、私はAIが有用なツールになり得る一方で、企業がブランドボイスを人の手で管理せずに活用すると、信頼を損なってしまうと述べた。

その理由は驚くほどシンプルだ。現状のAIは、顧客を惹きつけ、繰り返し選ばれるために必要な「クオリティと真正性(オーセンティシティ)のバランス」を提供できていないからである。

何度も戻りたくなるクオリティとは

クオリティは一次元ではない。産業革命は、手頃な価格で高品質な商品の爆発的増加をもたらした。それでも私たちは、職人の手による一点物を購入し、「格別のクオリティがある」と評価する。クオリティという連続体には2つの軸があるからだ。一つは一貫性、もう一つは実行の水準である。

スターバックスのコーヒーは最高の味ではないが、その一貫性は他に類を見ない。ギター職人は量産面でFenderに敵わないが、一本一本の仕上がりは別次元だ。

生成AIは、機械が生み出すクオリティと人間の創造性が交わる地点へと私たちを導いている。AIを使ってコンテンツを作成すれば、ほとんどの場合、概ね正しい言葉を一貫して生み出すことができる。何しろAIは確率のエンジンなのだ。しかし、人間は長期的には、そうした種類のアートや「コンテンツ」を本当には求めていないことが明らかになっている。

私たちは一貫性を切望する。ただし、それが間違った種類の一貫性になるまでの話だ。そして私たちは、手に入るならば、ほぼ常に卓越した実行を求めている。

ブランド戦略はチェスや囲碁ではない

マーケティングやブランド戦略が人間の知性に根ざしているとき、そこには異なるクオリティが生まれる。それは誰もが肌で感じ取れるものだ。機械が戦略ゲームで卓越していても、ブランド戦略やその実行に求められる多次元の要件に応えられるとは限らない。

この点は、どれほど強調してもしきれない。優れたブランドは、独自性のある実行を一貫した形で届ける。

矛盾のように聞こえるかもしれないが、本当の秘訣は、違うために違うことをするのではなく、他の誰もがやっていることから意図的に逸脱することだ。そうすることで差別化され、リピーターを獲得できる。

いまや誰もがAIを使い、SNS投稿、ブログ記事、ウェブサイトのコピー、ニュースレター、顧客対応メールを、人間を上回る一貫性で書けるようになったことで、AIの優位性は鈍っている。すべてのブランドは、AIが生成した成果物を「このコンテンツは当社の信頼と信用に何をもたらすのか」という視点から見るべきだ。

ツールとスキルは別物

マーケターにとってのリサーチは、船乗りやアウトドア愛好家にとって天候を学ぶことに似ている。最悪の事態に備え、何が最も起こりそうかの感覚を得ることはできるが、天候を学んだからといって、実際に天候に見舞われたときに人生を切り抜けるスキルや知識が身につくわけではない。

単純に捉えればAIはツールだ。そして我々の社会は、ツールによる仕事と、そのツールを新しい形で応用する絶え間ない研究、すなわちテクノロジーの上に成り立っている。しかし、本質は細部にある。だから私はCSTMRのチームに、AIを活用して効率化し、通常なら手に負えない規模のプロジェクトに挑戦することを推奨している。

私たちは高い水準で実行するために人間の知性を使い、自分たちの基準を一貫して満たすために人工知能を使う。この組み合わせにより、あらゆる局面でクライアントを支え、信頼を広げることができる。

ツールを使え。ツールに使われてはならない

『Atlantic』誌のローズ・ホロウィッチは、読むことと書くことのスキルが、職業的・社会的成功の前提条件ではなくなる「ポスト・リテラシーの時代」に私たちが移行しつつあると指摘している。残念ながら、この流れははるかに深い問題を覆い隠している。そもそも読み書きを可能にしている知的な厳密さがあるからこそ、書くことは難しいのだ。

著名な投資家でY Combinator共同創業者のポール・グレアムは、こう的確に述べている。「あることについて書くと、それが自分のよく知っていることであっても、たいていは思っていたほどには理解していなかったことに気づかされる。考えを言葉にすることは、厳しい試練である」

その厳しい試練こそ、今日の企業が、自らのブランドに注ぎ込もうとしている信頼を守るために必要なものだ。

トレーニングなくして体力はつかない

AIが認知的負荷を軽くしてくれる誘惑に、私が気づいていないわけではない。AIに文章を書かせることは、中身を伴わないまま、よく考えているように見せる。その断絶はすぐには表面化しないが、いったん表れれば、評判やブランドへのダメージを元に戻すのは難しい。

「ポスト・リテラシー」の時代だからといって、高いクオリティ基準を掲げ、一貫して届けることをやめてはならない。あなた自身が時間をかけて書かないのなら、どうして読者や顧客が時間をかけてそれを読むと期待できるだろうか。

凡庸なコンテンツに費やすには、人生は短すぎる。AIの台頭は、基準を下げる理由ではない。むしろ、基準を引き上げる絶好の機会である。

(forbes.com 原文)

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