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2026.10.20 07:00

「米国のAI」も「中国のAI」も存在しない

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「米国の」人工知能(AI)などというものは存在しない。「中国の」AIなるものについても同じことが言える。

実際には、米国と中国の間では優秀な技術人材が驚くほど入り混じっており、彼らの多くはAIの飛躍的な進歩を実現することに精力を注いでいる。大事なのは、現状を米中が通商戦争を繰り広げているというふうな対立構図で捉えないことだ。むしろ、中国人は米国拠点のAI開発を高く評価し、そこで働いてもいれば、米国人もまた中国発の技術構想を高く評価し、投資を通じてその発展を後押ししてきた。この事実にこそ注目すべきなのだ。

この主張を裏づける事例はたくさんあるが、中国の新興AI企業の一社である月之暗面(ムーンショットAI)を見てもいい。ワシントン・ポスト紙も最近報じているように、創業者の楊植麟(ヤン・ジーリン)は米国のカーネギーメロン大学で博士号を取得している。同社のAIモデルの「Kimi」という名前は彼の英語でのニックネームにちなむとされ、北京にある本社の会議室には米国のメタリカなど欧米の有名なロックバンドの名前が付けられている。これはほんの一例にすぎない。

AI投資に目を向けると、そこには「米国色」がはっきり認められる。中国のウェブサイト運営企業などを外国の投資家が所有することは禁止されているが、中国企業がケイマン諸島のような地域に持ち株会社を置き、その株式をオフショア市場で上場することは禁止されていない。2022年の著書『The Power Law(ザ・パワー・ロー)』の中で、著者のセバスチャン・マラビーは「中国のテクノロジーブームは相当な程度、米国の投資家によって形づくられたものだった」と書いている。まさにそのとおりだ。

だから、「中国の」テクノロジー企業は脅威をもたらすだとか、そうした企業の所有者は最終的には中国共産党に忠誠を誓うのではないかなどと、米国の政治家や論客が懸念を示すのを見ると、いつも首をかしげたくなる。こうした中国企業の所有者(株主)には、実のところ米国の投資家が含まれることが少なくない。たとえ、米国から直接資金が注がれているわけではないにしてもだ。言い換えれば、米国の資金はオフショア市場などを経由して、中国発の技術構想に流れ込んでいることが多いのだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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