アップルの時価総額は、米国時間2026年10月14日の終値で5兆ドル(約790兆円)を超えた。2025年に同水準へ達したエヌビディアに続く記録である。アップルは2026年度第4四半期決算を米国時間2026年11月2日(日本時間11月3日)に発表する予定だ。エヌビディアは、米国時間2026年11月17日に2027年度第3四半期の決算説明会を予定している。
売上高成長率16%のアップルと106%のエヌビディア
アップルの株価評価を正当化するのは難しい。対照的に、さらに高く評価されるエヌビディアの企業価値には合理性がある。アップルは2026年度第3四半期決算で売上高が16%増え、純利益率は27.6%だった。エヌビディアは2026年8月26日に発表した2027年度第2四半期決算で、売上高が106%増え、純利益率は56%だったと報告している。
過去5年間の株価上昇率、アップルは130%
投資先としてみると、アップル株は2026年10月16日までの5年間で130%上昇した。同じ5年間のS&P500指数の上昇率は69%で、アップル株の運用成績が上回る。ただし、同じ期間に741%上昇したエヌビディア株には大きく及ばない。
iPhone以降の革新停滞と、CUDAへの巨額投資
アップルの問題は、2007年のiPhone以降、匹敵する大きな技術革新を生み出していないことだ。前CEOのティム・クックは、利用者が他社製スマートフォンに乗り換える負担を非常に大きくすることに成功した。iPhoneのリチウムイオン電池は、数年使うと瞬間的に必要な最大電流を供給しにくくなる。それでもアップル製品から離れにくい利用者には、新しいiPhoneを買う以外にほとんど選択肢がなかった。
エヌビディアCEOのジェンスン・フアンは、アップルと対照的に巨額投資のリスクを取った。特に、開発者がGPUで計算処理するためのソフトウェア基盤CUDAに数十億ドル(数千億円規模)を投じた。CUDAへの投資により、エヌビディアのGPUは開発者に最も広く選ばれる製品となった。フアンは、急成長する生成AI市場の主要企業とも提携し、高い利益率を伴う売上高の3桁成長を維持してきた。
アップルの時価総額5兆ドル(約790兆円)は、金融市場で高い評価を獲得するアップルの強さも示している。過去9カ月には大規模な自社株買いを進め、巨額の現金を生み出した。S&P500指数へ流入する資金も株価を大きく押し上げた。さらに、アップルはAI関連株の価格変動の影響を比較的受けにくい企業とみられている。
新CEOのジョン・ターナスは、アップルの成長を加速させ、時価総額5兆ドル(約790兆円)に見合う成果を上げなければならない。ターナスが達成できるかは、まだ分からない。



