アップル初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」が10月23日に発売される。価格は36万4800円から。発売前の実機を試用した印象は、サムスンのGalaxyやグーグルのPixelなど先行するライバルと肩を並べて競い合える、高い完成度を備えた「フォルダブルなiPhone」だというものだ。
筆者は9月にアップル本社で開催された新製品発表会でも、短時間ながらiPhone Duoに触れる機会を得た。そのときの手応えを確かめるように、今回は普段の生活環境でじっくりと試してみたが、第一印象から大きくは変わらなかった。
使い慣れたiPhoneの延長線上でフォルダブル端末を選べることには大きな価値がある。一方で、本体の重さや、大画面を開いて使う必然性など、このカテゴリーに共通する課題が解消されたわけではないとも感じた。本稿では操作感を中心に、iPhone Duoの魅力と気になる点を整理する。
使い慣れた安心感と、折りたたむことで広がる楽しさ
好印象だったのが指紋認証のTouch IDだ。久しぶりにiPhoneで使うと、その良さを再認識した。筆者は普段MacBook ProでもTouch IDを使っており、指を触れて認証する操作が同じ感覚なので馴染みやすい。最新の形状を持つiPhoneでありながら、使い慣れた操作感で安心感を得られる点は興味深い。これはFace IDに対する認証方式の優劣というよりも、日常的に使うツール同士の相性の問題として捉えるべきだろう。
iPhone Duoは5.4インチの外側アウターディスプレイと、7.6インチの内側インナーディスプレイのアスペクト比を揃えている。表示中のコンテンツが新しい画面へと自然に引き継がれる。特に印象的なのは、コンテンツが途切れることなく、画面の広がりに合わせて滑らかに展開していくように見える視覚効果だ。
折りたたみスマートフォンでアプリの表示状態を引き継ぐ仕組み自体は、グーグルのPixel Foldシリーズなどにも採用されている。iPhone Duoでは画面遷移のアニメーションや、表示領域に合わせたレイアウト調整が、より丁寧に作り込まれていると感じた。ハードウェアとソフトウェアを一体で設計する、アップルらしいこだわりが伝わってくる。
iOS純正アプリは、例えば「メール」のような情報量の多いアプリでは、表示領域に応じてレイアウトを変更する仕組みも採り入れている。左右に分かれた表示の比率を、ユーザーがある程度変更できることも確認した。
ただし、これはアプリ内の表示であり、2つのアプリを並べるマルチタスクの自由度とは分けて考える必要がある。



