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2026.10.19 10:14

AI導入は当然の選択だ。だが「会社全体の再設計」は容易ではない

Adobe Stock

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自社にAIを導入してきたここ数年の経験から学んだのは、テクノロジーを購入することは、はるかに大きなプロセスにおけるほんの小さな第一歩にすぎないということだった。当初、私はこの点を大きく見誤っていた。

私たちはいくつかのアプローチを試みた。うまくいったものもあれば、そうでないものもあった。そしてチームの規模は、私が予想していたよりもはるかに重要な要素だった。明確な計画のないまま始まり、初期のツールを試し、法人向けサブスクリプションを購入し、やがて全社員に対して「AIが今後ワークフローの一部となる」と伝えた。一方で、社員はようやくツールを手にしたものの、時間が経っても会社そのものはあまり変わっていなかった。

この経験から、私はAIの個人利用と、真の意味での全社的導入を区別せざるを得なくなった。AI導入を単なるソフトウェアの展開として扱うのをやめ、チーム構成や引き継ぎ、責任分担、そしてそれらを取り巻く働き方の習慣そのものを変えていく必要があった。

もし私が、今このプロセスを始めようとしているテック企業の創業者に助言するなら、まず共有したい教訓は次の通りである。

1. 一度に全社へ導入しない

振り返って真っ先に挙げられる失敗は、導入を早すぎる段階ですべての部署で進めようとしたことだ。私は物事を急ぎすぎて、先走ってしまった。問題は、全員が一度にAIへのアクセスを得ると、実際に何が機能していて何が機能していないのかが見えにくくなることだ。チームごとに使うツールが異なり、社員の関心度合いもばらばらなので、生産性の向上を新しいツールへの熱狂と切り分けて測るのが難しくなる。

導入プロセスを1つのチームに絞ると、進捗はより具体的に見えるようになった。突然、成果物、所要時間、品質、コストを比較できるようになり、誰がAIに本当に関心を持っているのか、誰が単に会社の指示に従っているだけなのかも見えるようになった。

この経験を通じて、AI展開を主導するのに最も適しているのは、このテクノロジーを試す意欲のある人たちだと分かった。創業者は方向性を示し、事業目標を定める。一方で、ツールに最も近い人たちが、ワークフロー全体に対して相当な影響力を持ち続けるべきである。

計画期間も、できる限り短くすべきだ。AIは急速に進化するテクノロジーであり、3年のロードマップは、その3年が終わるずっと前に時代遅れになり得る。だからこそ、私たちにとっては四半期単位の方が有用である。次の数カ月の目標、指標、予算を定め、主要モデルのリリースに実質的な変化があった時点で、チームに何が可能かを再評価する。計画は重要だが、今日の実装に過度に縛られることは重要ではない。

2. 役割が変わっていないなら、ソフトウェアを買っただけだ

社員により優れたツールを与えても、その社員を取り巻く会社のあり方が自動的に変わるわけではない。この気づきが、最終的に私たちの開発への取り組み方を形づくった。

以前の私たちは、エンジニア、テスター、アナリスト、フロントエンド担当、モバイル担当など、比較的限定された役割と引き継ぎを前提に仕事を組織化していた。AIツールの能力が高まるにつれ、こうした境界の一部は意味を失い始めた。1人の社員がプロセスのより広い部分を担えるようになった。ただし、その人物がAIをどう扱うかを理解し、最終成果に対する責任を保つことが条件だ。

そこで私たちは役割そのものを変え始めた。開発においては、AIエンジニアという概念がより広がり、以前の職務よりもフルスタックの役割にずっと近いものになった。これにより引き継ぎが減り、オーナーシップが明確になった。2026年8月時点で、我々の開発速度は2025年末時点と比べておよそ5倍に達した。

この5倍という数字が示したものは何か。私にとってそれは、AI導入が社内から事業を変えつつあるかを測る強い指標だった。もし本格的な導入から1年経っても、職務記述書や承認手順、報告ラインがまったく同じままなら、AIは既存プロセスに単に上乗せされているだけで、社内プロセスに真に組み込まれてはいない可能性が高い。

3. AIは有用になるほどコストがかさむ

ここで、最も興味深い論点の1つに触れたい。導入のコストについてだ。

利用が広がるにつれ、我々のAI支出はおよそ15倍に膨らんだ。ユーザーが増え、ワークフローは深まり、当然のように社員は市場で最も性能の高いモデルを好むようになった。もちろん高性能なモデルほど費用がかかる。そして一度、社員が高品質なモデルに依存するようになると、その品質水準を維持すること自体が目に見える支出項目になる。

だからこそ、モデルルーティングが重要になる。企業は、どのリクエストをどのモデルに送るかを判断するルールを必要としている。一方で、AIリソースをまったく消費すべきでないリクエストもある。請求額がそのルールを突きつけてくる前に、自社でルールを定義すべきだ。導入が成功するほど利用は増え続けるため、予算は消費量を前提に計画する必要がある。

AIは社員の認知負荷も高めうる。手作業は減るかもしれないが、タスクを定義し、それを細分化し、より多くのアウトプットをレビューし、より速いペースで多くの判断を下さねばならなくなる。生産性が上がる一方で、優秀な社員に求められる思考量もまた増えていくのだ。

本当の課題は、絶えず再設計し続けることだ

総じて、何年もかけてテストを重ねた末に私が至った結論は、会社レベルでのAI導入には、全社の働き方そのものを継続的に再設計し続けることが求められるというものだ。

モデルは変わり、価格は変わり、今日は妥当に見える役割も1年後には不必要に狭く見えるかもしれない。結局のところ、本当の優位性とは、周囲で技術が変化するのに合わせて、プロセス、責任、支出を変え続けられる会社を築くことにある。

(forbes.com 原文)

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