働き方

2026.10.19 10:02

オフィスは「通勤する価値」を提供すべきだ

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2014年にシリコンバレーに移って以来、交通渋滞は悪化の一途をたどり、ベイエリアの通勤時間はますます長くなるのを目の当たりにしてきた。日々の通勤の負担は、私がオフィスにいることで個人的に得られるものだけでなく、従業員にオフィスに来てもらうために何を犠牲にさせているのかについても、より真剣に考えるきっかけとなった。すべてのリーダーが問うべきだと思う。オフィスは、通勤時間を要求する以上に、従業員の1日に何をもたらしているのか、と。

オフィスが提供すべき3つの要素

テック業界で過ごしてきた長年を通じ、オフィスが価値を持つのは、従業員の以下の3つを向上させる場合に限ると考えるようになった。すなわち、より円滑に協働し、より効果的にアイデアを発展させ、組織文化とのつながりをより強く感じられることだ。私たちのチームがシリコンバレーの新本社を計画する際も、繰り返しこれらの考えに立ち返った。私たちにとって重要だったのは、より印象的なオフィスを建てることではなく、ドアをくぐる全員にとって意義ある体験を創り出すことだった。もちろん、現実主義者として、毎日すべての人にとって同じ体験になるわけではないことは理解している。トレードオフは当然この道のりの一部だが、明確な原則があれば、より良い設計上の判断ができる。

1. コラボレーション

まずはコラボレーションから始めよう。人々が対面で集まることを重視する最も明確な理由の1つは、ある種の仕事はチームが集まり、問題を解決し、リアルタイムで意思決定する方が単純にやりやすいからだ。しかしそれは、空間が実際にそれを支えている場合にのみ起きる。

あまりにも多くのオフィスが、「ずらりと並んだデスク」と「不十分な会議室」を配置し、あとは従業員が各自でやりくりするだろうという、仕事に対する単純な発想のもとに作られてきた。これが摩擦を生む。

より思慮深い設計は、計画された会議だけでなく、仕事の滞りを解消し、アイデアを生み、関係を深める素早いやり取りのための空間も備え、コラボレーションを自然に感じさせる。実務的には、公式な会議だけでなく非公式な打ち合わせも想定した設計を意味するかもしれない。オフィスは、人々が移動中に会話できる空間と、その途中で立ち止まり、腰を下ろしてアイデアを一緒に練り続けられる場所を用意することで、これを支援できる。

わざわざ出社しているのであれば、適切なメンバーを集めて仕事を進めるのに要する労力が減ることは、その恩恵の1つであるべきだ。

2. イノベーション

2つ目はイノベーションであり、ここで職場に関する議論は過度に単純化されがちだと思う。イノベーションは、特定の種類の空間や予測可能な1つの方法でのみ起きるものではない。人の考え方はそれぞれ異なり、同じ人でも1日のうちで必要な条件は変わりうる。

集中して没頭すべき瞬間もあれば、ホワイトボードを使った議論や素早いやり取りを必要とする瞬間もある。静かな環境で最良の思考ができる人もいれば、周囲に活気のあるざわめきを好む人もいる。内向型と外向型は同じ空間でも異なる体験をするかもしれず、優れた職場設計はそれを反映すべきだ。

私にとってそれは、イノベーションや問題解決がどうあるべきかという単一のイメージではなく、幅広い作業環境を提供することを意味する。実務的には、人々がどこでどのように考え、課題への解決策を練るかにより多くの選択肢を与えるというシンプルなことでもある。集中のための静かな空間、頻繁に行われるチーム議論に適した小さめの部屋、あるいは課題に応じて会話を屋外に持ち出す選択肢などだ。目指すのは、理想の環境を1つだけ定めることではなく、目の前の仕事と自分に合った働き方に適した選択肢を従業員に与えることだ。

それはまた、トップダウンで空間を設計するのではなく、従業員に実際に何が必要かを尋ねることも意味する。職場がそれを正しく捉えたとき、リーダーが想像する仕事の進め方ではなく、実際の仕事の進め方を反映したものとなる。

3. カルチャー

そして3つ目の要素、カルチャーだ。人は単に業務をこなすためだけにオフィスに来るのではない。チームの一員だと感じ、人間関係を築き、組織文化をより直接的に体験するためにも来るのだ。カルチャーはあらゆる場所から生まれるが、私は、人々が共に過ごすときに加速すると信じている。

カルチャーは建物の中だけに閉じ込められるものでもない。リモートで働く従業員も同様にその一部だ。しかし物理的な空間は、非公式な交流を容易にすることでカルチャーを息づかせる助けとなる。同僚の席を通り過ぎる際の会話、廊下での偶然の出会いが有益なやり取りに発展すること、あるいは単に対面で時間を共有することそのものが、画面越しでは完全には再現しにくい形で結びつきを深めてくれる。

目指すべきはカルチャーを人工的に作り出すことではなく、つながりがより容易に、より頻繁に生まれる条件を整えることだ。そして、人々が共に集うときに生まれるエネルギーから、全員が恩恵を受ける。

最後に

私はこれまで、職場の設計がコラボレーション、イノベーション、カルチャーに大きな違いをもたらすのを見てきた。そしてそれらが向上すると、生産性もついてくることが多い。だから、どうすればより多くの人をオフィスに来させるかに注力するよりも、人々がそこに来たときに職場が何を可能にするかに焦点を当てたい。

良いオフィスとは、人々が出社したときよりも、同僚や組織とのつながりをより強く感じて帰れるようにするものであるべきだ。それこそが、通勤する価値を生み出すのだ。

(forbes.com 原文)

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