つい感情的な言葉を口にして、後悔する。必要なことを伝えられず、あとになって自分を責める。すぐにやった方がいいと思いながら、いつも先送りしてしまう。そんな経験はないだろうか。
私たちは日々、無意識のうちに同じような思考や行動を繰り返している。その背景には、これまでの経験によって形成された「思考のクセ」があるという。
では、どうしたらそれに気づき、いつもとは違う反応を選び直すことができるのだろうか。『仕事人生を後悔しない メンタルづくりの教科書』(NewsPicksパブリッシング)の著者でマインドフルネスリーダーシップの専門家、荻野淳也に聞いた。
たった3呼吸で、反応を選び直す
荻野が著書で紹介している簡単な方法のひとつが、3呼吸のマインドフルネスだ。
何かにイライラしたとき、不安に襲われたとき、あるいは自責に陥りそうになったとき。すぐに反応せず、まず3回だけ呼吸する。
1呼吸目は、ただ吸って、吐く。呼吸そのものの感覚に注意を向ける。2呼吸目は、身体全体を感じる。特に息を吐きながら、身体から力が抜けていく感覚を観察する。そして3呼吸目で、自分に問いかける。今、本当に大切なことは何だろう。
部下のミスに腹を立てているのなら、怒りをぶつけることではなく、その人の成長を支えることかもしれない。子どもを叱りそうになったのなら、言うことを聞かせることより、その子の個性を伸ばすことかもしれない。
もちろん、3回呼吸すればすべてが解決するということではない。大切なのは、衝動と行動の間に、わずかな「余白」をつくることだ。その余白によって、いつもの反応とは違う反応を選択できる可能性が生まれる。
もう一つ、取り入れやすいのがジャーナリングだ。荻野が紹介するブレインダンピングは、頭の中にある不安や怒り、思考を一度すべて書き出してみる方法だ。1〜2分でも構わない。言葉として外に出すことで、自分と感情との間に距離ができる。書かれた言葉を眺めれば、「また同じことを心配している」「この状況になると、いつも自分を責めている」と、自分のパターンを発見できるかもしれない。



