マーケティング

2026.10.17 08:13

AI検索戦略を「別枠」にしてはいけない理由

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今年の多くのマーケティング計画のどこかに、新しい予算項目(ラインアイテム)が追加されている。それは「生成エンジン最適化(GEO)」、「回答エンジン最適化(AEO)」、あるいは「AI可視性(AIビジビリティ)」などと呼ばれているかもしれない。そして通常、その横には誰も明確に根拠を説明できない数字が添えられている。

筆者のチームは、それが本当に費用や労力に見合う価値を持つのかを確かめるべく、計測を行った。結論から言えば、AI可視性は確かに重要だ。しかし、それは検索戦略と並列で進めるものではなく、検索戦略の中に含めるべきものなのである。

問題はCV率ではなく「流入量」

筆者のチームは、2025年9月から2026年8月にかけて95のウェブサイトを追跡し、完全なAIリファラートラフィックのベンチマークデータセットを公開した。その結果、自然検索(オーガニック検索)はAIアシスタントの39倍のトラフィックをもたらしていた。両チャネルからサイトが獲得した全訪問数のうち、実に97.5%が自然検索によるものだった。

コンバージョン(CV:ユーザーがウェブサイト上で何らかのアクションを起こすこと)に関しても同じことが言える。自然検索が100件のCVをもたらすのに対し、AIリファラルがもたらすCVはわずか3.2件だった。

したがって、1年間で非常に優秀な成果とされる「AIリファラートラフィックの倍増」を達成したとしても、その価値は自然検索を5%改善することにも及ばない。実のところ、自然検索を3.2%成長させるだけで、AIリファラルを倍増させた場合と同等のCV数を獲得できるのだ。

過熱する期待に流され、SEOを犠牲にしてAI可視性だけに注力したくなるのは理解できる。だが現実には、財務責任者が重視する数字を動かせるだけのボリュームを持つチャネルは一つだけである。

流布されている「AIのCV倍率」は高すぎる

AIトラフィックは検索トラフィックよりもCV率が何倍も高いという主張の数値を目にしたことがあるだろう。Microsoft Clarityは3倍、Semrushは4.4倍、Ahrefsは23倍と報告している。

しかし、筆者らの調査で得られた数値は「1.18倍」だった。

Ahrefsは、検索マーケターというハイテク感度の高い層を対象とする自社ウェブサイトを測定していた。マイクロソフトの調査はパブリッシャーやニュースサイトを対象としていた。一方で筆者が測定したのは、ごく一般的な商業ビジネスである。

CVを測定できたサイトの37%において、AIトラフィックのCV率は自然検索より優れるどころか悪化していた。特にB2Bプロダクト企業では一貫して悪く、自然検索の0.62倍という結果だった。

つまり、AIトラフィックは「時に少しだけ質が良いことがあり、量自体は非常に少ない」のが実態なのだ。

無視していいわけではない

2026年5月、AIからのリファラルは自然検索セッションの2.29%から3.04%へと急増した。これは、ChatGPTが回答内でブランド名をクリック可能なリンクにし始めた時期と一致する。これはプラットフォーム側の判断によるものであり、大規模言語モデル(LLM)がその気になれば、ウェブサイトへより多くのトラフィックを「送り込む」決定を下し得ることを示唆している。

さらに、これらの数字にはGoogleの「AI Overviews」が完全に除外されている。なぜなら、それらのクリックは自然検索トラフィックとして扱われ、分離できないからだ。人々がビジネスを見つける方法に対してAIが与える影響の実像は、数値以上に大きい。ただ現時点では、計測可能であったり予算を割り当てられたりするトラフィックの形をとっていないに過ぎない。

SEOとGEOの相乗効果に着目すべき

筆者の研究から得られた極めて重要な観察結果がある。より多くのAIトラフィックを獲得していたサイトは、例外なく自然検索のトラフィックもすでに上昇していたサイトであった。自然検索が成長したサイトではAIトラフィックも増加し、自然検索が縮小したサイトではAIトラフィックも減少した。これは、根底にある施策(ビジネスが分かりやすいか、どこで言及されても一貫した説明がなされているか、そして実際に信頼できるか)が、SEOとGEOの両方を動かしていることを意味している。

これこそが、取締役会でじっくり検討してほしいポイントだ。AI可視性は、根本的な施策が進展して初めて向上する。優れたGEOおよびSEO戦略は、キーワードの一致ではなく「エンティティ(実体)」としてのビジネスそのものに焦点を当てる。そして嬉しいことに、GEOとSEOの間には多くの相乗効果と共通点が存在するのだ。

企業に取り組める施策とは

報告する前にトラフィック量の現実的な見通しを設定する。筆者のデータでは、AIリファラルは自然検索トラフィックの2〜4%程度で推移していた。自然検索の数パーセントという水準は、現時点では正常な数値であり、何も問題はない。その価値はオーソリティ(権威性)のベンチマークとしてあり、その増減の傾向は根本的な施策が奏功しているかどうかを教えてくれる。

両方に効果的な要素を改善する。具体的には、自社が何を提供しているのか、料金はいくらか、実績の証明、そして事業を支える人物についての明確で一貫した最新情報を提供することだ。自社サイト、ビジネスリスティング、サードパーティの情報源全体で一貫性を保つことに集中するとよい。他サイトでのレビューや言及は信頼性を高める。両者とも企業に関する同じ「全体像」を参照しているため、こうした取り組みは自然検索とAI回答の両方にメリットをもたらす。

AIが自社についてどう語っているかを定期的に確認する。顧客が尋ねそうな質問を毎月投げかけ、その回答を記録しよう。AIモデルが自社の価格設定や実績を誤って提示しているなら、そのシグナルに対処できるよう、状況を把握しておく価値がある。

この数字を覚えておいてほしい

今日、自然検索が100件のCVをもたらすのに対し、AIリファラルがもたらすCVは3件だ。この「3」を1年かけて追いかけることもできれば、両方を引き上げる基本施策に取り組み、後から「3」が付いてくるようにすることもできる。

AI可視性を単独ではなく、より広範な検索戦略の一環として捉えるアプローチこそが、データによって裏付けられた、筆者が推奨する方法である。

(forbes.com 原文)

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