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2026.10.28 17:00

「今この瞬間」に集中できない本当の理由、自制心よりも必要なたった1つの特性

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私たちの多くは、「今この瞬間」に意識を向けることは自制心の問題だと考えている。スマートフォンをチェックしたり、昨日の会話を頭の中で反芻(はんすう)したりするのをやめれば、目の前のことに集中できる、という考え方だ。

だが、この方法がうまくいくのはわずかな間だ。というのも、注意は思い通りにはならないからだ。ごく自然に「今この瞬間」に意識を向けられる人たちは多くの場合、気が散る要素を必死に排除しようとしているわけではない。そうした人たちは、今起きていることに興味を持っており、その好奇心が、単なる意志の力では生み出せないほど自然に注意を引きつけている。心理学の言葉で言えば、これを可能にする特性は「好奇心」だ。

好奇心が意識を「今この瞬間」に留める理由

心理学者は一般に、好奇心とは新しいことを学びたいという欲求であり、探求することで得られる楽しさを伴うものだと説明する。よく知られている説の1つである「情報ギャップ理論」では、自分が知らないことで、知りたいと思うことに気づいたときに好奇心が生まれるとされている。そのギャップは通常、誰かがこれから何を言うか、あるいは状況がどのように展開するかといった、まさに目の前のことにあるため、好奇心は注意を「今この瞬間」に向かわせる傾向がある。

こうした意識の向け方が重要なのは、私たちの思考は放っておけば自然にさまよってしまうからだ。マインドワンダリングに関する研究では、人は1日の多くの時間を、今していることとは別の何かについて考えながら過ごしていることが示されている。学術誌『Psychological Bulletin』に2024年に掲載されたレビューでは、思考がさまよっているとき人は気分が悪くなる傾向があり、特に思考がネガティブな方へと向かった場合にその傾向が強いことが明らかにされている。

無理に注意を戻そうとしても、その効果は一時的なものになりがちだ。好奇心はそれとは違う働き方をする。というのも、真に興味を持っている人はわざわざ意識を会話に引き戻そうとしなくてもよいからだ。ただし、その興味は目の前の事柄に向けられている必要がある。また、好奇心は意識を別の場所へ連れて行ってしまうことがある。学術誌『Personality and Individual Differences』に2023年に掲載された研究では、アイデアに対して好奇心が強い人ほど、思考がふらつきやすい傾向があることが明らかになった。

心理学者のエレン・ランガーは、これと関連する考えを何十年にもわたって提唱してきた。ランガーの考えでは、マインドフルネスとは落ち着きや静寂というよりも、新しい物事に積極的に気づくことを意味する。人が物事に気づかなくなるのは多くの場合、状況がどう展開するかをすでに知っていると思い込んでいるからだ。好奇心はそうした思い込みに真っ向から対抗するものだ。

好奇心旺盛な人は思い込まない

好奇心が強い人と、そうでない人との現実的な違いの1つは、慣れ親しんだものをどう扱うかにある。好奇心旺盛な人は、以前聞いた話についてパートナーにさらに質問したり、同僚の反応を「まあそういうものか」と片付けず、なぜそのような反応をしたのかと考える傾向がある。ありふれた状況にも、一見しただけでは見えない何かが隠されていると捉えがちだ。

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翻訳=溝口慈子

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