成長は、成功を測る究極の尺度として称賛されることが多い。売上は増え、受注残は積み上がり、顧客は途切れない。全体として、事業は正しい方向に進んでいるように見える。しかし私の経験では、成長は企業が直面する最大のリスクの一つにもなり得る。
物事が順調なとき、ここまで自社を運んできたシステム、リーダーシップ、戦略が、今後も前進を支え続けてくれると考えがちだ。だが私が見てきた限り、それはめったにない。成長する組織はいずれ、昨日までのやり方ではもはや不十分になる地点に到達する。重要なのは、その転換点を早期に認識し、事後対応ではなく先手を打って動けるようにすることだ。
成長から得た教訓
過去10年で、私の組織は複数の転換点を経験してきた。地域の鉄骨請負業者から全国規模の建設会社へと成長したのだ。その成長を通じて、組織がより大きく、より複雑になり、地理的にも分散するにつれて生じるリーダーシップ上の課題を、私は現場で目の当たりにしてきた。
しかし、私たちの多くの節目は、居心地のよい状態にとどまっていたから実現したのではない。組織が現在の運営方法を超えて成長したタイミングを認識したからこそ実現したのだ。
意図的なディスラプションの必要性
特定の年には例外的な成長を遂げた一方で、別の年には立ち止まり、事業を評価し、難しい決断を下す必要があった。そうした局面は、重要な教訓を改めて示した。変化が避けられなくなるまで待つのは、ほとんどの場合、遅すぎるということだ。
あまりに多くの組織が、業績が悪化してから初めてディスラプションを経験する。利益率が圧迫され、顧客の期待が変わり、コミュニケーションが機能不全に陥り、リーダーシップのキャパシティが成長に追いつかなくなる。その時点での変革は、事後対応である。企業は今日の仕事を遂行しながら、昨日の問題を解決しようとしているのだ。
より優れたアプローチは、意図的なディスラプションである。これは、事業が好調なうちに自社を評価し、状況に答えを迫られる前に難しい問いを投げかけることで起こる。
• 私たちがこれからなろうとしている組織を、もはや支えられなくなっているプロセスは何か。
• 意思決定はどこで遅くなっているのか。
• 2年後、3年後にどのようなリーダーシップの空白が生じるのか。
• 私たちの事業のどの部分が、より良くなるのではなく、居心地のよさに安住しているのか。
それらは、特に成功している時期には容易な対話ではない。しかし、その対話こそが次の成長段階をつくる。
基盤を強化する
建設業は、格好の例だと思う。私たちの業界では、多くの企業がわずか1〜3%の利益率で事業を運営している。成長だけで、より健全な事業が保証されるわけではない。オペレーションを強化せずに売上を追い求めれば、価値よりも複雑さを生むことが多い。
ここ数年で私たちが学んだのは、売上が増えれば必ずしも事業が強くなるわけではないということだ。時には、売上を減らしてでも実行力を高め、プロセスを強化し、収益性を高めることが、長期的にはより優れた戦略となる。その発想の転換によって、私たちはより健全で、よりレジリエントな組織を築くことができた。
私たちが行った最も重要な転換の一つは、必要になるずっと前からリーダーシップに投資したことだ。組織が成長するにつれ、リーダーは自然とより多くの責任を担うようになる。そして意図的に他者を育成しなければ、いずれボトルネックになる。
したがって私は、すべてのリーダーは自分の後継者を育てるべきだと考えるようになった。それは組織を去る準備をするという意味ではない。1人の個人に依存せずに事業が成長を続けられるだけのリーダー層の厚みをつくるという意味である。リーダーが他者に自律的に考え、問題を解決し、的確な意思決定を行う権限を与えるとき、組織全体は強くなる。
同じ原則はインフラにも当てはまる。5000万ドル(約79億円)規模の企業を支えるシステムは、3億5000万ドル(約553億円)規模の企業を支えることはできない。組織が成長するにつれ、かつて非常にうまく機能していたプロセスも、やがてひずみを見せ始める。そうした瞬間は、何かが壊れている兆候ではない。組織が次の転換点に到達したことを示す指標である。
先を行くための3つの方法
テクノロジーであれ、業務プロセスであれ、組織構造であれ、リーダーシップ開発であれ、目的は同じだ。事業が過去にいた場所ではなく、これから向かう場所に備えることである。
自分たちの歩みを振り返ると、私たちの最大の競争優位は、テクノロジーでも設備でも、成長そのものでもなかったと思う。それは、組織が次の段階へ進む必要があるときを認識する意思であり、その変化が避けられなくなる前に実行する覚悟だった。
優れたリーダーは、ディスラプションを待たない。次の転換点を自らつくる。では、どうすれば次の転換点をつくれるのか。私たちが評価し、行動するうえで役立った実践は以下の通りだ。
1. うまくいっていることに疑問を投げかける。システム、構造、戦略を問い直すのに、業績が悪化するまで待ってはならない。改善の最大の機会は、事業が好調なときに訪れることが多い。
2. 次世代のリーダーを今すぐ育てる。重要な意思決定のすべてを少数の人に依存している組織では、いずれ成長が鈍化する。必要になる前に、リーダーの育成に投資すべきだ。
3. 売上以外も測定する。売上は重要だが、収益性、オペレーショナル・エクセレンス、顧客体験、リーダーシップのキャパシティも、長期的成功を示す同じくらい重要な指標である。
成長は決してゴールではない。あらゆる節目は、次の節目に備える機会であり、責任でもある。市場に変革を迫られる前に、自らディスラプションを起こす意思を持つリーダーになれ。



