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Piotr Marcinski / shutterstock

ほぼ利率ゼロの親族内ローンと聞いたらどうだろう。今、アメリカで3年以内の短期親族内ローンであれば、利率たった0.56%で組むことができる。もう少し期間を延ばして9年までならば1.68%、10年以上でもたった2.61%である。

親族内ローンは、これからの世代を後押ししたいと思っている親や祖父母たちに最適な仕組みである。息子や娘に起業資金やマイホーム資金を貸すこともできれば、貸した100万ドルを投資させて成果を見てみることもできる。例えば、娘に100万ドル貸し付けて、娘がそれをプライベート・エクイティに投資して200万ドルに増やしたとする。「そうすることで、親の資産ではなく、娘の資産を100万ドル作ってあげたことになるのです」と解説するのは、ニュージャージー州の遺産相続弁護士ジョン・マクマナスだ。先日も、デベロッパーの父親が、困窮している州内の商業用不動産に投資させる資金を息子に貸すローンを組む案件を扱ったばかりだ。

アメリカでもかなり長期に渡って金利が非常に低かったこともあり、連邦贈与遺産税を避けながら資産を次の世代に残したい富裕層を中心に、こうした低金利を利用した手法を使った資産形成ニーズは高い。連邦準備委員会が利上げに踏み切る目前の今、これまでにない切迫感、あるいは資産形成プランナーからみればビジネスチャンスが広がっている。前述の利率は今年の12月まで有効な利率で、IRS(国税庁)が毎月新しい利率を発表しているのだ。

バージニア州の国際法律事務所Greenberg Traurigの遺産相続弁護士ジョナサン・フォースターは「みすみす利率が上がるのを待たずに、今こうした取引を成立させてしまうことをお勧めします」と語る。フォースターは、この他にもIRSが設定する7520利率(12月の利率は2%)と連動した資産継承戦略である委託者管理年金信託(Grantor Retained Annuity Trust-GRAT)、自益信託の販売(sales of Defective Grantor Trusts-DGT)、や公益先行年金信託(charitable lead annuity trusts)も気に入っており、よく顧客に勧めている。

子どもに対してローンを組む場合は、明確な条件を定め、それを証明する書類を作成しておく必要がある。「返済についてうるさく言う親は少ないのですが、返済をしていなければ国税庁は贈与したものとみなします」とマクマナスは解説する。契約条件として子どもが毎年利率分を支払うことを定め、親にはカレンダーに印をしてでも子どもに支払いを督促することを勧めているという。しかし、いざとなれば、贈与税の年間非課税枠を利用して、親が更に贈与して利率の支払いに充てることもできる。また、もう一つの手法としては、少し多めに組んだローンからあらかじめ利率分を取り分けておき、そこから利率の支払いをさせることもできる。ただし、子どもから受け取る利金は、親の課税対象所得となる。しかし、ローン総額が1万ドル以下の場合は、利子を要求する必要がない。

また、最終的にローンを贈与したことにすることもできる。子どもがその資金を必要としていて、返済不能であったり、親が返済不要と判断した場合は、贈与税申告書を提出して贈与税を支払うか、生涯贈与税非課税枠を利用すればよい。

更なる戦略としては、親族内ローンを既存の複数世代家族信託と組み合わせることもできる。2012年末には、当時500万ドルだった贈与遺産税非課税枠が翌年から100万ドルに引き下げられることを恐れて、多くの家庭がこの家族信託を設定した。実際には、非課税枠はこの金額で恒久化された上でインフレ連動となり、2016年度は個人で545万ドル、夫婦で1090万ドルを贈与遺産税非課税で相続人に遺すことができる。親族内ローンを活用することで、この家族信託により多くの資産を入れることができるのだ。例えば、同族企業の株式を移動させたいとする。まず信託に対して低金利でローンを組み、信託が株式を買い取るという形をとるのだ。ここで重要なのは、これは贈与ではなく、売買契約であるということである。この場合IRSが設定した利率を使用し、ローンを返済する必要がある。

ローンは毎年返済しなくてもよいように設定できる。これは相場が上がっている時には有利に働く。一方、市場が暴落すると、信託内にあった価値も消失してしまう危険性もはらんでいる。ニューヨークの法律事務所McDermott, Will & Emeryの遺産相続弁護士カーリン・マクカフェリーは「結構なリスクがあることも確かです」と語る。それでも適切なケースにおいては、親族内ローンを好んで勧めるという。また、株式市場から影響を受けるリスクを軽減するには、100万ドル相当の株式を信託に移す場合、少なくとも10万ドル程度の資金を信託に入れておいた方がよいと話した。

ところで、ローンはどのくらいの期間で設定するのが賢いのだろう。もし12月の利上げが継続的な利上げの始まりだと読むのであれば、長期で設定するべきだろう。そうすればその期間について利率を固定することができる。「現在のあり得ないほど低い利率を考えると、ざっと30年くらい固定してしまってもよいかもしれません」とフォースターは話した。

編集=Forbes JAPAN 編集部

 

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