冬こそ訪れたい欧州の都市

Cedric Weber / shutterstock

冬こそ訪れるべき街がある。冷たく青白い午後の空気がその地を神秘的に見せてくれるからかもしれないし、古い街灯がともる通りのためかもしれない。また、心も温まるような料理を味わうためかもしれない。心地よさと温かさを共に味わえるのなら、寒さに耐えるのもたいしたことではない。

1 ロンドン
ウエストエンドでミュージカルを楽しむのもいいが、アウトドアが好きな人には、スケートはどうだろう。ロンドン自然史博物館やサマセット・ハウスのリンクは、滑らない人にもお勧めだ。夜になると魅惑的にライトアップされる荘厳な建物は、一見の価値がある。

念入りに仕上げられたフォートナム・アンド・メイソンやハロッズのクリスマス用のウィンドー・ディスプレイを見て歩くのも楽しい。ハロッズは今年、「昔々」をテーマにミニチュアの人形たちが並ぶ伝統的な古い劇場を再現している。
ロンドンにはお茶を楽しめるおしゃれな店が数多くあるが、本当のぜいたくと豪華な英国式の午後のお茶を味わいたいなら、ぜひ「ザ・リッツ・ロンドン」へ。クリスマス・アフタヌーン・ティーには、グラス一杯のシャンパンがついてくる(子供にはクマのぬいぐるみ)。

2 ブリュッセル
食事も買い物も、ブリュッセルは冬こそ魅力がいっぱいの街だ。料理は基本的にフランスと似ているが、最近ではベルギーの方がおいしい店が多いとの意見もある。
郷土料理なら、ブッシェ通りにあるレストラン、オー・ザルム・ド・ブリュッセルでベルギービールと一緒にムール貝のフリットやワーテルゾーイ(魚やチキンを入れたクリームシチュー)、ビーフシチューをどうぞ。市場やレストランが並ぶ活気にあふれたこの通りを散策するのも楽しい。


最高級のチョコレートを提供するピエールマルコリーニとヴィタメールに行けば、それまでのチョコレートに対する考え方が変わるはず。ヴィタメールの2階には、グランドサブロン広場を見下ろすティールームもある。
旧市街に広がるグランプラスは、華麗なバロック建築に囲まれた広場。欧州で最も美しい広場の一つといわれ、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産にも登録されている。

3 ウィーン
モーツァルトが傑作を残し、そして死去した場所。ベートーベンが作曲家としての人生の大半を過ごし、シューベルトが生まれた場所でもあるウィーン。どの季節も素晴らしい街だが、冬にはクリスマス・コンサートが目白押しで、シュトラウス王朝のワルツが街中に響く。

クラシックのファンなら、ぜひウィーン・コンツェルトハウスへ。クリスマスにも新年にも、コンサートが行われる。ウィーンはまた、子供たちを芸術や文化に親しませるのに最適の場所だろう。クリスマス公演の定番、くるみ割り人形とは少し違ったものを子供に見せたいなら、フォルクスオーパー・ウィーン劇場で行われるグリム兄弟の童話「ヘンゼルとグレーテル」を題材にしたオペラはどうだろう。きっと子供たちを魅了するはずだ。

4 プラハ
まずはプラハ城を訪れよう。神聖ローマ帝国の首都でもあったチェコ・プラハに建てられたこの城は、ギネスブックによれば世界最大。9世紀に建造され、現在もチェコ共和国の大統領府が置かれている。完璧な手入れが施された南庭園や、城の敷地内にあるゴシック様式の聖ヴィート大聖堂も必見だ。

旧市街広場で11世紀から続くクリスマスマーケットは、欧州各国の中でも最高のマーケットの一つと評されている。
そのほか、操り人形はプラハの伝統。国立マリオネット劇場で見られるモーツアルトのオペラの最高傑作「ドン・ジョバンニ」 は人気の演目だ。定期公演が行われている「魔笛」は、より子供向けかもしれない。

編集 = 木内涼子

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