北米

2026.10.16 10:00

米連邦議会や選挙管理事務所に「白い粉末入りの手紙」、FBIが捜査を開始

J. David Ake/Getty Images

J. David Ake/Getty Images

米連邦当局は、複数の連邦議会事務所を含む全米各地の宛先に郵送された「不審な物質を含む複数の手紙」について捜査を進めている。

連邦議会の一部のスタッフには米国時間10月15日、連邦捜査局(FBI)、連邦議会警察、郵便監察局が不審な郵便物について調査中であり、「追加の手紙が配達される前に差し止めるよう動いている」と警告するメールが送られた。

報道によると、このメールには不審な封筒の1つを撮影した写真が添付されており、返信用ラベルには「DSA」の文字と、政治団体「アメリカ民主社会主義者(DSA)」が入会申込書に記載しているニューヨーク市内のビルの住所が記されていたという。

今週初めにはルイジアナ州とオクラホマ州の当局者が白い粉末状の物質が入った手紙を受け取ったと報告しており、その数日後に連邦議会事務所へも手紙が送られていたことが発覚した。

FBIは14日、各州の州務長官事務所や関連する選挙管理事務所にこうした手紙が送りつけられたことをCNNに明かし、捜査官らが「手紙を送った人物の特定」にあたっていると述べた。

ルイジアナ州のトレイ・ウィリアムズ副州務長官によると、現場で行われた簡易検査では、この粉末から有害物質は検出されなかったという。

米国では2001年、連邦議会の指導者や報道機関に炭疽菌(Anthrax)が送りつけられ、5人が死亡、17人が負傷するバイオテロ事件が発生した。その一件もあり、今回の送り付けられた粉末が致死性の病原体や生物兵器ではないかとの警戒が即座に高まった。「アメリトラックス(Amerithrax)」と呼ばれたこの事件から20年以上が経過した現在、不審な白い粉を郵送する手口は、いたずらや政治的脅迫、政府当局者への恐喝の手段として広く使われるようになった。炭疽菌が詰まった封筒は開封しただけで微粒子が空気中に飛散するため、たとえ無害ないたずらであっても、危険物処理班の出動や建物からの避難、郵便室の閉鎖といった大規模な混乱を引き起こす。

2023年11月には5つの州の選挙管理事務所に不審な白い粉が入った手紙が送りつけられ、その後の検査で複数の手紙から合成麻薬のフェンタニルが検出された。この騒動により地方選挙の開票作業が中断されたものの、けが人は出なかった。また、2024年の大統領選挙のわずか2カ月前にも、20州の選挙管理当局者や州務長官に同様の手紙が送られたが、検査の結果、粉末は小麦粉や重曹などの無害な物質であることが判明している。

米連邦法の下では、たとえ無害なものであっても、恐怖を与えることや脅迫、いたずら、パニックを引き起こすことを目的として白い粉末を郵送する行為は違法となる。郵便物に脅迫文が含まれていたり、公務員や個人を脅迫しようとしたりした場合には、最高で禁錮5〜20年の刑が科される。

(forbes.com原文)

翻訳=江津拓哉

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